月別: 2020年8月

2020年8月31日 花粉情報

朝薄曇りの時間もありましたが午前中は晴れて気温が上がり、本日も30℃を超えました(32.0℃)。午後6時過ぎから曇り空となり、気温が下がり(25.8℃)、涼しさを感じるほどでした。

本日で8月も最後、明日から秋(社会通念・気象学では9・10・11月、二十四節気に基づく節切りでは立秋から立冬の前日まで:Wikipedia)です。

東京都内の夏から秋の飛散花粉の観測情報が得られるのは、現在は東京都福祉保健局の花粉情報(東京アレルギー情報navi)のみです。そこで、その公表されているデータから都心のデータをまとめてみますと

○夏から秋の花粉(5月1週から11月最終週まで:千代田)

年度 スギ ヒノキ イネ ブタクサ ヨモギ カナムグラ
H31 11.8 24.0 50.3 25.9 8.0 10.0
H30 16.3 23.7 44.2 14.7 3.0 11.0
H29 18.4 11.2 49.2 8.2 8.3 18.7
H28 13.5 2.4 79.7 7.2 4.5 13.3
H27 16.8 4.2 46.1 18.6 4.5 19.3

(東京都福祉保健局:東京アレルギー情報naviから)

以上となります。約7ケ月でこの飛散数ですから、決して多いとは言えません。仮に花粉症が発生するとしても局地的または個々に発生すると考えた方が良いと思われます。また、当地(品川)とはやや異なった飛散状況にも見えます。


2020年8月30日 花粉情報

本日も1日晴れて暑さが続き(28.0〜35.0℃)、午後にはやや強い風が吹きましたが、気温は高いままでした。

残すところ2日で9月です。9月から秋の花粉症シーズンと呼ばれています。原因となる花粉が草木花粉が中心なので、グラスシーズンとも呼ばれます。原因となる可能性のある花粉は、イネ科(イネ、ハルガヤ、オオアワガエリなど)、キク科(ブタクサ、オオブタクサ、ヨモギ、ニガヨモギ、ブタクサモドキ、フランスギク、タンポポ、アキノキリンソウ、オナモミなど)、アサ科(カナムグラ)など多彩ですが、どれも背が低い草花で、花粉の飛散距離が短いため、狭い範囲でしか被爆せず、多くの場合近燐のみでしか発症しません。また当地は住宅密集地で飛散花粉も少ない所です。


2020年8月29日 花粉情報

最近1週間に観測された花粉は、スギ花粉は0.0個/cm2/週、ヒノキ花粉も0.0個/cm2/週、イネ科0.3個/cm2/週、ブタクサ属0.0個/cm2/週、ヨモギ属0.3個/cm2/週、カナムグラ0.0個/cm2/週でした。その他の花粉は0.9個/cm2/週でした。プレパラートの汚れはこれまでとほぼ同じ、花粉はごく少なく、総計1.5個/cm2/週でした。

この1週間は23日(8月で唯一最高気温30℃以下でした)を除いて最高気温が30℃を超え、夏日が続きました。飛散花粉数もこれまでと変わらず少数でした。秋の花粉シーズンは9月になってからと思われます。

○観測総数(個/cm2/週:2020年)

時期 7/12〜 7/19〜 7/26〜 8/2〜 8/9〜 8/16〜 8/23〜
観測数 0.9 1.5 2.1 2.4 0.6 3.1 1.5

この時期に症状が悪化する方は、気候変動やクーラーの影響あるいは動物、食べ物などにも注意を払う必要があります。また、そろそろ室内塵アレルギー(とりわけダニアレルギー)の季節です。ご注意下さい。一日晴れ、本日も暑く(28.5〜34.5℃)、体力的にきつくなっています。引き続き熱中症にお気をつけ下さい。


2020年8月28日 花粉情報

やや湿度が高く蒸し暑い午前中で、晴れが続きました。本日も最高気温は34.5℃まで上昇したようです。

花粉症はアレルギー性鼻炎とは異なり、花粉の飛散する時期に一致して症状が出ます。また、飛散(吸入)する花粉の量に応じた強さの症状が出ます。症状の種類は同じですが、「鼻づまり」や「眼のかゆみ」の訴えがアレルギー性鼻炎より多い傾向があります。花粉症単独の方はむしろ少なく、花粉あるいは別の何らか抗原のアレルギーを併発している方が大半です。ですから「春に症状が出るから花粉症」と自己判断したり、「苦しくないから」と放置せずに医療担当者に相談していただきたいと思います。また医療担当者は見落とさないようにしていただきたいと思います。

