月別: 2021年9月

2021年9月30日 花粉情報

○台風16号が東日本に接近しています。当地の予報は「木曜日は曇りのち雨、金曜日は雨」です。明日、金曜日に台風の影響を受けそうです。

朝まで晴れ、午前8時頃から曇り、昼過ぎに一時小雨が降り、晴れたり、曇ったりでしたが、夜遅くからは雨が降り出しました。気温は上がらず、午後12時の28.0℃が最高気温でした。

○スギ・ヒノキ以外の飛散花粉(2021年4月)

種別 飛散数(個/cm2/4月) 種別 飛散数(個/cm2/4月)
マツ 151.7 ケヤキ                  26.3
シラカンバ 173.1 イチョウ 19.0
ソメイヨシノ 168.7 オオバヤシャブシ 6.4
ハンノキ 67.5 スゲ 0.0
コナラ 84.8 テウチグルミ 1.5
クリ 11.0 アカシア 0.0
イネ科 55.4 ヨモギ 0.3
クヌギ 51.7 不明 466.6

その他の花粉の多くは4月に飛散していますので、4月の比較をしました。4月のスギ、ヒノキがスギ52.2個/cm2、ヒノキ144.1個・cm2でしたので、スギ・ヒノキの合計を上回ることはありませんでしたが、カバノキ科(ハンノキ、シラカンバ、オオバヤシャブシ)、ブナ科(コナラ、クヌギ、クリ)はヒノキを上回っています。スギによる減感作の効果が4月に減弱する症例では、ヒノキの他に、これらの花粉症の存在を無視できないと考えられます。


2021年9月29日 花粉情報

晴れのち明け方一時曇り、未明から北寄りの風が吹き(2〜3m/s)、朝まで気温が上がりませんでした(19.0〜20.0℃)、日差しが強くなった朝から気温が上がり(午前10時:25.0℃)、午後は晴れ一時曇りでしたが、気温は昼前(午前11時)が最高気温(25.5℃)でした。

○その他の花粉の内訳(1〜5月)

種別 飛散数(個/cm2/1〜5月) 種別 飛散数(個/cm2/1〜5月)
マツ

396.7

ケヤキ

65.6

シラカンバ

377.1

イチョウ

34.0

ソメイヨシノ

224.6

オオバヤシャブシ

25.1

ハンノキ

220.2

スゲ

4.2

コナラ

168.4

テウチグルミ

3.9

クリ

107.6

アカシア

0.9

イネ科

97.5

ヨモギ

0.3

クヌギ

75.6

不明

990.8

1〜5月を集計してみました。ヒノキは1〜5月の合計は658.8個/cm2でした。1〜5月で比較するとヒノキが最大で、次いでマツ、シラカンバ、ソメイヨシノ、ハンノキ、コナラとなりました。マツ以下、どの花粉も花粉症が報告されており、これまでスギ花粉症の方が4月に悪化すると、ヒノキが原因と考え、対応していましたが、症状が強く、長引く方はヒノキ以外の花粉について精査する必要がありそうです。少し、情報としては、タイミングが良くないのですが、来春のご参考になれば、幸いです。


2021年9月28日 花粉情報

晴れのち曇り、未明から北風が吹き(2〜3m/s)、朝まで気温が上がりませんでした(19.0〜20.0℃)、昼前になって、やっと気温が上がり(午前10時:22.5℃)、午後は晴れ時々曇りの天気で、25.5℃が最高気温で13時〜16時まで続きました。その後は曇り、次第に気温が下がりました。

○秋のHDシーズンまで、少し時間がありそうですので、今シーズンの春の花粉について、集計してみましたので、ご報告いたします。

○令和3年度 月別花粉飛散数

スギ ヒノキ 合計 その他
1月      2.4 0.0            2.4 6.0
2月 1587.8 3.0          1590.8 27.5
3月 2270.8 507.0        2777.8 679.7
4月     52.2 144.1          196.3 1282.8
5月5日まで      1.5 2.1             3.6 159.3
合計   3914.7 656.2        4570.9 2155.3

例年4月になると、スギ花粉で減感作している方で症状の悪化を訴える方が少なからずおられます。しかも、4月は例年、スギ、ヒノキ以外の花粉が大変多く飛散します。そこで、その他の花粉について、可能な限り判別を試みました。明日その結果を御報告します。


2021年9月27日 花粉情報

晴れのち曇り、朝から北風が吹き(3〜4m/s)、午前中気温が上がりませんでした(18.5〜23.0℃)、午後になっても気温が上がらず(午後1時:23.3℃)、その後も曇りのち晴れでしたが、気温はさほど上がりませんでした(午後4時:24.0ど)。

