月: 2022年8月

2022年8月17日-1 花粉情報

来春のスギ花粉飛散予測の参考資料として、東京都東京の日照時間観測値(気象庁過去の気象データから)から、7月後半および8月前半の日照時間の合計値を求めますと、今年の日照時間の合計は過去10年平均(183.6時間)よりもやや長く、昨年と近い値でした。この測定値から来春の飛散花粉は今春と同程度と予測されます。但し、来春のスギ・ヒノキ花粉の飛散には、このほかにも影響する因子がありますので、このデータのみで予想が当たるとは限りません。今後、これらのデータを加味して修正がはかられます。

スギ花粉の飛散量に影響する因子には

1.前年夏の気象条件の影響

①気温(7月下旬〜8月上旬:特に7月)が高温

②日射量が大きい

③日照時間が長い

飛散量が大きい

2.前年の飛散量の影響(樹勢)

3.当該年の1〜2月の花粉発生地の降雪量の影響

4.伐採と植林(無花粉あるいは少花粉スギ)

5.関東周辺の木の樹齢と衰退度

6.その他(都市気候、台風、圏央道、高層ビル群)

などがあり、今後、上記1〜6の検討を加味して、来春まで検討を重ねます。検討結果は逐次ご報告いたします。


2022年8月16日-3 花粉情報

未明は晴れ、明け方から朝に一時曇りましたが雨が降ることはなく、昼前には晴れました。気温は未明から明け方も高く、午後1時には35.5℃まで上昇しました。曇り空は夕方まで続き、晴れたのは夕方遅くでした。


2022年8月16日-2 花粉情報

7月下旬の日照時間の合計は、最近10年と比較しますと、令和4年、平成31年に次いで長く、今年は8月上旬も晴れた日が続くとの予報でしたが、8月上旬は93.3時間で、最近10年平均(96.9時間)とほぼ同じでした。7月後半から8月前半の日照時間合計も過去10年平均(161.6時間)よりは大きな値でした。

前年(7月後半および8月前半)の日照時間と翌年のスギ、ヒノキ花粉飛散数

スギ ヒノキ 7

下旬

8

上旬

合計
H25

6405.7

1256.1 7661.8 107.4 87.2

194.5

H26

1299.2

693.6 1993.4 65.1 105.4

170.5

H27

2694,1

244.0 2938.1 110.7 109.8

220.5

H28

3517.1

668.7 4184.6 110.4 107.3

217.7

H29

2273.5

299.9 2570.7 64.3 86.7

151.0

H30

4162.0

3895.4 8057.4 64.0 32.6

96.6

H31

4867.8

1331.6 6199.4 122.8 99.0

221.8

R2

2466.7

374.2 2841.6 75.5 129.1

204.6

R3

3913.2

654.1 4567.3 23.0 127.6

150.6

R4

3838.8

1333.2 5172.0 123.7 84.5

208.2

R5

?

? ? 113.1

 

93.3

206.4

花粉数は当院での測定値、日照時間は気象庁過去の気象データから東京都東京の観測値を抜粋。


2022年8月16日-1 花粉情報

来春のスギ花粉飛散予測の参考資料として、東京都東京の日照時間観測値(気象庁過去の気象データから)を報告します。昨日は一時曇りましたが、日照時間は7.0時間でした。

(7月16日から8月15日までの日照時間の加算値は206.4時間)でした。


2022年8月15日-3 花粉情報

本日は、台風の影響も残らず、日中一時曇りましたが雨が降ることはなく、夕方からはよく晴れました。気温は高く、午後3時には33.0℃まで上昇しました。


2022年8月15日-2 花粉情報

観測総数は過去2年間とほぼ同じ傾向が認められ、7〜8月は落下花粉が少ない時期です。

観測総数(個/cm2/週)

時期 7/12〜 7/19〜 7/26〜 8/2〜 8/9〜 8/16〜 8/23〜
観測数 2020 0.9 1.5 2.1 2.4 0.6 3.1 1.5
2021 2.1 4.9 4.3 0.9 0.6 1.2 2.8
2022 0.9 1.5 0.6 1.5 1.8    

2022年8月15日-1 花粉情報

来春のスギ花粉飛散予測の参考資料として、東京都東京の日照時間観測値(気象庁過去の気象データから)を報告します。昨日は曇りが長く、日照時間は4.4時間でした。

(7月16日から8月14日までの日照時間の加算値は199.4時間)でした。


2022年8月14日-5 花粉情報

台風8号は、昨夜のうちに当地を通り過ぎ、未明には曇り、一時晴れ間が見られました。明け方は晴れ、朝には小雨が降るという不安定な天気でしたが、昼前には雨は止みました。その後は夕方まで曇りがちでしたが気温は高く(14〜15時:33.5℃)、夕方には晴れました。


