6月、イネ科花粉の飛散期になりました。落下法による観察は今月から1週間毎に行い、当地の観測結果は適宜報告いたします。都内の状況は「東京都アレルギー情報navi(東京都福祉保健局):東京都の花粉情報」にてご確認下さい。また、6月は室内塵アレルギーのシーズンです。梅雨に入る(6月上旬の予報)と多くの皆様が衣替えを行うと思います。衣替えは転居、大掃除と並んで室内塵アレルギー悪化の契機となりますので、行う場合は室内塵に対する吸入防止対策を十分に施して下さい。

6月になりますと観測される花粉は少なくなりますが、6月上旬まで観測されるのはブナ科とカバノキ科があります。両者はともに同じブナ目の樹木です。ブナ目カバノキ科とブナ目ブナ科の間には交差性が強く認められます。ブナ目には多くの種があり、これらは日本各地に分布して1〜6月に花粉を飛散させます。カバノキ科ハンノキ属(ハンノキ、オオバヤシャブシ)、カバノキ科カバノキ属(シラカンバ)、ブナ科コナラ属(コナラ、クヌギ)、ブナ科ブナ属(ブナ)、ブナ科クリ属(クリ)などは、皆ブナ目の仲間です。それぞれ花粉症の報告があります。

○ハンノキ(カバノキ科ハンノキ属:1〜5月ピーク3〜4月中旬、1970水谷)

オオバヤシャブシ(カバノキ科ハンノキ属:1〜5月、1989中原)

シラカンバ(カバノキ科ハンノキ属:4月〜6月上旬、1969我妻)

コナラ(ブナ科コナラ属:4〜5月、1969降矢)

クヌギ(ブナ科コナラ属:4〜5月、1969降矢)

クリ(ブナ科クリ属:6月上旬、1984宇佐神)