○7〜8月は花粉の飛散はほとんど認められませんでした。花粉症の患者様の来院もほとんどなく、毎年小休止状態です。9月の飛散花粉も思いのほか少数です。秋は花粉よりも室内塵の方に注意する必要がありそうです。 今年は昨年と比較しますと9月の気温が大幅に低く、ダニのシーズンが早くなりそうです。再三、ご注意したしますが、衣替え時に埃を浴びないようにご注意下さい。


2021年9月26日 花粉情報

未明から曇りが続き、朝から北風が吹き(3m/s)、肌寒い午前中でした(21.0℃)、昼前後になっても気温が上がらず(午前11時〜午後2時:21.5℃)、その後も曇り、気温はますます下がり、午後4時以後は20.0℃を切りました。

○昨年のこの1週間(9/20〜9/26)に観測された花粉は、「スギ花粉は0.0個/cm2/週、ヒノキ花粉0.0個/cm2/ 週でした。イネ科1.5個/cm2/週、ブタクサ属12.8個/cm2/週と飛散が多くなり、ヨモギ属3.2個/cm2/週、カナムグラ1.5個/cm2/週でした。その他の花粉は17.6個/cm2/週でした。プレパラートの汚れはなく、花粉総数は大きく増えて、総計36.4個/cm2/週で前週の倍になりました。ブタクサ属にはオオブタクサ、セイタカアワダチソウを含みます。」

種別 観測期間
9/20〜9/26 昨年(9/20〜9/26)
スギ 0.0 0.0
ヒノキ 0.0 0.0
イネ科(カモガヤ、イネ他) 2.1 1.5
ブタクサ属 5.6 12.8
ヨモギ属 1.5 3.2
カナムグラ 2.5 1.5
マツ 0.0 0.0
その他 15.4 17.6
合計 27.1 36.4

今週(9/20〜9/26)観測された花粉は、スギ花粉0.0個/cm2/週、ヒノキ花粉0.0個/cm2/週、イネ科2.1個/cm2/週、ブタクサ属5.6個/cm2/週、ヨモギ属1.5個/cm2/週、カナムグラ2.5個/cm2/週、マツ0.0個/cm2/週でした。その他の花粉は15.4個/cm2/週でした。今年のブタクサ花粉初観測は昨年と同じ週でした。今週のブタクサ花粉の飛散数は、昨年のピーク(昨年9/20〜9/26:12. 8個/cm2/週)と比較して、少ない飛散でした。今年のピークは第2週だったようです。昨年とは大きく気候条件が異なったためのようです。


2021年9月25日-2 花粉情報

未明から雨が降り、以後曇りが続き、朝はやや風が吹き(4〜5m/s)、肌寒い午前中でした(22〜24℃)、昼前と昼過ぎに一時小雨が降りましたが、ほぼ曇り、夕方5時に一時日差しが見られました。気温は上がらず、午後1時の24.5℃が本日の最高気温でした。

○連休後半昨日よく晴れていましたが、本日は肌寒い曇り空、まだまだ気温の変化が大きく、油断はできません。それと、これだけ変化が激しいと皆様は衣替えのタイミングが非常に難しいと思います。埃を被ることが無いように十分気をつけてやって下さい。


2021年9月25日-1 花粉情報

台風16号が発生し、「16号が25日(土)午前6時現在、フィリピンの東にあって北西に進んでいる」ようです。週明けに日本に接近、月末に東日本に接近の可能性があるそうです(気象庁)。昨年は9月までに日本に上陸した台風はありませんでした。気象庁のデータによると1951年以来昨年までに日本に上陸した台風が0の年は過去5年(19841987200020082009)しかなく、1987年と2009年は10月に1台風が上陸しただけでした。最大は2004年の10台風でした。昨年関東に接近した台風は2台風でした。そこで、今回は台風が秋の飛散花粉数に影響するか否かを、調べて見ました。私が調べた範囲では、秋の飛散花粉と台風の関係を検討したデータは見当たりませんでした。そこで、東京都千代田のブタクサ花粉のデータ(東京都アレルギー情報navi.:2002〜)および過去に関東地方に910月に接近した台風の数(気象庁)から検討して見ました。その結果、台風が9.10月に関東に接近した数が1台風以下の年は、ブタクサ花粉の飛散数は38.9/cm2/年でしたが2台風以上の年は16.8/cm2/年でした。調査期間は2002年以後のスギ花粉飛散終了後から11月末まで)。台風が翌年の杉花粉の飛散に影響はないようですが、ブタクサ花粉には影響しているようにうかがえます。


