2025年01月27日-12 花粉情報
25日に神栄の自動花粉捕集器が当院に設置されました。佐橋 紀男先生自ら当院に起こしくださり、届いた神栄の自動花粉捕集器の設置と調整をして下さいました。心から感謝です。2月から落下法の測定値と並べて測定結果を報告いたします。この自動花粉捕集器の精度を確認するのは、大変楽しみです。
25日に神栄の自動花粉捕集器が当院に設置されました。佐橋 紀男先生自ら当院に起こしくださり、届いた神栄の自動花粉捕集器の設置と調整をして下さいました。心から感謝です。2月から落下法の測定値と並べて測定結果を報告いたします。この自動花粉捕集器の精度を確認するのは、大変楽しみです。
昨年暮に環境省からスギ雄花花芽調査結果が発表になりました。東京周辺の状況は、以下の通りです。
スギ雄花花芽調査結果(環境省HPより抜粋:令和6年12月26日発表)
都道府県 | 令和6年度
雄花花芽調査結果 |
過去10年平均値
(個/cm2) |
過去10年平均値
との比較(%) |
茨城県 | 6956 | 5829 | 119 |
栃木県 | 5441 | 4268 | 127 |
群馬県 | 6738 | 6436 | 105 |
埼玉県 | 6308 | 5887 | 107 |
東京都 | 3985 | 5589 | 71 |
神奈川県 | 12357 | 8568 | 144 |
千葉県 | 9903 | 5643 | 175 |
(令和6年度)
当地に飛来する花粉の主な発生源と考えられる地域は、軒並み過去10年平均の100%を超えていました。例えば、「スギ花粉症克服に向けた総合研究:文部科学省・総合班長:宮本 昭正先生」によれば、群馬県の赤城周辺および埼玉県で飛散した花粉は、風に乗って奥多摩を横切り、多摩川に沿って、東京の城南地区に飛来することを人工衛星画像の解析から確認しています。また、村山 貢司気象予報士(財団法人気象業務支援せんたー)によれば、スギ花粉は、日中風速5m時に上昇気流に乗ると150Kmも飛び、上昇気流のない夜間でも50〜60Km飛ぶとハングライダーによる垂直方向の観測から計算しています。スギ花粉の発生する季節の気象条件を考えると納得できると思います。
観測結果(個/cm2/日: 2025年)
観測期間 | スギ | ヒノキ | その他 | 自動 |
1/27 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | ―― |
1月計 | 7.3 | 0.0 | 5.7 | ―― |
本日の測定結果、落下法ではスギ花0.0個/cm2、ヒノキ花粉0.0個/cm2、その他の花粉0.0個/cm2でした。スギの開花には、15℃位の気温が必要ですので、都心が低温でも、スギ林付近が暖かならば、花粉飛散の可能性があります。26日、当地では、1日晴れて午後1時に最高気温が、12.2℃でしたので、スギ花粉が多くはありませんが飛散しました。また、大気の湿度が90%を超えると、スギの花芽は閉じるようです。つまり、本日都心でスギ花粉が観測される可能性は、『あまり高くはなかった』ということになります。実際、0.6個/cm2でした。その上、その他の花粉は、スギ花粉より多く、ハンノキ属(ハンノキ、ミヤマハンノキ)が1.2個/cm2、不明0.3個/cm2でした。昨年、ハンノキ属の初観測は、1月23日でした。本日は、明け方3.0℃、午後2時でも9.9℃でしたので、花粉が飛散する余地がなかったです。
佐橋 紀男先生(花粉情報協会:理事・事務局長)から新たなデータをいただきました。
富里市 | 2025年 | 空中花粉調査表 |
ダーラム型(個/cm2) | |||||||||
1月 | スギ1) | ヒノキ2) | イチイ属 | ハンノキ属 | シデ属 | マツ属3) | イネ科 | スゲ属 | その他 |
16 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
17 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
18 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
19 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.3 |
習志野 | 2025年 | 空中花粉調査表 |
1月 | スギ1) | ヒノキ2) | イチイ属 | ハンノキ属 | シデ属 | マツ属3) | イネ科 | スゲ属 | その他 |
