日: 2023年10月23日

2023年10月23日-2 花粉情報

スギ花粉症対策を素早く実施するためには、花粉の飛散状況をリアルタイムで伝える必要があると考えて、観測の単位を他施設の観測者が設定した午前9時から翌日の午前9時までの24時間ではなく、0時から24時の24時間として、前日の飛散数の通知が翌日午前中に届き、診療に間に合うように設定しました。昭和62年(1987)から郵送(速達)で、平成2年(1990)からFAXを利用して情報を伝え、平成9年(1997)2月からHP(慈恵医大耳鼻科花粉症のページ)を開設して、リアルタイムに情報が伝わるようになりました。その上で、花粉症の方に、免疫療法をベースとして花粉が飛散していない季節から症状の有無と症状がある時にはその程度を記録していただき、飛散開始前から薬を服用した群とそうでない群に分け、両群の比較をしました(実はこの当時、症状のない病気に予防的に薬を投与することは、日本の健康保険では、認められていませんでした)。用いた3剤はどの薬剤も免疫療法+季節前から薬剤投与の群の方が明らかにシーズンを通じて軽症でした。また、服用量も少なくて済み、これに冬場の対策(インフルエンザ・上気道炎や乾燥対策)を加えるとさらに効果があることも確認しました。このように、様々な検討、対策が加えられ、包括的かつ計画的治療として初期療法が成り立っています。今後も花粉測定および速報は継続したいと考えております。とはいえ、私の体力の低下もあり、昨年暮れから週3回の透析が必要となり、0時から24時の24時間の測定は困難となりました。そこで、今後は10月まで週1回、11月から連日測定とさせていただき、測定は午後10時から午後10時の24時間とさせていただきます。


2023年10月23日-1 花粉情報

秋は春ほどではありませんが、春に次いで寒暖差の大きな季節です。温度差はアレルギーの原因にはなりませんが、アレルギー症状を悪化させます。衣類、冷暖房を適切に用いるなど温度調節が大切です。これから冬に向かって気温が下がりますが、気温の低下とともに大気の乾燥が進みます。また、冷暖房で室内はさらに乾燥します。東京は国内のみならず北半球の主だった都市の中で冬に最も乾燥が激しい都市です。暖房によっても室内の乾燥が進みます。乾燥は乾燥単独でも粘膜にダメージを与えます。住居内が過剰に乾燥しないようにご注意ください。