2021年9月24日 花粉情報

未明から晴れて、風が穏やかに吹き、気温が高く(午前5〜6時:22.5℃)、その後も日中は一日晴れ、気温が上がり午後1時には29.5℃を記録しました。気温はやや高いまま夜になりました。

○昨日都心では今月3度目の30.0℃超え、それも13日以来10日ぶりです。昨年9月は23日までに10日も30.0℃超えの日がありました。今年の9月は異例な天気が続いているよう思います。くれぐれも体調にお気をつけ下さい。


2021年9月23日 花粉情報

未明から明け方に一時小雨が降りましたが、南風が吹き、気温が高く(25.0℃)、午前6時には晴れて、その後は一日晴れ、気温が上がり午後1時には31.5℃を記録しました。気温は高いまま夜になりました。

○昨日までの4日間は晴れて、気温も上がりました。しかし、いずれも最高気温27.0〜29.0℃、最低気温17.0〜19.0度で、連日その差10℃にも及ぶ寒暖差が大きな日々が続きました。湿度も次第に下がっています。本日は、特に気温が上がり、最高31.5℃を記録、本日も7〜8℃の温度差となりそうです。これらの気象条件は、敏感なアレルギーの皆様の鼻には、悪化因子として働く可能性があります。必要な対策を施してください。


2021年9月22日 花粉情報

昨日に続いて未明は晴れて予報の雨は降りませんでしたが、明け方に一時雨が降り、すぐ病みました。気温は昨夜より高く(22.0〜23.0℃)、朝は曇り空ででした。日中は晴れ、気温が上昇して午後2時から午後4時まで29.0℃まで上昇して、夜になっても気温が下がりませんでした(午後11時:25.7℃)。

○都内ほぼ全域でブタクサ花粉とカナムグラ花粉の飛散が始まったようです。ブタクサは都内ほぼ全域で増えています。昨年もほぼ同じ時期にピークを記録しています(東京都アレルギー情報navi.).秋の花粉症のある方はご注意下さい。ここ数日は連休のため、外出される方が増えているようです。コロナで非常事態宣言中です、十二分にご注意して下さい。


2021年9月21日 花粉情報

昨日に続いて秋晴れの天気で始まり、未明から明け方は弱い北風が吹き(2〜4m/s)、昨夜より高いものの、気温が低く(20.0〜21.0℃)、若干肌寒い朝でした。日中は秋晴れ、気温が上昇して午後1時から午後3時まで27.0℃まで上昇しました。大変爽やかな1日、夜も気温は然程下がりませんでした(22.5℃)。

○10日に「昨年と本年では、9月上旬の天候が極めて大きく異なりました。」とお知らせいたしました。今月は異常な気候が中旬になっても続いているように感じられましたので、比較をして見ました。気温は変わらず低く、日照時間はやや長かったものの、台風の影響で雨量が非常に多い天気でした。この影響で衣替えが早くなると、室内塵アレルギーの季節が早く訪れそうです。ご注意ください。

○9月中旬の気象データ

観測期間 雨量

(mm)

平均気温

(℃)

最高気温

平均

最低気温

平均

日照時間

(h)

2021 131.5 23.5 27.7 20.2 41.6
2020 18.5 24.7 28.4 22.2 16.5

2021年9月20日 花粉情報

連休3日目は昨日に続いて秋晴れの天気で始まりました。未明から明け方は、弱い北風が吹き(2〜3m/s)、やや気温が低く(19.0〜20.0℃)、若干肌寒い朝でした。日中は秋晴れが続き、気温が上昇して午後1時から午後2時まで27.5℃まで上昇しました。大変爽やかな1日でしたが、夜は秋らしく気温が下がりました(20.8℃)。

○連休も3日目ともなると、睡眠不足はありませんか、お疲れではありませんか?睡眠不足や疲労はアレルギー症状を悪化させる因子の一つであるだけでなく、様々な体調不良の原点にもなります。今月上旬から中旬は例年と比較して低音が続きました。下旬は例年より気温が高くなるよ予報では予想されています。これまでの異常とも思える天気の体調への影響もありますので、今後とも余裕を持ってお過ごし下さい。東京都の花粉情報(東京都アレルギー情報navi.)によりますと先週から都内でブタクサ花粉、ヨモギ、カナムグラの飛散が認められます。これらのアレルギーのある方はご注意下さい。


2021年9月19日-3 花粉情報

昨年のこの1週間(9/13〜9/19)に観測された花粉は、「スギ花粉は0.0個/cm2/週、ヒノキ花粉も0.0個/cm2/週でした。イネ科1.9個/cm2/週、ブタクサ属6.2個/cm2/週と飛散が多くなり、ヨモギ属0.0個/cm2/週、カナムグラ0.0個/cm2/週でした。その他の花粉は6.5個/cm2/週でした。プレパラートの汚れはこれまでになく強く(昨日の風が影響したようです)、花粉総数は増えて、総計14.6個/cm2/週で前週の倍になりました。と報告致しました。

