日: 2024年9月23日

2024年09月23日-5 花粉情報

9月もすでに下半期、この時期には、昨年を例にとりますと秋の草木の花粉が飛散する季節になります。しかし、気候は昨年と大きく異なっていますので、花粉はまだ多くの飛散をみとめていません。注意すべきは花粉だけでなく、室内塵アレルギー(とりわけダニアレルギー)に対しても、注意が必要です。

1.都心ではヨモギ属(キク科)とカナムグラ(アサ科カラハナゾウ属)が飛散します。草木の花粉は飛散距離が短いので、地域による差があり、しかもその差が大きいと思われます。また秋に飛散する草木の花粉は口腔アレルギー症候群を起こす可能性がありますので、気候の影響とともに注意が必要です。

観測結果(個/cm2/シーズン:2020〜2023年)

  観測期間 スギ ヒノキ イネ科 ブタクサ属 ヨモギ属 カナムグラ その他
2020 8/2〜10/31 2.7 0.0 8.9 31.0 7.8 5.5 72.5
2021 8/2〜10/31 4.5 0.0 9.1 44.7 3.3 17.8 60.3
2022 8/1〜10/31 3.0 0.0 12.1 28.4 6.1 9.1 72.6
2023 8/1〜10/31 0.9 0.6 8.0 11.0 12.0 8.8 55.1

夏から秋の飛散花粉もかなり飛散数が少なくなりました。過去3年ほぼ同じ傾向が認められました。11月のスギ花粉の飛散数の大小と翌年春の飛散数に相関が認められるとの指摘がありますので、 11月からはスギ花粉の飛散に注目して、観測並びにご報告したいと思います。

2.室内塵アレルギー(とりわけダニアレルギー)は、衣替え、転居、大掃除などによる室内塵の被曝によって、悪化します。室内塵の主な原因はダニです。ダニは地球上に3万とも6万種とも言われ、新種が次々に発見されています。これらの内95%は人に無害です。人を刺すダニはツメダニ、イエダニ、マダニの3種です。アレルギーの原因(抗原)として日本では、チリダニ科ヒョウダニ属のヤケヒョウダニとコナヒョウダニの2種が最重要と言われています。


2024年09月23日-4 花粉情報

9月に当地では、イネ科(イネ、ハルガヤ、オオアワガエリなど)、キク科ブタクサ、オオブタクサ、ヨモギ、ニガヨモギ、ブタクサモドキ、フランスギク、タンポポ、アキノキリンソウ、オナモミなど)、アサ科(カナムグラ)などの花粉が飛散しますが、どれも背が低い草花で、花粉の飛散距離が短いため、狭い範囲しか飛散せず、花粉症は多くの場合近燐のみで発症すると言われています。主に9月に症状が最も強い方は、念頭に入れておく必要があります。

昨年、主な秋の花粉の飛散開始は、いずれも9月で、ブタクサは9/11〜17の週、カナムグラは9/4〜10の週、ヨモギは9/18〜24の週でした。

本年の初観測は、ブタクサが8/19〜8/25、ヨモギ、カナムグラが9/2〜9/8、いずれも昨年よりやや早い初観測でした。おそらく、一時的に気温が下がった為と思われます。昨年秋の花粉のピークは、ブタクサが9/18〜9/24、ヨモギが9/25〜10/1、カナムグラが9/18〜9/24でした。今年はブタクサが1.2個/cm2が2週続き、9月2〜8日にの秋が飛散開始週となりました。今週の測定値を見れば、今後がおおよそ予測可能と思われます。ヨモギ、カナムグラも今後多くなると思われます。


2024年09月23日-3 花粉情報

マスコミは連日今夏を記録的猛暑とのニュースを流しています。しかし、上表を見ていただければ、今夏が飛び抜けて暑いとも言えないようです。例えば、猛暑日数ですが、東京では昨年22日、今年は昨日まで20日でした。過去、最高となるか否かは、もう少し様子を見る必要があるのではないかと考えます。また、日照時間も今年の方があきらかに長く、来春の大飛散をうかがわせます。18日、都心は35℃まで上がり、最も遅い猛暑日でした。とはいえ、観測史上最も気温が高いことは、確かですので前項でも述べましたように、油断はできません。


2024年09月23日-2 花粉情報

3日から5日の3日間は日差しも短く(16.1時間)、気温が低く(平均25.7℃)、比較的過ごしやすい日々でした。6日以後、晴れて再び暑くなり、平均気温は28.0℃を超え、最高気温は33℃を超える猛暑が続いています。9月としては、記録的猛暑で、18日は歴史上最も遅い夏日だったそうです。

 

 

気温(2023年) 気温(2024年)
平均 平均
日平均 日最高 日最低 日平均 日最高 日最低
6 23.2 27.6 19.6 23.1 27.7 19.3
7 28.7 33.9 24.7 28.7 33.5 25.0
8 29.2 34.3 26.1 29.0 33.6 25.7
9 26.7 31.2 23.6      
10 18.9 23.7 14.7      

今年の8月は記録的高温でした。「しかし、6〜8月で比較すると昨年の方が気温が高く、花粉の成長は昨年の方が良かったのではないか」とも考えられます。また、9月になって、3〜5日以外は高温が続き、連日真夏日を記録していますので、この気象条件が来春のスギ、ヒノキ花粉の飛散量に、どのような影響があるのか、未経験の暑さで、定かではありません。また、雨量は昨年9月15日までに157.5mmでしたが、今年は81.5mmで半減しています。

  2022年 2023年 2024年
日照時間 全天日射量 日照時間 全天日射量 日照時間 全天日射量
6 167.6 17.4 137.5 16.3 158.1 17.4
7 176.4 17.3 250.4 21.6 199.6 18.5
8 150.4 15.4 222.3 19.0 198.8 17.4

日照時間、日射量は上の表のとおりです。今後の花芽調査の結果が待たれますし、ご注目下さい。


2024年09月23日-1 花粉情報

先週は、オオバコ属花粉がヨモギ、カモガヤ、カナムグラ以上に観測されました。オオバコ科オオバコ属のオオバコ、ヘラオオバコは開花期が49月です。花粉症の存在は、1998年に宇佐美 篤先生(東海花粉症研究所)によって、本邦最初の報告がありました。