2022年8月14日-4 花粉情報

昨年のこの1週間(8/9〜8/15)に観測された花粉は、「スギ花粉は0.3個/cm2/週、ヒノキ花粉も0.0個/cm2/週、イネ科0.0個/cm2/週、ブタクサ属0.0個/cm2/週、ヨモギ属0.0個/cm2/週、カナムグラ0.0個/cm2/週マツ0.0個/cm2/週でした。その他の花粉は0.3個/cm2/週でした。プレパラートの汚れはこれまでとほぼ同じ、花粉はごく少なく、総計0.6個/cm2/週でした。」

種別 観測期間
8/8〜8/14 昨年(8/9〜8/15)
スギ 0.3 0.3
ヒノキ 0.0 0.0
イネ科(カモガヤ、イネ他) 0.9 0.0
ブタクサ属 0.0 0.0
ヨモギ属 0.0 0.0
カナムグラ 0.0 0.0
マツ 0.0 0.0
その他 0.6 0.3
合計 1.8 0.6

今週(8/8〜8/14)観測された花粉は、スギ花粉0.3個/cm2/週、ヒノキ花粉0.0個/cm2/週、イネ科0.9個/cm2/週、ブタクサ属0.0個/cm2/週、ヨモギ属0.0個/cm2/週、カナムグラ0.0個/cm2/週、マツ0.0個/cm2/週でした。その他の花粉は0.6個/cm2/週でした。合計は1.8個/cm2/週でした。一昨年から年間を通じて落下花粉の観測を続けていますが、8月は1年で落下花粉が最も少ない月でした。


2022年8月14日-3 花粉情報

観測結果(個/cm2)

観測期間 スギ ヒノキ イネ科 ブタクサ属 ヨモギ属 カナムグラ その他 総計
8/8〜12 0.3 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.6 0.9
8/13〜14 0.0 0.0 0.9 0.0 0.0 0.0 0.0 0.9
0.3 0.0 0.9 0.0 0.0 0.0 0.6 1.8

昨日はほぼ一日中雨でした(雨量47.5mm)ので、花粉の飛散がないとすると、イネ科の0.9個/cm2は、本日飛散したと考えられます。昨年も8月下旬から飛散が目立ちましたので、イネ科が飛散期を迎えたようです。


2022年8月14日-2 花粉情報

夏は花粉症の皆さんの症状がほとんどない季節です。私共はその理由を夏の天気が原因と思っていました。しかし、飛散する花粉が大変少ないことが、過去3年、夏にも花粉の観測を続けたことで判明しました。夏は虫媒花が多く、虫媒花は花粉を小さくかつ大量に産生する必要がないようです。夏に症状が悪化する方は、花粉以外の原因、例えばクーラーの影響や動物、食べ物などに注意を払う必要がありそうです。しかし、8月も半ばを過ぎますと、天気の変化が大きく、夏の影響が出て体力的にきつくなります。また、8月下旬には秋の花粉の飛散が始まり、秋の花粉症シーズンが到来しますので、鼻アレルギー症状が悪化する方は、室内塵、カビの他に、花粉に対する注意も払って欲しいと思います。


2022年8月14日-1 花粉情報

来春のスギ花粉飛散予測の参考資料として、東京都東京の日照時間観測値(気象庁過去の気象データから)を報告します。昨日はほぼ1日雨、日照時間は0.2時間でした。

(7月16日から8月13日までの日照時間の加算値は195.0時間)でした。


2022年8月13日-3 花粉情報

未明から小雨が降り続き、次第に雨足が強くなる天気となりました。気温は夜間から昨日より低く(午前6時:26.0℃)、その後も上昇はそれ程でもなく(午前9時:29.5℃)、午前9時をピークに下がり、午後は24.0〜25.0℃が続き、夕方から雨足が強くなりました。台風8号は午後5時ごろ伊豆半島に上陸。夜間に関東を通過する見込み。


2022年8月13日-2 花粉情報

病気を治療する時に、最も大切なことは、原因が明らかにできるか否かです。原因が明確であれば、的確に、かつ迅速に治療できます。しかし、原因が不明な場合は、確実でなくとも可能性の高い病気を想定した治療を試さざるを得ません。治癒する確率は当然のことながら低下します。鼻の病気も例外ではありません。花粉症やアレルギー性鼻炎の治療で最も大切なことは、アレルギーか否か、原因は花粉か室内塵か、抗原は何か?原因となる花粉はどのくらい飛散しているのか、治療を妨げる病気を合併していないかなどを的確に判断して、これを十分考慮して治療することです。また、鼻の病気はこれまで、治りにくい病気が多く、手術をしないと治らず、しかも痛くて大変な手術と思われていました。しかし、近年、医学だけでなく、光学、薬学などが長足の進歩を遂げ、診断精度が上がり、手術以外の方法で治る可能性が高くなり、かつ手術は全身麻酔下に内視鏡を用いた手術が可能となりました。その結果、患者様の負担も非常に少なく、高い確率で治療できるようになりました。鼻の病気でお悩みの方は、あらためて耳鼻科医にご相談くださいますようお勧め致します。