種別 観測期間
9/13〜9/19 昨年(9/13〜9/19)
スギ 0.0 0.0
ヒノキ 0.0 0.0
イネ科(カモガヤ、イネ他) 0.9 1.9
ブタクサ属 9.6 6.2
ヨモギ属 0.6 0.0
カナムグラ 2.4 0.0
マツ 0.0 0.0
その他 12.6 6.5
合計 26.1 14.6

今週(9/13〜9/19)観測された花粉は、スギ花粉0.0個/cm2/週、ヒノキ花粉0.0個/cm2/週、イネ科0.9個/cm2/週、ブタクサ属9.8個/cm2/週、ヨモギ属0.6個/cm2/週、カナムグラ2.4個/cm2/週、マツ0.0個/cm2/週でした。その他の花粉は12.6個/cm2/週でした。今年のブタクサ花粉初観測は昨年と同じ週でした。今週のブタクサ花粉の飛散数は、昨年(6.2個/cm2/週)より多く、ピーク(昨年9/20〜9/26:12.8個/cm2/週)が近い可能性があります。近隣にブタクサが生えている可能性のある方はご注意ください。


2021年9月19日-2 花粉情報

本日未明まで小雨が降っていましたが、午前3時には晴れて、北寄りの風がやや強く(4〜5m/s)吹きましたが、気温は高く(23.0〜25.0℃)朝はすっかり晴れでした。日中は気温が上昇して午前11時から午後2時まで28.0℃を記録しました。秋晴れの1日でした。

○飛散花粉(2020年:9月13日〜17日:品川区)

観測期間 スギ ヒノキ イネ科 ブタクサ属 ヨモギ属 カナムグラ

 13〜  17 0.0 0.0 0.3 9.3 0.3 1.2 8.3
18〜19 0.0 0.0 0.6 0.3 0.3 1.2 4.3
0.0 0.0 0.9 9.6 0.6 2.4 12.6

13〜17日に観測した花粉は、上表の通りですが、イネ科はカモガヤ、ブタクサ属のうち1.2個/cm2haはオオブタクサ、その他のうち1.5個/cm2はハンノキと良く似た花粉(気候の関係でこの時期に飛散した?、アカザと思われる花粉が0.3個/cm2観測されています。下段は18〜19日の観測数です。台風の影響を避けるために分けて観測しました。


2021年9月19日-1 花粉情報

一昨日観測されたアカザはアカザ科アカザ属、新芽の赤いのがアカザ、白いのがシロザと呼び、一年生の草木で風媒花、花期は9〜10月(Wikipediaより)でした。


2021年9月18日-2 花粉情報

気象庁は昨日(17日)午後7時前に、「台風14号が福岡県に上陸した。今年3つ目の上陸になります。福岡県への上陸は1951年の統計開始以後初めて」と発表しました。本日は台風の影響か?未明から雨が降り続き、南寄りの風がやや強く((5〜10m/s)、気温も高めの((23.0〜24.0℃)夜でした。小雨が午前中は続きましたが、午後からはその雨も止んで、夕方には明るさも増し、午後3時には気温も26.0℃まで上がりました。しかし、夜には再び雨が降り出し、やや気温が下がりました。

○今年の9月は経験したことのないような気象です。引き続き、花粉のみならず室内塵アレルギーにも注意を払わなければならない天気が続いています。

1.本日は3連休初日、コロナ禍で非常事態宣言下とはいえ、止むを得ずお出掛けされる方もおられると思います。中には、どうしても飛行機を利用しなければならない方もいると思われます。鼻の構造上、アレルギー性鼻炎や花粉症などによって鼻粘膜の肥厚や機能障害がある時に、飛行機などに乗り気圧変動があるとその影響によって気圧障害(中耳炎や副鼻腔炎など)が起こることが危惧されます。飛行機の場合、上昇時には起こりにくく、降下時に起こるため搭乗前には本人もその危険性に気づくことができません。飛行機に搭乗する予定がある時には、鼻づまりをとる必要がありますので、鼻のコンディションが悪い方は、搭乗前に耳鼻科医にご相談ください。