本日、東京都健康安全研究センターから令和2年度東京都花粉症対策検討委員会(第1回)を94日から10日に開催(書面開催)するとご連絡をいただきました。今年度の飛散に関する分析などについて検討されるようです。


2020年8月27日 花粉情報

午前中は薄曇りでしたが暑さは変わらず、昼過ぎには晴れ間がみられ、その後は気温も上がり暑い1日でした。

昨日のお話は、つまり「患者の皆さんに詳しく訴えをお聞きしない」と、「アレルギー性の病気は見落とす可能性があリます」という訴えです。それでは、アレルギー性鼻炎や花粉症の方はどのような訴えを持っているのでしょうか?実は、アレルギー性鼻炎では、鼻の症状は、「はなみず」「くしゃみ」「鼻づまり」「後鼻漏」「鼻が痒い」「匂いが鈍い」「濃い鼻がでる」「鼻血が出る」「鼻が乾く」などです。これらは頻度の高い順に並べましたが、鼻のあらゆる症状が現れます。このほかにも、眼は「眼が痒い」「涙が出る」、さらに喉は「痰が出る」「喉が乾く」「喉が痒い」「咳が出やすい」「喉がぜいぜいする」「喉が痛い」などがあり、全身症状として、「頭が痛い」「頭が重い」「いつも体がだるい」、他に「風邪を繰り返す」「熱が下がらない」など、本当に多彩です。これらの症状を一つしか訴えない方、いくつも訴える方、患者様あるいは受診された時期などによって様々です。ですから、一時の症状で即断しないで下さい。


2020年8月26日 花粉情報

本日は晴れ、昨日以上に暑くなりました。夜降雨の予報でしたが、当地は降らずにすみました。

患者の皆さんは、どのような苦痛に悩んでいるかについてですが、「最も辛い訴え、困っている症状、治したいと思う症状」のことを主訴と言います。アレルギー性鼻炎と花粉症では、この訴えが若干異なります。しかも、来院される時期は、好発期とは限りません。既に症状が消失しているケースも少なくありません。そのような場合には、医師は患者さんに記憶を遡って辿っていただく必要がありますので要領よく、問診しなければなりません。アレルギー性鼻炎に特徴的な症状は「反復するくしゃみ」ですが、患者の皆さんの主訴は、「はなみず」が7割、「鼻づまり」が5割、「くしゃみ」は2割に過ぎません。しかも、これらの症状以外の方が2割にも上ります。スギ花粉症の方はさらに異なります、「はなみず」は5割、「鼻づまり」も5割、「くしゃみ」はやはり僅か2割、その他が3割もおられます。それゆえ患者さんの訴えは注意深く聞く必要があります。


2020年8月25日 花粉情報

早朝は薄曇り、少し涼しい(26.0℃)朝でした。日中は晴れて気温が上がり、午後には32.0℃まで上がり、再び最高気温30℃超えです。

さて、アレルギー性鼻炎や花粉症の症状とはいかなる症状でしょうか?多くの方が、「反復するくしゃみ、はなみず、鼻づまり」と考えていないでしょうか?確かに医学の教科書的には、この3症状を3大症状と呼ぶことがあります。しかし、実際には、初診の外来で、このように訴えるアレルギーの方は、全体の50%もおられません。中には、くしやみもはなみずも訴えず、「鼻血が出る」「喉がおかしい」と訴える方もいます。「頭が重い」、「鼻がかゆい」、「風邪が治らない」と訴える方、「耳がつまる」「聞こえにくい」と訴える方もいます。これらの全ての方が最終診断は、アレルギー性鼻炎や花粉症でした。アレルギーの症状や波及する病気は非常に多く、患者の皆さんの訴えは驚くほど多彩です。では、医師はどのようにしてアレルギーを疑うのでしょうか?実は鼻の粘膜の状態はアレルギー特有の状態の場合がほとんどです。そこで、詳しく症状についてお聞きして、鼻の中を見せていただくと多くの場合疑いを持つことができます。