2022年8月13日-1 花粉情報

来春のスギ花粉飛散予測の参考資料として、東京都東京の日照時間観測値(気象庁過去の気象データから)を報告します。昨日は曇りの時間が長く、日照時間は3.8時間でした。

(7月16日から8月12日までの日照時間の加算値は194.8時間)でした。


2022年8月12日-4 花粉情報

朝まで晴れましたが、本日は朝から曇り〜小雨の天気となりました。気温は夜間から高く(午前3〜5時:27.5℃)、午前10時には30℃を超えました。しかし、その後の上昇はそれ程でもなく(午前11〜12時:31.0℃)、その後曇るも南風が吹き(5〜8m/s)、気温はあまり下がらず、午後7時になっても28.9℃ありました。


2022年8月12日-3 花粉情報

明日13日は台風8号が東海か関東を通過する可能性が出て、当地を直撃する可能性が出てきました。強い風と雨は落下法による花粉の観測では、妨げになる可能性があります。強い風雨に晒されますと、落下花粉が濡れて破裂したり、プレパラートに塗布してあるワセリンが流されたり、プレパラートの汚れが強くなり、花粉の判別ができにくくなる可能性があります。そこで、本日、午後8時にプレパラートの交換と8〜12日の落下花粉を測定いたしました。

○観測結果(個/cm2)

観測期間 スギ ヒノキ イネ科 ブタクサ属 ヨモギ属 カナムグラ その他 総計
8/8〜12 0.3 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.6 0.9

落下花粉数は例年通り、極わずかでした。


2022年8月12日-2 花粉情報

篩骨洞(篩骨蜂巣)は、眼(眼窩)の内側、鼻腔の上外側にあります。顔面を前とすると前頭洞より後で下、蝶形洞より前、上顎洞より上で内側にあります。名前の通り、他の副鼻腔とは発生が異なります。篩骨と呼ばれる骨の内部にある腔の一つ、篩骨の外側部は薄い骨板で複雑に仕切られていて、迷路となっています。その内部の空洞を篩骨洞と呼びます。前、後、中の3部屋に分かれ、前部と中部は中鼻道へ、後部は上鼻道へ開口し、鼻腔と交通しています。他の副鼻腔と異なり交通路が複数あって、構造が複雑なことが影響して、副鼻腔炎が起こりやすく、起こると治りにくく、慢性化する特徴があります。


2022年8月12日-1 花粉情報

来春のスギ花粉飛散予測の参考資料として、東京都東京の日照時間観測値(気象庁過去の気象データから)を報告します。昨日は日差しあり、日照時間10.1時間でした。

(7月16日から8月11日までの日照時間の加算値は191.0時間)でした。


2022年8月11日-3 花粉情報

晴れが続き、本日も夜間から気温が高く(午前4〜5時:27.5℃)、午前8時には30℃を超えて日中はさらに上昇(午後2時:33.0℃)、その後一時曇るも南風がやや強く吹き(10〜11m/s)、気温はあまり下がらず、午後7時になっても28.9℃ありました。昨日に続いて暑い1日でした。


2022年8月11日-2 花粉情報

両頬の内側には上顎洞と言う空洞があります。上顎洞と鼻腔の交通路である自然孔は比較的大きいのですが、立位の時に最上部に位置しますので上顎洞内の膿や分泌物が排出しにくい構造をしています。また、上顎の歯(主に大臼歯)の根(歯根)が洞内に突出している方が多く、歯の病気例えば虫歯から副鼻腔炎を起こすことが少なくありません。つまり、慢性化しやすいと言えます。また、呼吸は両側の鼻腔で行いますので、起炎菌は両側から吸入されるので副鼻腔炎は通常は両側に起こりやすいのですが、歯が原因の場合(歯性上顎洞炎)は、主として片側に起こります。片側だけ濃い鼻汁が出る、あるいは上顎や頬が痛む時があれば、耳鼻科医にご相談ください。