2.室内塵アレルギーの主な原因は室内塵中のダニです。その大部分がチリダニ(ヤケヒョウダニ、コナヒョウダニ)です。チリダニは気温20〜30℃、湿度60〜80%で繁殖しやすく、温度、湿度、餌、住処が整うと活動が活発になります。温度25℃、湿度65〜75%で活動が最も活発になると言われています。冷暖房を調節するときは、この温湿度にご注意ください。チリダニは、体長0.4mm前後で畳、絨毯、布団などを住処に生息します。繁殖力が非常に強く、寿命は約3ヶ月、その間に30〜100の卵を生みます。11〜12日で成虫となります。その上毎日平均5個の糞をします。糞は非常に小さく(20μ以下)、粉砕されるとさらに小さくなります。スギ花粉の直径は平均20〜40μありますので、大半が鼻粘膜に捉えられ、残りは呼気で排出されます。しかし、ダニの糞は吸入されると鼻、喉を通過して喉頭、気管、気管支へ侵入します。喉の違和感や咳の原因ともなりますので注意が必要です。


2021年9月18日-1 花粉情報

本日17日午後7時まえに台風14号が福岡県福津市付近に上陸しました。今後の進路予測では、明日関東に影響する可能性があるとのことでした。花粉観測用のワセリンを塗布したスライドグラスは強い風雨で花粉とともにワセリンがはげ落ちて、花粉が正確に観測できなくなる可能性がありますので、本日午後11時にプレパラートの交換をいたしました。17日までの観測数は表の通りです。

○飛散花粉(2020年:9月13日〜17日:品川区)

観測期間 スギ ヒノキ イネ科 ブタクサ属 ヨモギ属 カナムグラ その他
花粉数 0.0 0.0 0.3 9.3 0.3 1.2 8.3

この5日間に観測した花粉は、上表の通りですが、イネ科はカモガヤ、ブタクサ属のうち1.2個/cm2haはオオブタクサ、その他のうち1.5個/cm2はハンノキと良く似た花粉(気候の関係でこの時期に飛散した?)、アカザと思われる花粉が0.3個/cm2観測されています。


2021年9月17日 花粉情報

夜間は小雨が降ったり止んだりでしたが、朝からは曇り空が続き、昼過ぎにはほんの一時陽がさしました。 気温は上がらず(20.0〜24.0℃)、昼からは曇りが続き、気温も25.0℃(午後2〜3時)が最高でした。

○今年は過去に経験したことのないような異常な天気に見舞われています。そのため、アレルギーの皆様には9月早々から花粉のみならず室内塵にも注意して頂きたい状況です。

1.明日から3連休ですが、コロナ禍で非常事態宣言下、連休にお出かけの方は多くないと思われますが、お出かけの際は以下のことにご注意ください。秋の花粉は主に草木の花粉が飛散します。これらは河川敷、公園、道端などに自生していますが、飛散距離が短いので、近づかなければ花粉を吸入することはありません。マスクは花粉の吸入防止には大いに役立ちます。コロナ禍の時期でもありますので、マスクを忘れずに着用してください。都心から郊外にお出かけの際はご注意ください。3連休も「天気の変化が大きく、とりわけ寒暖差がある」と予報されています。寒暖差はアレルギーの有無に関わらず鼻粘膜に影響します。このことにもご注意ください。

2.室内塵アレルギーの主な原因であるダニは、繁殖力が旺盛で数ヶ月で数万から数十万匹に増殖します。抗原となるのは主に糞、抜け毛、フケですが、これらを掃除で完全に排除するのは至難の技です。ダニは畳、絨毯、布団などの内部に生息しますので、これを退治するのも至難の技です。ダニを増やさない方策が必要です。繁殖前に餌を断つことが大事です。早い時期に餌を断つ掃除を心がけて下さい。また、衣替えをする際は吸入防止のためマスクを着用してください。


2021年9月16日-2 花粉情報

予報では午後から雨でしたが、久しぶりに1日晴れて、北寄りの風がやや強かった(3〜5m/s)ものの、気温も上がり(21.0〜26.5℃)、過ごしやすい一日でした。

○9月も本日から下半期、この時期には、昨年を例にとりますと秋の草木の花粉が飛散する季節になります。しかし、気候は例年と大きく異なっていますので、注意すべきは花粉だけでなく、室内塵アレルギー(とりわけダニアレルギー)に対しても、注意が必要です。

1.都心ではヨモギ属(キク科)とカナムグラ(アサ科カラハナゾウ属)が飛散します。草木の花粉は飛散距離が短いので、地域による差があり、しかもその差が大きいと思われます。また秋に飛散する草木の花粉は口腔アレルギー症候群を起こす可能性がありますので、気候の影響とともに注意が必要です。