1 | 0.3 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
2 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
3 | 0.3 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
4 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
5 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
6 | 0.6 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
7 | 2.2 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
8 | 1.2 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
9 | 0.3 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.9 |
10 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
11 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
12 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
13 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
14 | 0.6 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
15 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
習志野市は1月7日が飛散開始日となります。習志野市近隣の船橋市の気象データを見ますと7日が1月最も平均気温が高温(8.4℃)でした。富里市の平均気温は最高で7日の7.5℃でした。9日は平均は5.4℃でしたが、最高気温が12.3℃でした。
佐橋 紀男先生は、富里市においてダーラム型とロータリー型の両者で測定しています。ダーラム型は一定面積(1.0cm2)に落下した花粉を計測します。一方、ロータリー型(1984年佐橋 紀男先生が考案)は、やはり重力法の採集器であるが、フィンをつけ、スライドグラスを45°に傾斜させ、回転させることによって採集効率が大幅に向上したタイプの補集器です。
ダーラム型(個/cm2) | ||||||||||
1月 | スギ1) | ヒノキ2) | イチイ属 | ハンノキ属 | シデ属 | マツ属3) | イネ科 | スゲ属 | その他 | |
合計 | 4.6 | 0.0 | 0.0 | 0.2 | 0.0 | 0.3 | 0.3 | 0.0 | 1.5 | |
ロータリー型 | ||||||||||
1月 | スギ1) | ヒノキ2) | イチイ属 | ハンノキ属 | シデ属 | マツ属3) | イネ科 | スゲ属 | その他 | |
合計 | 7.5 | 0.0 | 0.0 | 0.3 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 2.1 | |
1月1日〜1月19日までの比較
当地のスギ花粉飛散状況(飛散開始日、最高飛散日、飛散終了日)
年度 | 飛散開始日 | 最高飛散日 | 飛散終了日 | 日数 |
H13(2001) | 2月20日 | 2月21日 | 4月25日 | 65 |
H14(2002) | 2月7日 | 2月7日 | 4月12日 | 65 |
H15(2003) | 2月12日 | 2月13日 | 5月 1日 | 79 |
H16(2004) | 2月20日 | 2月26日 | 4月19日 | 60 |
H17(2005) | 2月22日 | 2月23日 | 5月 5日 | 73 |
H18(2006) | 2月13日 | 2月15日 | 4月26日 | 73 |
H19(2007) | 2月6日 | 2月13日 | 4月15日 | 69 |
H20(2008) | 2月20日 | 2月23日 | 4月22日 | 63 |
H21(2009) | 2月6日 | 2月12日 | 4月27日 | 81 |
H22(2010) | 2月9日 | 2月21日 | 4月16日 | 67 |