2020年8月24日 花粉情報

昨日とはうって変わり、本日は朝から晴れ、気温も急上昇して、午後には32.0℃まで上がりました。さらに暑い日々が続きそうです。

昨日は9日振りにまとまった雨が降り、日照時間が1.9時間と短く、気温も下がり(23.2〜29.4℃)、8月になってはじめて最高気温が30.0℃以下でした。

今年は過去にない天気が続いていますので、参考にならない可能性もありますが、東京都福祉保健局東京都花粉情報navi.によりますと、都心(千代田区)における秋の花粉飛散は、ブタクサ、ヨモギ、カナムグラいずれも過去3年は9月にピークがあり、ブタクサは9月前半、ヨモギ、カナムグラが9月後半にありました。ピークまではもう暫く時間がありますので、今週は医療関係者や患者の皆様がアレルギー(アレルギー性鼻炎、花粉症)を疑っていただきたい、または疑うべきと考えられるアレルギー患者の皆様が訴える症状について述べたいと思います。


2020年8月23日 花粉情報

昨夜から本日午前中まで雨が降ったり止んだりの天気でした。雷雨を伴い当地では10日振りの雨でした。昼過ぎから晴れましたが気温が上がらず、8月初めて最高気温30℃に届かない1日になったようです。

秋のアレルギーシーズン(春のツリーシーズンに対してグラスシーズンと呼ばれています)が近づいています。秋の花粉症の原因は草本類の花粉が原因であることがほとんどで、秋はグラスシーズンと呼ばれます。とはいえ、秋は室内塵アレルギーとりわけダニアレルギーの好発期でもあります。花粉症もダニアレルギーも症状はくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどで同じです。また、寝起きに症状が出るモーニングアタックと呼ばれる症状も同じように両者に起こりますが、原因である花粉は屋外に、ダニは屋内に存在しますので症状発現のパターンは異なります。ですから、患者の皆さんが医療機関を受診されるときは、主治医に症状の有無の他に、症状発現パターン(経過、季節変動、屋内外の差など)を是非伝えてください。


2020年8月22日 花粉情報

最近1週間に観測された花粉は、スギ花粉0.0個/cm2/週、ヒノキ花粉0.0個/cm2/週、イネ科0.0個/cm2/週、ブタクサ属0.3個/cm2/週、ヨモギ属0.0個/cm2/週、カナムグラ0.0個/cm2/週でした。その他の花粉は2.8個/cm2/週でした。プレパラートの汚れはこれまでよりやや強く、花粉は少なく、総計3.1個/cm2/週でした。

先週、「ヨモギ花粉と思われる花粉が0.3個/cm2/週観測されました。」と報告しましたが改めて確認しましたところセイタカアワダチソウでした。お詫びして訂正いたします。
今週はブタクサ花粉が初観測でした。夏は虫媒花が多く、もともと飛散花粉は少ないのですが、この1週間の落下花粉総数は3.1個/cm2/週でした。

観測総数(個/cm2/週:2020年)

時期 7/5〜 7/12〜 7/19〜 7/26〜 8/2〜 8/9〜 8/16〜
観測数 3.1 0.9 1.5 2.1 2.4 0.6 3.1

夏に症状が悪化する方は、エアコンの影響や動物、食べ物などにも注意を払う必要があります。また、そろそろ室内塵アレルギー(とりわけダニアレルギー)の季節です。気候の変化に注意して下さい。

引き続き晴れ、本日も猛暑、体力的にきつくなっています。午後9時過ぎ、突然大きな音がして大粒の雨が降り出しました。久しぶりの雨です。気温が下がると良いですね。熱中症にお気をつけ下さい。

ブタクサ花粉


2020年8月21日 花粉情報

本日も晴れましたが、朝から気温が上昇して、大変暑さが厳しい1日(27.0〜35.5℃)でした。この暑さ、いつまで続くのでしょうか。

秋の花粉症をきたす最後の候補はカナムグラです。カナムグラはアサ科カラハナゾウ属の一年草。日本では北海道から九州までの広い範囲に分布します。原野や道端、荒れ地などの日当たりの良い場所に自生します。花期は晩夏から秋にかけて(8〜10月)です(Wikipediaより)。

現在は、当地の周辺は隅々まで整備され、荒れ地などは見当たらず、道端に雑草が生えているところを見ることもほとんどありません。以前のように花粉症患者の皆さんが多数来院されることも少なくなりました。それだけにもし今週月曜日からお示ししたような花粉症が皆様に身に起こりますと発見が難しい面もあります。外出先などで突然症状が出るようなことがありましたら、専門医にご相談下さい。


