日: 2025年1月26日

2025年01月26日-12 花粉情報

25日に神栄の自動花粉捕集器が当院に設置されました。佐橋 紀男先生自ら当院に起こしくださり、届いた神栄の自動花粉捕集器の設置と調整をして下さいました。心から感謝です。2月から落下法の測定値と並べて測定値を報告いたします。この自動花粉捕集器の精度を確認するのは、大変楽しみです。

本日は、都合で少し早い時間に、プレパラートの交換をいたしました。大きな差はないと思いますが、今後は・このようなことがないようにいたします。

 


2025年01月26日-11 花粉情報

昨年暮に環境省からスギ雄花花芽調査結果が発表になりました。東京周辺の状況は、以下の通りです。

スギ雄花花芽調査結果(環境省HPより抜粋:令和6年12月26日発表)

都道府県 令和6年度

雄花花芽調査結果

過去10年平均値

(個/cm2)

過去10年平均値

との比較(%)

茨城県 6956 5829 119
栃木県 5441 4268 127
群馬県 6738 6436 105
埼玉県 6308 5887 107
東京都 3985 5589 71
神奈川県 12357 8568 144
千葉県 9903 5643 175

(令和6年度)

当地に飛来する花粉の主な発生源と考えられる地域は、軒並み過去10年平均の100%を超えていました。例えば、「スギ花粉症克服に向けた総合研究:文部科学省・総合班長:宮本 昭正先生」によれば、群馬県の赤城周辺および埼玉県で飛散した花粉は、風に乗って奥多摩を横切り、多摩川に沿って、東京の城南地区に飛来することを人工衛星画像の解析から確認しています。また、村山 貢司気象予報士(財団法人気象業務支援せんたー)によれば、スギ花粉は、日中風速5m時に上昇気流に乗ると150Kmも飛び、上昇気流のない夜間でも50〜60Km飛ぶとハングライダーによる垂直方向の観測から計算しています。スギ花粉の発生する季節の気象条件を考えると納得できると思います。


2025年01月26日-10 花粉情報

観測結果(個/cm2/日: 2025年)

観測期間 スギ ヒノキ その他 自動
1/26 0.6 0.0 1.5 ――
1月計 7.3 0.0 5.7 ――

本日の測定結果、落下法ではスギ花0.6個/cm2、ヒノキ花粉0.0個/cm2、その他の花粉1.5個/cm2でした。スギの開花には、15℃位の気温が必要ですので、都心が低温でも、スギ林付近が暖かならば、花粉飛散の可能性があります。本日、当地では、1日晴れ、午後1時に最高気温が、12.2℃でしたので、スギ花粉が多くは飛散しなかったということになりました。また、大気の湿度が90%を超えると、スギの花芽は閉じるようです。つまり、本日都心でスギ花粉が観測される可能性は、『あまり高くはなかった』ということになります。実際、0.6個/cm2でした。その上、その花粉は、スギ花粉より多く、ハンノキ属(ハンノキ、ミヤマハンノキ)が1.2個/cm2、不明0.3個/cm2でした。昨年、ハンノキ属の初観測は、1月23日でした。


2025年01月26日-9 花粉情報

佐橋 紀男先生(花粉情報協会:理事・事務局長)から新たなデータをいただきました。

富里市   2025 空中花粉調査表

 

 ダーラム型(個/cm2)
1月 スギ1) ヒノキ2) イチイ属 ハンノキ属 シデ属 マツ属3) イネ科 スゲ属 その他
16 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
17 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
18 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
19 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.3

 

習志野 2025 空中花粉調査表

 

1月 スギ1) ヒノキ2) イチイ属 ハンノキ属 シデ属 マツ属3) イネ科 スゲ属 その他
1 0.3 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
2 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
3 0.3 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
4 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
5 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
6 0.6 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
7 2.2 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
8 1.2 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
9 0.3 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.9
10 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
11 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
12 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
13 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
14 0.6 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
15 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0

習志野市は1月7日が飛散開始日となります。習志野市近隣の船橋市の気象データを見ますと7日が1月最も平均気温が高温(8.4℃)でした。富里市の平均気温は最高で7日の7.5℃でした。9日は平均は5.4℃でしたが、最高気温が12.3℃でした。

佐橋 紀男先生は、富里市においてダーラム型とロータリー型の両者で測定しています。ダーラム型は一定面積(1.0cm2)に落下した花粉を計測します。一方、ロータリー型(1984年佐橋 紀男先生が考案)は、やはり重力法の採集器であるが、フィンをつけ、スライドグラスを45°に傾斜させ、回転させることによって採集効率が大幅に向上したタイプの補集器です。