H23(2011) | 2月22日 | 2月25日 | 5月 4日 | 72 |
H24(2012) | 2月26日 | 3月4日 | 4月25日 | 60 |
H25(2013) | 2月14日 | 2月22日 | 4月13日 | 59 |
H26(2014) | 2月3日 | 3月4日 | 4月24日 | 81 |
H27(2015) | 2月11日 | 2月23日 | 4月20日 | 69 |
H28(2016) | 2月14日 | 2月21日 | 4月17日 | 64 |
H29(2017) | 2月16日 | 2月17日 | 4月26日 | 70 |
H30(2018) | 2月10日 | 2月24日 | 4月26日 | 70 |
H31(2019) | 2月12日 | 2月20日 | 5月5日 | 83 |
R2(2020) | 2月5日 | 2月13日 | 4月6日 | 62 |
R3(2021) | 2月11日 | 2月14日 | 4月15日 | 64 |
R4(2022) | 2月26日 | 2月27日 | 4月24日 | 58 |
R5(2023) | 2月12日 | 2月18日 | 4月24日 | 72 |
R6(2024) | 2月13日 | 2月15 日 | 4月23日 | 70 |
R7(2025) | ? | ? | ? | ? |
飛散開始日は全て2月中、飛散終了は大半が4月中、飛散期は最大83日(2019年)、最小58日(2022年)、平均68.4日で、飛散期間は2ケ月強です。飛散開始日などの規定は、その地域の開始を規定していて、全国あるいは東京全域を表す指標ではありません。
前年夏の気象が翌年春の花粉飛散量に影響すると言われています。昨年と一昨年の夏は最も気温が高い7〜9月でした。ここ2年、前年夏の気温は高く、翌年のスギ花粉飛散数は、多かったとの結果が得られています。また、7月中旬から8月中旬の気温と良く相関すると言われています。そこで下表を提示します。
前年(7月後半および8月前半)の日照時間と翌年のスギ、ヒノキ花粉飛散数
年 | スギ+ヒノキ | 7月下旬 | 8月上旬 | 前年:合計 |
H25 | 7661.8 | 107.4 | 87.2 | 194.6 |
H26 | 1993.4 | 65.1 | 105.4 | 170.5 |
H27 | 2938.1 | 110.7 | 109.8 | 220.1 |
H28 | 4184.6 | 110.4 | 107.3 | 217.7 |
H29 | 2570.7 | 64.3 | 86.7 | 151 |
H30 | 8057.4 | 64 | 32.6 | 96.6 |
H31 | 6199.4 | 122.8 | 99 | 221.8 |
R2 | 2841.6 | 75.5 | 129.1 | 204.6 |
R3 | 4567.3 | 23 | 127.6 | 150.6 |
R4 | 5172 | 123.7 | 84.5 | 208.2 |
R5 | 7862.7 | 113.1 | 93.3 | 206.2 |
R6 | 6300.2 | 168.2 | 107.9 | 276.1 |
R7 | ? | 120.6 | 113.9 | 234.5 |
このデータから推測すると、昨年よりやや少ないと予測されます。
スギ花粉飛散開始日(積算400℃到達日)の予測
元旦からの一日の最高気温を積算した積算値で、スギ花粉飛散開始の目安に用いられます。飛散花粉量を推定する指標とは、異なります。スギは11〜12月になると休眠(動物でいう冬眠)に入ります。そして、本格的に寒くなると休眠から覚め、次いで、開花して花粉を放出します。当地では、平均440〜480℃位が飛散開始の目安です。飛散開始日の予測は、あくまで予測ですから、予測日に必ず飛散開始となるわけではなく、目安です。従いまして、初期療法は、予測される飛散開始日の3〜7日前に開始すれば、患者様が苦しむことなく実施できます。また、飛散開始日から全ての患者様を苦しめるほどの花粉が飛散することは、必ずしも多くはありません。つまり、飛散開始したら、しばらく様子を見てから投薬しても間に合わないことはありません。
日付 | 1日の最高気温 | 最高気温の積算値 |
1月1日 | 12.2 | 12.2 |
2日 | 13.9 | 26.1 |
3日 | 7.6 | 33.7 |
4日 | 9.6 | 43.3 |
5日 | 10.0 | 53.3 |
6日 | 8.1 | 61.4 |
7日 | 12.9 | 74.3 |