2020年8月20日 花粉情報

朝からよく晴れて気温は急上昇、とにかく暑い一日でした。このままの暑さが続くとこの暑さは過去に経験がなく、来春のスギ花粉の生産量の予測が難しくなります。

当地では、数は少ないのですが、日本ではブタクサ以外にもキク科で花粉症を起こす植物が多く見られます。ヨモギ(ヨモギ属)、ニガヨモギ(ヨモギ属)、ブタクサモドキ(ブタクサ属)、オオブタクサ(ブタクサ属)、フランスギク(キク属)、タンポポ(タンポポ属)、アキノキリンソウ(アキノキリンソウ属)、オナモミ(オナモミ属)などです。ブタクサ同様に花粉症の原因となります。しかし、どれも背が低く、木のように高くなりませんので遠くまで花粉が飛散しません。近づかなければ、強い症状が出ることはありませんので、ご注意下さい。


2020年8月19日 花粉情報

早朝は薄曇り、久しぶりにやや気温が下がりました。しかし、予報通り本日もその後暑くなり、日中は34℃まで上昇しました。

東京都福祉保健局の花粉情報によるとイネ科花粉は、都内の一部地域では飛散しているようです。2回目のピークに向かうと思われます。

さて、ブタクサはキク科ブタクサ属の一年草。北アメリカ原産。日本では明治初期に渡来した帰化植物です(Wikipediaより)。雌雄同株の風媒花で、日本では道端や河原などに広く分布し、以前はスギ、ヒノキに次いで花粉症患者数が多く認められました。最近は当地では道端の除草が進み、ブタクサはほとんど見かけることはなくなりました。無症状の抗体保有者つまり発症の可能性はありますが、症状のない方が多く見られるという状況にあります。同族のオオブタクサも少数ながら観測され、ブタクサ同様に花粉症の原因となります。しかし、患者様はほとんど来院しません。


2020年8月18日 花粉情報

本日も晴れ、暑さが続いています。

本日来院された患者様は、ほとんどの方が無症状でした。秋の花粉の飛散は始まっていないようです。

しばらくの間、秋に飛散する花粉について触れたいと思います。先ずイネ科です。イネ科はイネ目イネ科の被子植物です。およそ700属、8000種と非常に多くの仲間を持つ科となっており、世界中に広く分布しています。イネ科花粉の飛散期は非常に長く、当地では大量には飛散しませんが、5〜6月と9〜10月に2回飛散のピークが見られます。イネ(別名:稲禾、禾稲)はイネ科イネ属、ハルガヤはイネ科ハルガヤ属、オオアワガエリ(別名:チモシー)はイネ科アワガエリ属などですが抗原性は強く、全国に生息しています。当地では飛散が少ないのですが、都心を離れた時は注意がいると思われます。


2020年8月17日 花粉情報

本日も晴れ、猛暑が続いています。昨日、都内では雨が降ったようですが当地では降りませんでした。そのため、当地の暑さは続いています。そろそろ立秋、なのでこの暑さは残暑なのでしょうか?

当地では例年8月中旬まで落下花粉はほとんど観測されません。東京都福祉保健局の花粉情報によると秋の花粉が観測されるのは、8月最終週頃からです。可能性がある花粉はイネ科、ブタクサ、ヨモギ、カナムグラなどです。ブタクサはキク科ブタクサ属の1年草、ヨモギはキク科ヨモギ属、カナムグラはアサ科カラハナゾウ属の一年草。どれも背が低い草花で、飛散距離が短いため、多くの場合近づかなければ避けられます。他に秋は室内塵とりわけダニアレルギーのシーズンですので、ご注意下さい。


2020年8月16日 花粉情報

本日も晴れて、午前中から気温が急上昇しました。結果、本日も猛暑でした。

昨日、当地は晴れ、日照時間は10時間でした。都心は暑さが続き(26.9〜36.1℃)、湿度が最小57%、平均76%でしたので、大変な暑さでした。日照時間の合計は127.6時間となり、8月前半/7月後半は127.5/23.0=5.54でした。平成元年の4.16を大幅に超えて平成以後最大を示しています。

7月後半の日照時間は昭和63年以後3番目に短く(平成15年、昭和63年に次いで)、8月前半の日照時間は5番目に長く(平成19年、平成14年、平成6年、令和元年に次いで)、比(8月前半/7月後半)は最大でした。

過去35年の当地の1月1日から4月30日までのスギ花粉飛散数は平均3588個/cm2/シーズンですが、8月前半/7月後半の比が1.5を超えたのは7回(年)ありました。この7年では、平均1559.6個/cm2/シーズン(122〜3095個/cm2/シーズン)でした。来春はこの飛散数以下とも考えられます。過去最も大きな比(4.16)を示した昭和63年の翌年つまり平成元年のスギ花粉飛散総数は僅か122.0個/cm2/シーズンでした。


