日: 2024年1月15日

2024年1月15日-5 花粉情報

本日は「未明から晴れ、風はやや強く3〜7m/s)、明け方の冷えこみは昨日より弱いものの厳しく(午前6時:3.0℃)、日中は徐々に上昇、午後13時に11.0℃まで上昇しました。その後も再び降下、午後8時には5.0℃まで降下しました。

○観測結果(個/cm2/日: 2024年)

観測期間 スギ ヒノキ その他 自動 最高気温
1/15 0.6 0.0 1.2 ―― 11.0
1月計 3.6 0.0 3.0 ――  

本日の測定結果、スギ花粉0.6個/cm2、ヒノキ花粉0.0個/cm2、その他の花粉も1.2個/cm2でした。やや強い風が午後に吹きましたので、プレパラートの汚れが目立ち、かつスギ花粉、トウヒ花粉、その他の花粉を合わせて1.8個/cm2の花粉が観測されました。


2024年1月15日-4 花粉情報

本邦における花粉観測の歴史について、少し触れたいと思います。

世界では、20世紀初頭に、L.フォン・ポスト博士(スウェーデン)が花粉分析手法を開拓、Gエルドマン博士らが花粉形態に注目する植物学的研究を行ないました。日本では故幾瀬マサ氏が花粉や空中に浮遊する物質が引き起こすアレルギーに着目し研究を続け、これらをまとめて『日本植物の花粉』 (廣川書店 1956)を刊行 。本書の顕微鏡下での花粉のスケッチは芸術的。以後、半世紀以上その輝きが失われていない名著でした。

1967年より佐橋 紀男氏(東邦医大名誉教授・日本花粉学会理事)が生薬学教室において幾瀬マサ教授に師事。以後、現在も花粉観測の第一人者として活躍中です。

さて、実地臨床において、飛散花粉の実態は極めて重要であり、治療上役立つだけでなく、治療薬選択の決め手となるにも関わらず、花粉観測は医療保険の適応もなく、医療現場で測定され、十分活用されているかといえば、残念ながらほとんど活用されていない実情にあります。このことは、花粉症の医療が適切に行えず、莫大な医療費の浪費を生んでいると考えられます。1日も早い、システミックな花粉観測体制の構築および保険適応が望まれるところです。


2024年1月15日-3 花粉情報

一昨日午後、自動計測器KH3000はメンテナンスを終えて、当院に戻りました。佐橋 紀男先生がご多忙の中届けて下さいました。佐橋 紀男先生および花粉情報協会の皆様に心から御礼申し上げます。


2024年1月15日-2 花粉情報

ギ花粉の飛散開始を予測する方法として、「元旦からの1日の最高気温を加算して、ある加算値に達すると、飛散開始となる」と言われています。

過去の記録から当地では、440〜480℃が目安となります。

今年1月14日までの最高気温の積算値は166.5℃でした。

予想される今シーズンの飛散開始日は、気象協会によると2月上旬とのことです。現在の積算値(例年より暖か)から推定すると昨年(2月12日)よりも2日位早くなりそうです。


2024年1月15日-1 花粉情報

当地における花粉観測は、今年で41シーズン目を迎えます。 今後も、観測と広報を続けますので、今年も宜しくお願い申し上げます。今年は6日がスギ花粉の初観測日でした。

平成16年(2004年)以後、スギ花粉の当地における最も早い初観測日は1月1日(2022年)、最も遅い初観測日は1月26日(2014年)でした。

飛散開始日は、平成元年(1990年)以後最も早い飛散開始日は2月3日(2014年)、最も遅い飛散開始日は2月28日(1994年)でした。