 ダーラム型(個/cm2)
1月 スギ1) ヒノキ2) イチイ属 ハンノキ属 シデ属 マツ属3) イネ科 スゲ属 その他
合計 4.6 0.0 0.0 0.2 0.0 0.3 0.3 0.0 1.5
  ロータリー型
1月 スギ1) ヒノキ2) イチイ属 ハンノキ属 シデ属 マツ属3) イネ科 スゲ属 その他
合計 7.5 0.0 0.0 0.3 0.0 0.0 0.0 0.0 2.1

1月1日〜1月19日までの比較


2025年01月26日-8 花粉情報

当地のスギ花粉飛散状況(飛散開始日、最高飛散日、飛散終了日)

年度 飛散開始日 最高飛散日 飛散終了日 日数
H13(2001) 2月20日 2月21日 4月25日 65
H14(2002) 2月7日 2月7日 4月12日 65
H15(2003) 2月12日 2月13日 5月 1日 79
H16(2004) 2月20日 2月26日 4月19日 60
H17(2005) 2月22日 2月23日 5月 5日 73
H18(2006) 2月13日 2月15日 4月26日 73
H19(2007) 2月6日 2月13日 4月15日 69
H20(2008) 2月20日 2月23日 4月22日 63
H21(2009) 2月6日 2月12日 4月27日 81
H22(2010) 2月9日 2月21日 4月16日 67
H23(2011) 2月22日 2月25日 5月 4日 72
H24(2012) 2月26日 3月4日 4月25日 60
H25(2013) 2月14日 2月22日 4月13日 59
H26(2014) 2月3日 3月4日 4月24日 81
H27(2015) 2月11日 2月23日 4月20日 69
H28(2016) 2月14日 2月21日 4月17日 64
H29(2017) 2月16日 2月17日 4月26日 70
H30(2018) 2月10日 2月24日 4月26日 70
H31(2019) 2月12日 2月20日 5月5日 83
R2(2020) 2月5日 2月13日 4月6日 62
R3(2021) 2月11日 2月14日 4月15日 64
R4(2022) 2月26日 2月27日 4月24日 58
R5(2023) 2月12日 2月18日 4月24日 72
R6(2024) 2月13日 2月15 日 4月23日 70
R7(2025)

飛散開始日は全て2月中、飛散終了は大半が4月中、飛散期は最大83日(2019年)、最小58日(2022年)、平均68.4日で、飛散期間は2ケ月強です


2025年01月26日-7 花粉情報

前年夏の気温と翌年のスギ花粉飛散数を比較しますと、昨年と一昨年の夏は最も気温が高い7〜9月でした、今シーズンは当地でも多くのスギ花粉の飛散が推測されます。

7 8 9 平均 翌春の花粉数
2024 28.7 29.0 26.6 28.2
2023 28.7 29.2 26.7 28.2 5271
2022 27.4 27.5 24.4 26.4 6636
2021 25.9 27.4 22.3 25.2 3839
2020 24.3 29.1 24.2 25.9 3913
2019 24.1 28.4 25.1 25.9 2466
2018 28.3 28.1 22.9 26.4 4868
2017 27.3 26.4 22.8 25.5 4164
2016 25.4 27.1 24.4 25.6 2271
2015 26.2 26.7 22.6 25.2 3516
2014 26.8 27.7 23.2 25.9 2694
2013 27.3 29.2 25.2 27.2 1300
2012 26.4 29.1 26.2 27.2 6406
2011 27.3 27.5 25.1 26.6 1971
2010 28.0 29.6 25.1 27.6 9624

2025年01月26日-6 花粉情報

スギ花粉飛散開始日(積算400到達日)の予測

元旦からの一日の最高気温を積算した積算値で、スギ花粉飛散開始の目安に用いられます。飛散花粉量を推定する指標とは、異なります。スギは11〜12月になると休眠(動物でいう冬眠)に入ります。そして、本格的に寒くなると休眠から覚め、次いで、開花して花粉を放出します。当地では、平均440〜480位が飛散開始の目安です。飛散開始日の予測は、あくまで予測ですから、予測日に必ず飛散開始となるわけではなく、目安です。従いまして、初期療法は、予測される飛散開始日の3〜7日前に開始すれば、患者様が苦しむことなく実施できます。また、飛散開始日から全ての患者様を苦しめるほどの花粉が飛散することは、必ずしも多くはありません。つまり、飛散開始したら、しばらく様子を見てから投薬しても間に合わないことはありません。