2020年8月15日 花粉情報-2

最近1週間に観測された花粉は、スギ花粉0.0個/cm2/週、ヒノキ花粉0.0個/cm2/週、マツ0.0個/cm2/週、イネ科0.0個/cm2/週、コナラ属0.0個/cm2/週、ケヤキ0.0個/cm2/週でした。その他の花粉は0.6個/cm2/週でした。プレパラートの汚れはこれまでほぼ同じ、花粉はごく少なく、総計0.6個/cm2/週でした。(その他の中にヨモギ花粉と思われるセイタカアワダチソウの花粉が0.3個/cm2/週観測されました。ヨモギ属はブタクサと同じキク科の多年草です。)

観測総数(個/cm2/週:2020年)

時期 6/28〜 7/5〜 7/12〜 7/19〜 7/26〜 8/2〜 8/9〜
観測数 5.3 3.1 0.9 1.5 2.1 2.4 0.6

  夏はアレルギー性鼻炎や花粉症の皆さんの症状がほとんどない位に軽いのですが、私共はその理由を夏の天気が原因と思っていました。しかし、飛散する花粉が大変少ないことが、ここ2年夏にも花粉の観測を続けたことで判明しました。夏は虫媒花が多く、虫媒花は花粉を小さくかつ大量に産生する必要がないようです。夏に症状が悪化する方は、クーラーの影響や動物、食べ物などにも注意を払う必要がありそうです。

引き続き晴れ、本日も猛暑、体力的にきつくなっています。熱中症に気をつけて下さい。

ヨモギ(キク科)の花粉 セイタカアワダチソウの花粉


2020年8月15日 花粉情報-1

昨日、当地はほんの一時曇りましたが雨は降りませんでした(雨量0mm)。日照時間は8.3時間でした。都心は暑さ(24.9〜34.2℃)が続き、湿度が最小55%、平均78%でしたので、大変な暑く苦しさでした。日照時間の合計は117.6時間となり、8月前半/7月後半は117.5/23.0=5.11でした。平成元年(昭和63年)の4.16をさらに超えて連日過去最大を更新しています。

病気の治療で最も大切なことは、原因が明らかにできるか否かです。原因が明確であれば、的確に、かつ迅速に治療できます。しかし、原因が不明な場合は、確実でなくとも可能性の高い治療から試さざるを得ません。治癒する確率は当然のことながら低下します。鼻の病気も例外ではありません。花粉症やアレルギー性鼻炎の治療で最も大切なことは、アレルギーか否か、原因となる花粉や抗原は何か、原因となる花粉や室内塵はどのくらい飛散しているのか、治療を妨げる病気を合併していないかなどを十分考慮して治療することです。


2020年8月14日 花粉情報

本日も当地はよく晴れて暑い1日となりました。各地から猛暑のニュースが届いています。

昨日、当地は一時曇りましたが雨は降りませんでした(都心は21.5mmの雷雨だったようです)。日照時間は7.8時間でした。都心は暑さ(25.4〜36.1℃)が続き、湿度が最小53%、平均82%でしたので、大変暑く苦しい感じでした。日照時間の合計は109.3時間となり、8月前半/7月後半は4.75でした。平成元年の4.16をさらに超えて過去最大となっています。

鼻の病気は以前治りにくい病気が多く、手術をしないと治らず、しかも痛くて大変な手術と思われていました。しかし、近年科学の進歩によって、医学だけでなく、光学、薬学などが長足の進歩を遂げ、診断精度が上がり、手術以外の方法でも治る可能性が高くなり、かつ手術は全身麻酔下に内視鏡を用いた手術が可能となりましたので、患者様の負担も非常に少なく治療できるようになりました。鼻の病気でお悩みの方は、あらためて耳鼻科医にご相談くださいますようお勧め致します。


2020年8月13日 花粉情報

晴れて早朝の気温が28.5℃と暑さが続き、そのまま猛暑が続きました。

昨日は晴れ一時雨(0.5mm)、日照時間は7.2時間でした。都心は暑さ(27.3〜35.8℃)が続き、湿度が最小56%、平均79%でしたので、大変暑く苦しい感じでした。日照時間の合計は101.5時間となり、8月前半/7月後半は4.41でした。平成元年の4.16を超えて過去最大の比率になっています。