8日 | 12.3 | 86.6 |
9日 | 12.7 | 99.3 |
10日 | 9.4 | 108.7 |
11日 | 11.3 | 120.0 |
12日 | 9.0 | 129.0 |
13日 | 13.4 | 142.4 |
14日 | 12.8 | 155.2 |
15日 | 15.6 | 170.8 |
16日 | 7.7 | 178.5 |
17日 | 9.7 | 188.2 |
18日 | 9.7 | 197.9 |
19日 | 9.2 | 207.1 |
20日 | 13.9 | 221.0 |
21日 | 13.8 | 234.8 |
22日 | 13.4 | 248.2 |
23日 | 13.9 | 262.1 |
24日 | 14.6 | 276.7 |
25日 | 9.2 | 285.9 |
26日 | 12.5 | 298.4 |
今年は26日までの積算値は296.4℃でした。昨年(310.5℃)より、14.1℃低く推移しています。このまま気温が推移しますと、ことしは昨年より1日位遅い飛散開始(昨年は2月13日)となると推定されます。
飛散開始日
年 度 | 飛散開始日 | 年 度 | 飛散開始日 |
2025年 | ? | 2014年 | 2月03日 |
2024年 | 2月13日 | 2013年 | 2月14日 |
2023年 | 2月12日 | 2012年 | 2月26日 |
2022年 | 2月26日 | 2011年 | 2月22日 |
2021年 | 2月11日 | 2010年 | 2月09日 |
2020年 | 2月05日 | 2009年 | 2月06日 |
2019年 | 2月12日 | 2008年 | 2月20日 |
2018年 | 2月10日 | 2007年 | 2月06日 |
2017年 | 2月16日 | 2006年 | 2月13日 |
2016年 | 2月14日 | 2005年 | 2月22日 |
2015年 | 2月11日 | 2004年 | 2月20日 |
当地の飛散開始日は、2004年から2024年までの21年間では、飛散開始日が1月や3月になったことは一度もありません。今年の東京の飛散開始は日本気象協会の予想(2025年1月16日発表)では、2月中旬です。当地の過去の飛散開始日は、上表の通りです。
ちなみに飛散開始日の予測は、元旦からの一日の最高気温を積算した積算値が、スギ花粉飛散開始の目いられます。当地では、平均440〜480℃位が飛散開始の目安です。
飛散開始日の定義:1月以降に、1平方センチメートルあたり1個以上のスギ花粉を2日以上連続して観測した最初の日が、その観測地点の飛散開始日となります(日本花粉学会「花粉情報等標準化委員会」の決定事項)。
本日は未明から晴れましたが、昼前から曇り、昨日より気温も低く、午後2時にも、9.2℃までしか上らず、風は弱く(1〜2m/s)、午前中北寄りの風、午後は南風との予報です。スギが開花して花粉を放出するには、15℃くらいの気温が必要です(スギ林付近)。したがって、当地(都心)は、少なくとも15℃以上ないと本格的には飛散しません。本日も花粉は少ないと思います。
このHPは、1997年2月1日に『慈恵医大耳鼻科花粉症のページ(PH担当:故今井 透先生、花粉観測担当:遠藤 朝彦)』として、開設され、2014年1月7日までに561万件のアクセスがありました。その後、遠藤、今井両医師が慈恵医大を定年退職したため、HPを「東京都の耳鼻科医による花粉症のページ」と改称(HP担当:永倉仁史先生、花粉観測担当:遠藤 朝彦)として継続、2017年12月1日から当院の「花粉症のページ」として(HP担当:遠藤 朝彦、花粉観測担当:遠藤 朝彦)と受け継がれています。当HPは昨年末までで、41年になります。今年は42シーズン目となります。ご担当の皆様、今後とも、よろしくお願い申し上げます。
開設から2024年末までのアクセス数は、以下の通りです。また、昨日(24日)のアクセス数は、262件、今年の通算は12877件でした。患者様は、ニュースなどに、扇動されていないようです。
2024年 109200(2024年末まで:計886562件)
2023年 123200
2022年 105100
2021年 127000
2020年 137400
2019年 141000
2018年 143200
2017年 462
花粉症対策について
これまで、何度も原因を確かめることの大切さを、このHPでも述べてきました。原因が解明され、その原因となる花粉量が解れば、原因に応じた対策や治療を行うことができます。