日付 1日の最高気温 最高気温の積算値
1月1日 12.2 12.2
2日 13.9 26.1
3日 7.6 33.7
4日 9.6 43.3
5日 10.0 53.3
6日                        8.1 61.4
7日 12.9 74.3
8日 12.3 86.6
9日 12.7 99.3
10日 9.4 108.7
11日 11.3 120.0
12日 9.0 129.0
13日 13.4 142.4
14日 12.8 155.2
15日 15.6 170.8
16日 7.7 178.5
17日 9.7 188.2
18日 9.7 197.9
19日 9.2 207.1
20日 13.9 221.0
21日 13.8 234.8
22日 13.4 248.2
23日 13.9 262.1
24日 14.6 276.7
25日 9.2 285.9

今年は25日までの積算値は285.9℃でした。昨年(296.5℃)より、10.6℃低く推移しています。このまま気温が推移しますと、ことしは昨年より1日位遅い飛散開始(昨年は2月13日)となると推定されます。


2025年01月26日-5 花粉情報

飛散開始日

年 度 飛散開始日 年 度 飛散開始日
2025 2014年 2月03日
2024年 2月13日 2013年 2月14日
2023年 2月12日 2012年 2月26日
2022年 2月26日 2011年 2月22日
2021年 2月11日 2010年 2月09日
2020年 2月05日 2009年 2月06日
2019年 2月12日 2008年 2月20日
2018年 2月10日 2007年 2月06日
2017年 2月16日 2006年 2月13日
2016年 2月14日 2005年 2月22日
2015年 2月11日 2004年 2月20日

 

当地の飛散開始日は、2004年から2024年までの21年間では、飛散開始日が1月や3月になったことは一度もありません。今年の東京の飛散開始は日本気象協会の予想(2025年1月16日発表)では、2月中旬です。当地の過去の飛散開始日は、上表の通りです。

ちなみに飛散開始日の予測は、元旦からの一日の最高気温を積算した積算値が、スギ花粉飛散開始の目いられます。当地では、平均440〜480が飛散開始の目安です。

飛散開始日の定義:1月以降に、1平方センチメートルあたり1個以上のスギ花粉を2日以上連続して観測した最初の日が、その観測地点の飛散開始日となります(日本花粉学会「花粉情報等標準化委員会」の決定事項)。


2025年01月26日-4 花粉情報

本日は未明から晴れて、昨日より気温も高く、午後1時には、11.9℃まで上りました。しかし、風はやや強く(3〜4m/s)で、1日北寄りの風でした。スギが開花して花粉を放出するには、15℃くらいの気温が必要です(スギ林付近)。したがって、当地(都心)は、少なくとも15℃以上ないと本格的には飛散しません。

このHPは、1997年2月1日に『慈恵医大耳鼻科花粉症のページ(PH担当:故今井 透先生、花粉観測担当:遠藤 朝彦)』として、開設され、2014年1月7日までに561万件のアクセスがありました。その後、遠藤、今井両医師が慈恵医大を定年退職したため、HPを「東京都の耳鼻科医による花粉症のページ」と改称(HP担当:永倉仁史先生、花粉観測担当:遠藤 朝彦)として継続、2017年12月1日から当院の「花粉症のページ」として(HP担当:遠藤 朝彦、花粉観測担当:遠藤 朝彦)と受け継がれています。当HPは昨年末までで、41年になります。今年は42シーズン目となります。ご担当の皆様、今後とも、よろしくお願い申し上げます。

開設から2024年末までのアクセス数は、以下の通りです。また、昨日(24日)のアクセス数は、257件、今年の通算は12597件でした。患者様は、ニュースなどに、扇動されていないようです。

2024年 109200(2024年末まで:計886562件)

2023年 123200

2022年 105100

2021年 127000

2020年 137400

2019年 141000

2018年 143200

2017年   462

測定地点は、東京都品川区西五反田です。


2025年01月26日-3 花粉情報

花粉症対策について

花粉症の対策については、多くの自治体のHPなどで、公表されています。ですが、これらは、花粉症の皆様に、どの位読まれ、どの位理解されているのでしょうか?対策は、どの程度知られ、どの程度実行されているかについての報告は、ほとんど目にすることがありません。たとえば、南極観測船の建造予定が中止になり、科学技術省の研究費が他の研究に振り分けられることになり、この研究費を用いた科学研究が公募により、実施されたことがあります。この研究費は、公募、審査を経て実現しました。そして、平成8年から平成15年まで7年間の調査、研究(スギ花粉症克服に向けた総合研究)を経て、計1000ページ以上にも及ぶ報告書が提出されています。この報告書には、現在医療の最前線で実施、実行されている対策の多くの基礎的研究の成果が記されています。しかしながら、これらの研究の成果が広く一般の皆様に、伝わっているとは言い難く、大変残念に思っているのは、私だけではないように思います。