篩骨洞(篩骨蜂巣)は、眼(眼窩)の内側、鼻腔の上外側にあります。名前の通り、他の副鼻腔とは発生が異なります。篩骨と呼ばれる骨の内部にある腔の一つ、篩骨の外側部は薄い骨板で複雑に仕切られていて、迷路となっています。その内部の空洞を篩骨洞と呼びます。前、後、中の3部屋に分かれ、前部と中部は中鼻道へ、後部は上鼻道へ開口し、鼻腔と交通しています。他の副鼻腔と異なり交通路が複数あって、構造が複雑なことが影響して、副鼻腔炎が起こりやすく、起こると治りにくく、慢性化する特徴があります。


2020年8月12日 花粉情報

午前中は昨日に続き快晴、猛暑が続き、午後も夕方まで晴れていました。夕方に一時雨が降り猛暑がやや解消しました。

昨日は1日晴れ、日照時間は12.5時間でした。都心は記録的暑さが続き(27.0〜37.3℃)、湿度がさらに下がっても、最小51%、平均67%でしたので、大変暑く感じました。日照時間の合計は94.3時間となり、8月前半/7月後半は4.10でした。平成元年の4.16に次いで2番目に大きな比率になっています。

両頬内部には上顎洞があります。上顎洞の自然孔は比較的大きいのですが、立位の時に最上部にあって膿や分泌物が排出しにくい構造をしています。また、上顎の歯(主に大臼歯)の根(歯根)が洞内に突出していて、歯の病気から副鼻腔炎を起こすことが少なくありません。つまり、慢性化しやすいと言えます。また、呼吸は両側の鼻腔で行いますので、起炎菌は両側から吸入されるので副鼻腔炎は両側に起こりやすいのですが、歯が原因の場合(歯性上顎洞炎)は、片側のことが多く見られます。


2020年8月11日 花粉情報

よく晴れて、予報通り今年一番の暑さになったようです (36.5℃)。全国的にも暑い日となったようです。

昨日も晴れたり曇ったり(薄曇り)の天気でした、日照時間は8.8時間でしたが、暑さが続き(26.9〜35.2℃)、湿度は最小55%、平均73%でしたので、大変暑く感じました。日照時間の合計は81.8時間、8月前半/7月後半は3.56となり、平成元年以後2番目に大きな比でした。

蝶形骨洞は鼻腔の最も奥にあって自然孔は顔面側、つまり前方にあって比較的外気の影響を受けにくく、感染しにくい構造をしています。つまり副鼻腔炎になりにくい構造です。一方、後壁には視神経の隆起あるいは下垂体があり、側壁には静脈(内頸、海綿静脈洞)や神経(動眼、滑車、三叉、外転)があって、病変が起こると視力などに影響する可能性があり、大事に至る可能性が高い副鼻腔です。


2020年8月10日 花粉情報

午前中は晴れたり曇ったりの天気でしたが、気温は高く、明け方の最低気温が28.5℃ありました。日中は気温が急上昇して34.5℃まで上がり、熱中症が心配される1日でした。

昨日も晴れたり曇ったりの天気でした、日照時間は7.5時間でしたが、暑さが続いた上に寒暖差が大きな1日でした(23.4〜34.7℃)。湿度は最小51%、平均77%でした。日照時間の合計は73.0時間、8月前半/7月後半は3.17となり、平成元年以後2番目に大きな比になりました。

副鼻腔は、4対それぞれ形が違います。額の眉間奥にある前頭洞は出入り口(自然孔)が空洞の最下端にあり、構造上膿や分泌液が溜まりにくい構造になっています。しかし、この自然孔は鼻前頭管と呼ばれ経路が長く、開口部も狭いため、通過障害を起こしやすい傾向もあり、嚢胞などが起こりやすい洞でもあります。前頭洞に病変が生じると眼球突出(外下方への突出)など、眼への影響も起こり得ます。


2020年8月9日 花粉情報

本日も深夜は晴れ、夜間一時薄曇りでしたが、朝は再び晴れて日中は晴れが続き、気温が上がり大変暑い1日でした。

昨日晴れたり曇ったりの天気でした、日照時間は4.7時間でしたが、暑さが続きました(25.1〜32.3℃)。湿度が最小64%、平均79%あり、やや蒸し暑さを感じました。日照時間の合計は65.5時間、8月前半/7月後半は2.85となりました。