2.室内塵アレルギー(とりわけダニアレルギー)は、衣替え、転居、大掃除などによる室内塵の被曝によって、悪化します。室内塵の主な原因はダニです。ダニは地球上に3万とも6万種とも言われ、新種が次々に発見されています。これらの内95%は人に無害です。人を刺すダニはツメダニ、イエダニ、マダニの3種です。アレルギーの原因(抗原)として日本では、チリダニ科ヒョウダニ属のヤケヒョウダニとコナヒョウダニの2種が最重要と言われています。


2021年9月16日-1 花粉情報

本日、「令和3年度東京都花粉症対策検討委員会(第1回)」が情報され、以下の報告と検討が行われた。」と東京都保険福祉局の担当者の方から情報をいただきました。

報告、検討事項は以下で同じです。

1.令和3年春のスギ・ヒノキ花粉飛散状況について

イ.スギ・ヒノキ花粉の飛散数は昨春の1.5倍、過去10年平均の6割だった。

ロ.飛散花粉数が「おおい」以上の日数は、29日だった。.

2.予測との比較

イ.都全体の飛散花粉数は、予測範囲内だった。

ロ.飛散花粉数が「多い」以上の日数は、概ね予測通りだった。

ハ.スギ花粉の飛散開始日は、予測と数日の差だった。

3.花粉症患者動向調査の結果の検討

東京都は毎年皆様にお届けする情報の精度を高めるため、この会は年3回開催されます。


2021年9月15日 花粉情報

未明から朝まで小雨、気温は昨夜より低く(午前1時〜午前6時:20.5℃)、朝は曇り空でしたが昼前には晴れて気温も上昇(午後3時:28.0℃)、その後やや風は吹きましたが晴れが続きました。

○今年9月上旬の平均気温は20.7℃、日照時間は13.6時間、雨量は85.5mmを記録しました。昨年9月上旬(平均気温は27.7℃、日照時間は53.8時間、雨量は65.5mm)と比較しますと、差は極めて大きく、この気候は昨年の9月下旬から10月上旬とほぼ同じでした(気象庁過去の気象データ検索:東京から)。そこで、次の2点にご注意下さい。

1.天気の変化は少なからず人の健康、とりわけ鼻のコンディションに影響を及ぼします。急激な気圧の変動は、鼻の通気に影響します。体感温度が急に変わると鼻汁分泌過多や通気障害が起こります。これらは知覚、自律神経機能に関係しますが、乾燥冷気は粘膜の機能低下や組織破壊をもたらし、鼻粘膜の様々な障害の原因になります。鼻血が出やすくなるのもこの時期です。従って、寝室の温度と湿度の管理が大事です。

2.この天気は花粉もさることながら室内塵アレルギー(とりわけダニアレルギー)に対しても対策を始める必要があります。室内塵アレルギーは衣替え、転居、大掃除などを契機に悪化します。室内塵アレルギーの主な原因であるダニは、繁殖力が旺盛で数ヶ月で数万から数十万匹に増殖します。抗原となるのは主に糞、抜け毛、フケですが、これらを掃除で完全に排除するのは至難の技です。ダニは畳、絨毯、布団などの内部に生息しますので、これを退治するのも至難です。ダニを増やさない方策が必要です。繁殖前に餌を断つことが大事です。早い時期に餌を断つ掃除を心がけて下さい。また、衣替えをする際は吸入防止のためマスクを着用してください。


2021年9月14日 花粉情報

「予報通り:曇りのち雨」、未明から朝まで曇り、気温は昨夜より低く(午前1時〜午前9時:23.5℃)、昼前には日差しも出ましたが、すぐに曇り、気温も上がらず(午後1〜3時:25.5℃)、夕方から雨になりました。

○昨年のこの日、私は某TV局のニュースで、「今秋のインフルエンザは極めて少ない。その理由は、マスク、うがい、ソーシャルディスタンスなどのコロナ対策が効果を発揮した」というニュースを耳にしました。医療現場でそれを実感していました。同時にこれらの対策は極めて有効な花粉症対策でもあります。冬季にインフルエンザに罹患しないこと、冬季の乾燥冷気から鼻粘膜を守ることなどは、花粉症の初期療法の最初に行うべき基本的な対策です。さらに免疫力を高めるための対策ができれば万全とも考えました。結果は見事でした。インフルエンザはほとんど流行せず、0に等しい結果でした(東京都感染症情報センター:感染症発生動向調査より)。同時にスギ花粉症も飛散花粉数が例年に近いにも関わらず、軽症の方が大半でした。これは、前述の対策が花粉症にも極めて有効で、対策上大切なことであることの証でした。一方今年はほとんどの方がインフルエンザに対する抗体、すなわち免疫がないということになります。この冬は、花粉症の方はインフルエンザの予防上ワクチン摂取を是非とも受けて頂きたいと思います。