2022年8月11日-1 花粉情報

来春のスギ花粉飛散予測の参考資料として、東京都東京の日照時間観測値(気象庁過去の気象データから)を報告します。昨日は日差しあり、日照時間12.1時間でした。

(7月16日から8月10日までの日照時間の加算値は180.9時間)でした。


2022年8月10日-3 花粉情報

晴れが続き、本日も夜間から気温が高く(午前5時:28.5℃)、午前7時には30℃を超えて日中はさらに上昇(11時〜12時:34.0℃)、その後も南風がやや強く吹き(11〜12m/s)、気温はあまり下がらず、午後10時になっても28.4℃ありました。昨日に続いて暑い1日でした。


2022年8月10日-2 花粉情報

蝶形骨洞は鼻腔の最も奥にあって自然孔は顔面側、つまり前方にあって比較的外気の影響を受けにくい位置にあります。つまり、感染や炎症、外力が及びにくい構造をしています。副鼻腔炎になりにくい構造です。反面、一旦炎症が起こると治りにくい構造でもあります。また、後壁には視神経の隆起あるいは下垂体があり、側壁には静脈(内頸、海綿静脈洞)や神経(動眼、滑車、三叉、外転)があって、病変が起こったり、外力が及び外傷が生じると視その影響で視覚に影響する可能性があり、大事に至る可能性が高い副鼻腔です。


2022年8月10日-1 花粉情報

来春のスギ花粉飛散予測の参考資料として、東京都東京の日照時間観測値(気象庁過去の気象データから)を報告します。昨日は日差しあり、日照時間11.9時間でした。

(7月16日から8月9日までの日照時間の加算値は168.8時間)でした。


2022年8月9日-3 花粉情報

昨日から晴れが続き、夜間から気温が高く(午前5時:28.5℃)、午前7時には30℃を超えて日中はさらに上昇(12時〜14時:34.5℃)、その後も南風がやや強く吹き(810m/s)、気温はあまり下がらず、午後10時になっても29.5℃ありました。


2022年8月9日-2 花粉情報

副鼻腔は、4対それぞれ形状や鼻腔との連絡通路(自然孔)の位置や角度が違います。眉間奥にある前頭洞は出入り口(自然孔)が空洞の最下端にあり、構造上膿や分泌液が溜まりにくい構造になっています。しかし、この自然孔は鼻前頭管と呼ばれ経路が長く、開口部も狭いため、通過障害を起こしやすい傾向もあり、嚢胞などが起こりやすい空洞でもあります。前頭洞に病変が生じると眼球突出(外下方への突出)など、眼への影響も起こり得ます。また、後壁は脳と接しています。脊椎動物例えば牛などではこの前頭洞の後方にも副鼻腔炎があり(後頭洞)、頭を軽くするため、また頭を突き合わせて戦う時に、脳を守る役を果たしていると考えられてもいます。炎症が起こると強い頭痛や脳の障害を起こしたりもします。副鼻腔は他に上顎洞、篩骨洞、蝶形洞があります。順にご説明します。


2022年8月9日-1 花粉情報

来春のスギ花粉飛散予測の参考資料として、東京都東京の日照時間観測値(気象庁過去の気象データから)を報告します。昨日は日差しあり、日照時間9.2時間でした。

(7月16日から8月8日までの日照時間の加算値は156.9時間)となりました。


2022年8月8日-4 花粉情報

未明から晴れ、本日は夜間から気温が上がり(午前5時:27.3℃)、その後も晴れと気温の上昇が続き、33.0℃まで上がりました(午前11時〜14時)。その後も気温は下がらず、午後9時になっても29.2℃ありました。


2022年8月8日-3 花粉情報

鼻の話に戻ります。副鼻腔が何故存在するかは、まだ結論が得られていませんが、必要がないかというとそうでもありません。副鼻腔が病変におかされると大変大きな苦痛を生じます。副鼻腔は鼻腔の周囲に4対あり、脳、眼、歯などの重要部位に隣接しています。また耳、咽喉、気管などの器官に通じています。そのため、副鼻腔に障害が起こるとこれらの部位にも病変が及んで、極めて多彩な症状が出て、人に大きな苦痛を与えます。篩骨洞を除いて単一の空洞に一つの出入り口しかない閉鎖死腔を形成して、しかも出入り口である自然孔と空洞の位置関係が、その空洞に分泌物や膿汁が貯留しやすい上に、簡単には排泄されにくく、粘膜に炎症が起こると慢性化しやすいため、治療に抵抗する形態をしているという特徴があります。


2022年8月8日-2 花粉情報

観測総数は過去2年間とほぼ同じ傾向が認められました。

観測総数(個/cm2/週)

時期 7/12〜 7/19〜 7/26〜 8/2〜 8/9〜 8/16〜 8/23〜
観測数 2020 0.9 1.5 2.1 2.4 0.6 3.1 1.5
2021 2.1 4.9 4.3 0.9 0.6 1.2 2.8
2022 0.9 1.5 0.6 1.5