鼻の話です。副鼻腔は存在する必要はないかというとそうでもなく、副鼻腔が病変におかされると大変大きな苦痛を生じます。副鼻腔は鼻腔の周囲に4対あり、脳、眼、歯などの重要部位に隣接しています。また耳、咽喉、気管などの器官に通じています。そのため、副鼻腔に障害が起こると極めて多彩な症状が出て、人に大きな苦痛を与えます。篩骨洞を除いて単一の空洞に一つの出入り口しかない閉鎖死腔を形成するため、病変が発生すると慢性化しやすく、長引く特徴があると言えます。


2020年8月8日 花粉情報-2

最近1週間に観測された花粉は、スギ花粉は0.0個/cm2/週、ヒノキ花粉も0.0個/cm2/週、マツ0.3個/cm2/週、イネ科0.9個/cm2/週、コナラ属0.0個/cm2/週、ケヤキ0.0個/cm2/週でした。その他の花粉は1.2個/cm2/週でした。スギ、ヒノキ、イネ科以外の花粉は1.5個/cm2/週でした。プレパラートの汚れはこれまでよりやや強く、花粉はごく少なく、総計2.4個/cm2/週でした。

6日連続の晴れですが、朝から午前中は薄曇りが続き、午後は再び晴れました。気温は昨日ほど上がりませんでした。

昨日も一時薄曇りがありましたがほぼ晴れ、日照時間が10時間以下でした(8.8時間)。暑さが続きましたが(26.0〜35.4℃)、湿度が最小48%、平均71%で、思いの外カラッとしていました。

観測総数(個/cm2/週:2020年)

時期 6/21〜 6/28〜 7/5〜 7/12〜 7/19〜 7/26〜 8/2〜
観測数 3.7 5.3 3.1 0.9 1.5 2.1 2.4

  夏はアレルギー性鼻炎や花粉症の皆さんの症状がほとんどない位に軽いのですが、私共はその理由を夏の天気が原因と思っていました。しかし、当地では夏、とりわけ6月後半から7月に飛散する花粉が大変少ないことが、ここ2年夏に花粉観測を続けたことで判明しました。当地では夏に症状が悪化する方は、エアコンの影響や動物、食べ物などにも注意を払う必要がありそうです。

トウヒ(マツ科)の花粉

イネ科の花粉


2020年8月8日 花粉情報-1

昨日の日照時間は8.8時間でした。その結果、昨日までの8月の日照時間の合計は60.8時間となりました。今年の7月後半の日照時間は23.0時間でしたので、7月後半に対する8月前半の日照時間の比率は既に2.64となります。この数値は昭和63年以後3番目に大きく、来春のスギ花粉飛散数が少ないことを予想させます。

平成元年から令和2年までの当地で観測されたスギ花粉数と前年の7月後半及び8月前半の日照時間の長短と飛散数の大きさについて検討しますと、7月後半の方が8月前半より短い年(7年)、つまり8月前半/7月後半が1.5以上の時は年平均1560個/cm2でした。この比率が0.96〜1.10の時(5年)は3260個/cm2、0.7以下の時(4年)は4878個/cm2でした。すなわち、7月後半の日照時間は短いほど翌年のスギ花粉飛散数は少なく、この時間が長いほど翌年の飛散数は多くなる傾向が認められます。


2020年8月7日 花粉情報

本日で5日連続の晴れで、真夏日が続いています。都心は35.4℃、今年初めての猛暑日でした。熱中症発生のニュースも盛んに流れました。

昨日は一時薄曇りがありましたがほぼ晴れで、日照時間は10時間以下でした(9.7時間)。湿度が最小60%、平均79%あり、蒸し暑さ(25.5〜33.1℃)が続きました。昨日までの8月の日照時間の合計は52.0時間です。

副鼻腔の内側壁も呼吸上皮と同じ繊毛上皮で覆われています。腔内の粘液や異物は繊毛の機能によって自然孔から排出されます。感染やアレルギーでこの機能が低下する、あるいは失われると副鼻腔炎、アレルギー性副鼻腔炎を起こします。感染を起こせば、粘膜が肥厚して自然孔が狭くなり粘液や膿汁の排泄ができなくなり副鼻腔炎を起こします。副鼻腔は眼や脳に隣接するので、副鼻腔の炎症が眼や脳に及ぶことがあります。また、副鼻腔から排出された膿(後鼻漏)が喉頭や気管に及ぶこともあります。すると気管の炎症の原因となる(副鼻腔気管支症候群)ことがあります。