2021年9月13日 花粉情報

未明から朝まで曇り、南風で気温は上昇(午前1時〜午前9時:23.5〜26.8℃)しました。昼前には日差しも出て、当地では久しぶりの青空でした。昼前から気温が急上昇、午前11時には29.0℃を記録しました。夕方から再び曇り、寒暖差の大きな一日でした。

○鼻のアレルギー疾患(アレルギー性鼻炎、花粉症など)は、文字通りアレルギーに起因する病気です。とはいえ、患者の皆様の症状はアレルギーのみによって起こされているとは限りません。アレルギー症状を修飾する因子、増悪させる因子は数多く、併発症や合併症の存在はアレルギー症状をさらに複雑なものへと変貌させます。しかも、診察に際して、患者様は合併症の症状しか訴えないこともしばしばです。例えば、アレルギー性鼻炎が原因で耳管機能が障害されたとすると、受診時に「耳閉感(耳が塞がる感じ)」あるいは「音が二重に聞こえる」など、耳のことしか訴えないこともしばしば見られます。このような場合、原因であるアレルギー性鼻炎を見出して治さなければ、解決には至りません。アレルギー症状を修飾、増悪させる因子の一つに気象状況の変化とりわけ気温の変化があります。今がその時、ご注意ください。


2021年9月12日-2 花粉情報

昨年のこの1週間(9/6〜9/12)に観測された花粉は、「スギ花粉は0.0個/cm2/週、ヒノキ花粉も0.0個/cm2/週、イネ科0.3個/cm2/週、ブタクサ属3.1個/cm2/週、ヨモギ属0.0個/cm2/週、カナムグラ0.0個/cm2/週でした。その他の花粉は3.1個/cm2/週でした。プレパラートの汚れはこれまでとほぼ同じ、12日は大変きれいでした。花粉総数はやや増えて、総計6.8個/cm2/週でした。」と報告致しました。

種別 観測期間
9/6〜9/12 昨年(9/6〜9/12)
スギ 0.0 0.0
ヒノキ 0.0 0.0
イネ科(カモガヤ、イネ他) 0.0 0.3
ブタクサ属 12.3 3.1
ヨモギ属 0.0 0.3
カナムグラ 0.9 0.0
マツ 0.0 0.0
その他 5.9 3.1
合計 19.1 6.8

今週(9/6〜9/12)観測された花粉は、スギ花粉0.0個/cm2/週、ヒノキ花粉0.0個/cm2/週、イネ科0.0個/cm2/週、ブタクサ属12.3個/cm2/週、ヨモギ属0.0個/cm2/週、カナムグラ0.9個/cm2/週、マツ0.0個/cm2/週でした。その他の花粉は5.9個/cm2/週でした。今年のブタクサ花粉初観測は昨年と同じ週でした。今週のブタクサ花粉の飛散数は、昨年(3.1個/cm2/週)より多く、ピーク(昨年9/20〜9/26:12.8個/cm2/週)が近い可能性があります。近隣にブタクサが生えている可能性のある方はご注意ください。その他の花粉にはタデ科花粉が1.9個/cm2/週含まれているようです。


2021年9月12日-1 花粉情報

9月9日(木)に「令和3年度東京都花粉症対策検討委員会(第1回)」の情報を、「昨日、令和3年度東京都花粉症対策検討委員会(第1回)が開催され、以下の報告と検討が行われた。」と東京都保険福祉局の担当者の方から情報をいただきました。とご紹介しましたが、9月15日開催の予告でした。検討事項は以下で同じです。

1.令和3年春のスギ・ヒノキ花粉飛散状況について

ア.スギ・ヒノキ花粉の飛散状況報告

イ.気象条件と飛散花粉数に関する検証(予測との比較)

ウ.花粉症患者動向調査の結果の検討

毎年、皆様にお届けする情報の精度を高めるため、開催されています。

お詫びして訂正いたします。


2021年9月11日 花粉情報

未明から小雨が降り、朝には止みましたが晴れることはありませんでした。気温は昨日より高く(午前1時〜午前9時:23.0〜24.9℃)、湿度が高い(88〜94%)ので非常にジメジメした午前中でした。予報では午後は曇りでしたが昼過ぎには日差しが出て、一時曇りましたが、概ね晴れでした。

○そろそろ当地はブタクサ花粉の飛散がピークを迎えますので、本日は花粉症の話題に戻します。スギ花粉と比較するとブタクサ花粉は、明らかに小さく、直径はスギの1/3程度しかありません。そのため、スギ花粉よりも鼻を通過する可能性が高く、咽喉頭の違和感や咳を訴えることが多い傾向があります。当地では飛散期間が短く、飛散数が少ないので、あまり目立たちませんが、秋に鼻アレルギー症状を訴える方がおられたら、考慮すべき原因です。