具体的には、花粉症の発症には、遺伝素因のほかに、環境の影響が大きく、環境の改善は急務であること、抗原(花粉)を吸入しなければ発症しないので、花粉の吸入防止が予防上最も大切であること、花粉を作らないスギ種の開発、免疫療法(減感作)は、根治に至ることはないが、臨床的根治が望める唯一の治療であること、スギには花粉の表面にオービクルと呼ばれる花粉よりはるかに小さな粒子が存在し、現存するマスクでは、オービクルの吸入防止には役立たないので今後工夫が必要なことなどが、判明しています。さて、この季節の対応策については、この報告書にも様々な提言がなされていますが、今日までに、提言通りに、対策や治療が出来ているかと言うと、残念と言わざるを得ない状況です。

アレルギー治療の出来不出来は、先手(予防対策)が取れるか否かにかかっています。専門医を早めに受診して欲しいと思います。


2025年01月26日-2 花粉情報

私は東京慈恵会医科大学を昭和47年に卒業後、直ちに耳鼻咽喉科学教室(主任:故高橋 良名誉教授)に入局、耳鼻咽喉科医となり、入局して直ぐに附属第3病院勤務を命ぜられ、耳鼻科全般を故樋崎 亨助教授に、そして兼子 順男講師(現保谷市東伏見にて開業)のご指導により、花粉の観測を始めましたのは、昭和59年でした。そして当院のHPは、下記のように始まりました。毎年1月1日からスギ花粉飛散終了まで毎日観測、当初、結果の通知は電話で通知するという面倒な作業から始まり、続いて郵送で数十通送る毎日を送りました。PCを導入後は、1997年2月1日に慈恵医大耳鼻科の花粉症のページを開設(担当:故今井 透先生)、連日発信、更新して参りました(下記参照)。今日まで41シーズンメールにてデータをお送りいたしました。令和2年から年間を通じて、観測を続け、情報発信しております。年間を通じて観測することによって、新たな知見が数多く見出されており、年間を通じた観測の必要性を痛感しています。しかし、私も今年で78歳になり、体力的に厳しくなってまいりましたので、今シーズンから1月は週1回、2月1日から飛散終了まではスギ、ヒノキ花粉飛散情報として毎日、以後は週1回花粉情報として、観測結果をお届けしています。「患者様は吸入防止対策に、医療関係者の皆様は、飛散状況を根拠にした診断、治療」にご活用下さい。飛散花粉数は花粉症治療の根幹であり、治療の拠り所でなければならないと考えています。


2025年01月26日-1 花粉情報

数日前に、東京都で「スギ花粉が飛散開始した」とのニュースが流れ、昨日はあたかも花粉症が始まったかの如く、某医の診察風景が某テレビ局から放映されました。しかし、当地ではスギ花粉は飛散開始していません。東京都では都内12地点で花粉の観測を行なっていますが、花粉情報協会の飛散開始の規定をクリアしたのは、1地点(大田)のみであり、しかも開始したとされる地点でも、翌日から11日間スギ花粉は観測されていません。当然、他の11地点もほぼ0.0個/cm2です。スギ花粉の飛散開始日は、地域差が大きく、地域毎、例えば「東京の大田では」と言う表現で、公表しないと大きな誤解を生むことになります。花粉情報協会の規定でも、1月以降、1平方センチメートルあたり1個以上のスギ花粉を、2日連続して観測した最初の日を、その観測地点の「花粉の飛散開始日」としています。スギ花粉の飛散量も飛散開始の時期も気候の影響を受けますが、大量飛散(花芽の成長)が予想されるからと言って、飛散開始が早くなると言う傾向もありません。飛散量は前年夏、飛散開始は直前の冬の天候の影響を強く受けます。マスコミから正しい情報が流れるのは良いのですが、故奥田 稔先生(日本医大耳鼻科教授)も「われわれの鼻アレルギー研究の半世紀 2013」の中でマスコミの過剰な発信に懸念を表しています。

現在花粉症様の症状を訴えて来院される患者様が増えていると思いますが、ほとんどの患者様が乾燥冷気による乾燥性鼻前庭炎、乾燥性鼻炎です。スギ花粉症とは症状が異なり、「鼻水、鼻づまり」であり、花粉症は「くしゃみ、鼻水」が主な症状です。花粉症とは似て非なる疾患です。また、乾燥性鼻前庭炎、乾燥性鼻炎に抗ヒスタミン剤を投与するとかえって悪化する可能性もあり、もし感染性の鼻炎ならば効果はなく、治りません。症状のみで診断するのは危険です。ぜひ、問診ならびに検査をして検査所見から正しく診断し、正しい診断の基に治療を施してほしいと思います。患者様には、検査の時間をいただきたく、早めの受診をお勧めします。