2020年8月6日 花粉情報

本日も晴れで、今年一番の暑さ(34.2℃)でした。全国各地で今年の最高気温を記録しました。

昨日も1日晴れ、日照時間が8月3日に続いて10時間を超えました(10.4時間)。湿度が最小51%、平均77%あり、夏の暑さ(24.3〜33.1℃)を感じました。

人の鼻腔は口蓋(上顎)によって口腔と隔てられています。吸気は鼻腔から喉頭、気管へと流れ呼吸の道(気道)を形成します。口腔から咽頭、食道に食物を通し、消化器を形成します。鼻腔には鼻涙管を介して涙が排出されます。気道の粘膜は全面、鼻汁、涙、唾液などの液体によって被われています。この液体が、除塵、加湿、加温などに働きます。これらの液量が過不足すると様々な不都合(病気)が起こります。アレルギー性鼻炎や花粉症の人はアレルギー反応によって鼻汁を産生する鼻腺が刺激されて大量の鼻水が出ます。


2020年8月5日 花粉情報

晴れで7月の天気が嘘のようです。今年一番の暑さ(34.2℃)でした。全国各地で今年の最高気温を記録しました。

昨日は1日晴れ、日照時間が8月3日に続いて10時間を超えました(10.4時間)。湿度が最小51%、平均77%あり、夏の暑さ(24.3〜33.1℃)を感じる1日でした。

人の鼻腔は口蓋(上顎)によって口腔と隔てられています。吸気は鼻腔から喉頭、気管へと流れ呼吸の道(気道)を形成します。口腔から咽頭、食道に食物を通し、消化器を形成します。鼻腔には鼻涙管を介して涙が排出されます。気道の粘膜は全面、鼻汁、涙、唾液などの液体によって被われています。この液体が、除塵、加湿、加温などに働きます。これらの液量が過不足すると様々な不都合(病気)が起こります。アレルギー性鼻炎や花粉症の人はアレルギー反応によって鼻汁を産生する鼻腺が刺激されて大量の鼻水が出ます。


2020年8月4日 花粉情報

夏らしい晴れが続いていますが、寒暖差が大きく(26.0〜33.0℃)、湿度が高い(68〜92%)ので、体調管理の難しい日となりました。

昨日は1日晴れ、日照時間が7月2日以来、久しぶりに10時間を超えました(10.1時間)。変わらず寒暖差の大きな1日(22.3〜32.3℃)でした。

鼻には除塵機能があることは、すでに述べました。では、空気中のどの位の大きさのものをこの機能で除くことができるのでしょうか?実は大きさによって異なります。また、吸気とともに吸入された粒子は、鼻や喉のどこに沈着するでしょうか?沈着する場所は粒子の大きさによって異なります。大きな粒子、例えばスギ花粉(20〜40μm)、やヒノキ花粉(25μ)は大半が鼻に沈着します。室内塵中のダニの糞は20μm以下、粉砕されるとさらに小さくなります。多くが気管、気管支に届きます。沈着した粒子は除塵機能により除塵されます。また沈着したところで反応しますので、アレルギー性の鼻炎の原因は花粉が多く、喘息の原因の多くは室内塵となります。


2020年8月3日 花粉情報

久しぶりに晴れて気温が上昇し(24.0〜32.5℃)、やっと夏の天気を感じます。日照不足による農作物の不作から野菜の値段が高騰しているとのニュースが流れました。スギ花粉は前年夏にできますので、来春は飛散数が少なくなる可能性が高いと言えそうです。

昨日は晴れましたが、日照時間が短く(6.0時間)、寒暖差の大きな1日(22.6〜31.5℃)でした。先月20日から13日連続続いた降雨の記録は途切れました。

鼻はどのようにして役割(機能)を果たしているのでしょうか。鼻中隔、鼻甲介など鼻腔の内面は呼吸上皮と呼ばれる粘膜で覆われています。表面には無数の繊毛と呼ばれる毛が生えていて、その上に絶えず粘液があり、繊毛が一定のリズムで一定の方向に波打つのに従って粘液が流れています。これを鼻粘膜粘液繊毛輸送機能と呼びます。この機能によって吸気に湿気を与え(加湿)、温め(加温)、浄化(除塵)することで、呼吸器のコンディションを保つ役割を担います。さらには、味覚にも影響します。粘膜の下(固有層)には豊富な鼻腺の分布がみられ、杯細胞や腺細胞と呼ばれる細胞からは粘液が絶え間なく産生され、粘液の層を形成します。この粘液の層に捕らえられた物は、粘液とともに口腔、咽頭に流れていきます。その際に味を感じます。鼻の粘液が喉に流れるスピードは健康な時と、病気の時では異なります。