 

 


2021年9月10日-2 花粉情報

昨年と本年では、9月上旬の天候が極めて大きく異なりました。野菜など植物のみならず動物や人の健康や生活に大きな影響があったと考えられます。気象庁過去の気象データ検索(東京)から抜粋して比較しても、明らかな差が認められました。

観測期間 雨量

(mm)

平均気温

(℃)

最高気温

平均

最低気温

平均

日照時間

(h)

2021 102.5 20.9 23.9 18.5 9.1
2020 66.5 27.6 32.3 24.4 53.3

昨年と比較しますと、今年は雨が非常に多く、日照時間が短く、大変寒い10日間でぁったと言えそうです。


2021年9月10日-1 花粉情報

未明から久しぶりに晴れました。明け方まで北寄りの風が吹きましたが、気温は昨日より高く(午前1時〜午前9時:21.5〜22.5℃)、20℃以下にはなりませんでした。朝には晴れて、その後は時間を追うごとに気温が上がり、正午には28.0℃を超え、午後はさらに上昇(午後3時:29.0℃)しました。

○口腔アレルギー症候群(OAS)の治療はまず予防です。アレルギー症状は患者さんに様々な誘因が重なった時に症状がより出やすい傾向があります。OASの患者さんも、風邪をひいていたり、消炎鎮痛薬を服用したり、寝不足、疲れ、ストレスなどがかかった状態や、女性であれば生理の前後などには、これらが誘因となってより症状が出やすくなりますので、特に注意が必要です。その上で抗原の回避(原因物質との接触を避ける)、食物の加熱処理をする、薬物(抗アレルギー剤を服用)により症状を抑える、免疫療法(ブタクサ花粉症であれば、ブタクサの抗原液を用いて免疫療法を行う)などが行われます。


2021年9月9日-2 花粉情報

未明に一時晴れ間も見られましたが明け方まで曇り、明け方遅くから小雨が降り、その後は予報どおり雨が降り続きました。風は終始北風が吹き、気温は徐々に下がり(午前1時〜午前9時:20.5〜19.3℃)ました。午後は雨時々曇りで晴れ間は見られませんでした。気温は低く、最高でも午後2時に21.4℃でした。夕方に晴れましたが気温は上がらず(午後8時:23.0℃)、9月上旬の気温としては113年振りの低温だそうです。

○口腔アレルギー症候群の診断は、「詳しい問診(症状が出る前、15分位の間に食べたもの、花粉症の有無、原因の確認など)、経験の豊富な医師のもとで可能性のある食べ物を極少量口に含んで見る(負荷試験)、皮膚試験(原因となる食物を針で刺し、その針を用いて皮膚試験をする)、あるいは血液検査によって反応する蛋白(抗体)の有無を確認する」などの検査を行い診断します。


2021年9月9日-1 花粉情報

昨日、寒暖差が鼻のアレルギーと良く似た症状を呈する鼻炎を誘発することを紹介いたしました。温度差以外にも原因となる刺激はいくつかあるのですが、季節の変わり目に発現することが多く、温度差が原因と考えられる場合に寒暖差アレルギー(耳鼻科的には、鼻過敏症あるいは血管運動性鼻炎と呼ぶことがあります)と呼んでいます。今年9月の気温は昨年と大きく違いましたので、調べて見ました。

平均気温(気象庁:過去の気象データ検索、東京より)

測定値
9/1〜9/8 昨年(9/1〜9/8)
1 20.7 24.9
2 19.4 26.8
3 19.7 28.4
4 20.6 29.3
5 21.0 28.6
6 19.9 25.7
7 20.4 26.7
8 20.3 29.5
平均値 20.3 27.5

平均気温で7.2℃も違いました。鼻炎だけでなく、様々な影響が出る可能性があると思います。この場合、アレルギーの有無にかかわらず影響しますので、皆様お気をつけ下さい。


2021年9月8日-3 花粉情報

昨日、「令和3年度東京都花粉症対策検討委員会(第1回)が開催され、以下の報告と検討が行われた。」と東京都保険福祉局の担当者の方から情報をいただきました。

1.令和3年春のスギ・ヒノキ花粉飛散状況について

ア.スギ・ヒノキ花粉の飛散状況報告

イ.気象条件と飛散花粉数に関する検証(予測との比較)

ウ.花粉症患者動向調査の結果の検討

毎年、皆様にお届けする情報の精度を高めるため、開催されています。