つまり、対策の根拠は、空中に浮遊し、人が吸入する花粉の数(濃度)が、ベースです。花粉症は花粉が吸入されなければ、起り得ません。先ず、花粉の存在を確認すること、確認されたら人体内に吸入しないように、防止することが対策の第1歩です。例えば、マスクは吸入防止力が問われます。私共の実験では、一般に市販されているマスクに、防止力100%のマスクはありませんでした。つまり、マスクの吸入防止力と屋外に飛散する花粉数によって、症状を防止できる外出可能な時間が決まります。大量飛散時には、外出できる時間が短くなるのは、当然です。
つまり、個々の体質と飛散花粉数および使用するマスクの性能(吸入防止率)がわかれば、マスクは大いに役立ちます。減薬にも繋がります。
私は東京慈恵会医科大学を昭和47年に卒業後、直ちに耳鼻咽喉科学教室(主任:故高橋 良名誉教授)に入局、耳鼻咽喉科医となり、入局して直ぐに附属第3病院勤務を命ぜられ、耳鼻科全般を故樋崎 亨助教授に、そして兼子 順男講師(現保谷市東伏見にて開業)のご指導により、花粉の観測を始めましたのは、昭和59年でした。そして当院のHPは、下記のように始まりました。毎年1月1日からスギ花粉飛散終了まで毎日観測、当初、結果の通知は電話で通知するという面倒な作業から始まり、続いて郵送で数十通送る毎日を送りました。PCを導入後は、1997年2月1日に慈恵医大耳鼻科の花粉症のページを開設(担当:故今井 透先生)、連日発信、更新して参りました(下記参照)。今日まで41シーズンメールにてデータをお送りいたしました。令和2年から年間を通じて、観測を続け、情報発信しております。年間を通じて観測することによって、新たな知見が数多く見出されており、年間を通じた観測の必要性を痛感しています。しかし、私も今年で78歳になり、体力的に厳しくなってまいりましたので、今シーズンから1月は週1回、2月1日から飛散終了まではスギ、ヒノキ花粉飛散情報として毎日、以後は週1回花粉情報として、観測結果をお届けしています。「患者様は吸入防止対策に、医療関係者の皆様は、飛散状況を根拠にした診断、治療」にご活用下さい。飛散花粉数は花粉症治療の根幹であり、治療の拠り所でなければならないと考えています。
現在花粉症様の症状を訴えて来院される患者様が増えていると思いますが、ほとんどの患者様が乾燥冷気による乾燥性鼻前庭炎、乾燥性鼻炎です。スギ花粉症とは症状が異なり、「鼻水、鼻づまり」であり、花粉症は「くしゃみ、鼻水」が主な症状です。花粉症とは似て非なる疾患です。また、乾燥性鼻前庭炎、乾燥性鼻炎に抗ヒスタミン剤を投与するとかえって悪化する可能性もあり、もし感染性の鼻炎ならば効果はなく、治りません。症状のみで診断するのは危険です。ぜひ、問診ならびに検査をして検査所見から正しく診断し、正しい診断の基に治療を施してほしいと思います。患者様には、検査の時間をいただきたく、早めの受診をお勧めします。
花粉症は、個人の体質(素因)と被曝する(吸入される)花粉数に、発症も症状の強さも、左右されます。しかも、似て非なる鼻の病気もあり、これらが合併していることも少なくありません。したがって、症状が出ましたら、先ず原因を追求することが極めて大切です。むやみに薬を用いることは、先行きによくありません。
発熱や咳などの風邪症状で受診される場合は、ご来院いただく前にお電話(03-3491-2822)でお問い合わせ下さいますようお願い申し上げます。
当院では、東京都内(品川区 五反田)で顕微鏡下で計測した花粉飛散数、および花粉情報など試験的に提供しています。1984年から観測は開始しており、例年2月〜4月のスギ・ヒノキ花粉数を計測しています。
2024年10月9日 インフルエンザワクチンの接種開始しました。ご希望の方は、お電話でのお問い合わせ、あるいは診察時にご相談下さい。
2021年10月29日 予約制を導入しました。ご予約は、窓口または電話03-3491-2822(月〜金曜日の午後2 時から午後7 時)でお願いします。
ご予約を優先とさせていただき、より待ち時間の無い診療を心掛けて感染対策をして参りますので、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。病状に応じて、前後する場合があります。
2024年3月25日 日本経済新聞社に、花粉観測に関して情報提供をさせていただきました。
2024年6月1日 保険医療機関のおける掲示
2020年4月29日 「オンライン診療ついて」まとめました。LINEによる診療を当院再診患者様に対して開始しました。
2018.1.18 東京都花粉症患者実態調査について