2024年06月15日-8 花粉情報
当地の気候も大きく変化し、夏の陽気となっています。必然的に花粉は減少して、これからは、室内塵(ダニ、真など)の抗原が急増する季節になります。つまり、室内塵アレルギーの季節です。衣替え、大掃除などの際には、埃を吸い込まないように十分注意しましょう。
当地の気候も大きく変化し、夏の陽気となっています。必然的に花粉は減少して、これからは、室内塵(ダニ、真など)の抗原が急増する季節になります。つまり、室内塵アレルギーの季節です。衣替え、大掃除などの際には、埃を吸い込まないように十分注意しましょう。
梅雨から夏の落下花粉総数
令和2年 | 令和3年 | 令和4年 | 令和5年 | 令和6年 | |
5月2週 | 291.4 | 224.6 | 201.2 | 148.7 | 179.3 |
3週 | 92.5 | 50.6 | 118.6 | 189.3 | 95.3 |
4週 | 152.7 | 180.2 | 132.5 | 126.4 | 113.0 |
6月1週 | 74.0 | 46.2 | 65.7 | 51.2 | 29.7 |
2週 | 57.1 | 39.2 | 11.1 | 18.5 | 16.6 |
3週 | 16.6 | 9.2 | 13.0 | 0.3 | |
4週 | 3.7 | 9.3 | 9.3 | 8.5 | |
7月1週 | 5.3 | 1.5 | 12.7 | 8.6 | |
2週 | 2.8 | 3.7 | 5.2 | 5.2 | |
3週 | 0.9 | 2.1 | 0.9 | 1.9 | |
4週 | 0.9 | 4.9 | 1.5 | 4.3 | |
5週 | 1.5 | 0.6 | 0.9 |
毎年、6月になりますと減少傾向に、3週頃から落下花粉数は大幅に減少します。昨年の6月5日から11日の1週間はイネ科、ブナ科、ニレ科、マツ型の花粉が計18.5個/cm2観測されました。
6月は、少数ですが、主にイネ科、ブナ科が飛散します。花粉は春ほど飛散しません。そこで、週1回日曜日に観測して結果をお届けします。
6月1日:松はクロマツ0.3個/cm2、トウヒ0.6個/cm2、その他はシソ科ウツボグサが0.3個/cm2、カツラ科カツラが0.3個/cm2、マキ科ナギが2.5個/cm2、バラ科シモツケが0.6個/cm2、識別不能0.6個/cm2でした。
6月2日:スギ0.3個/cm2、トウヒ0.3個/cm2、チョウセンゴヨウ0.3個/cm2、ナギ0.3個/cm2、識別不能0.3個/cm2でした。
6月3〜9日:スギ、ヒノキがそれぞれ0.3個/cm2その他の花粉が5.5個/cm2でしたが、その他には、イチョウ0.3個/cm2、エゴノキ0.6個/cm2、ヤマグア0.6個/cm2、ヤエムグラ0.6個/cm2、ナギ0.3個/cm2を含み、識別不能は3.1個/cm2でした。
3〜9日1週間の降水量は71.5mm、日照時間は43.0時間でした。
6月、日々の天気(気象庁:東京)
月日 | 降雨量(mm) | 平均気温 | 日照時間 | 天気概況 |
6月1日 | 0.0 | 20.9 | 7.0 | 曇り一時晴のち雨 |
2日 | 45.5 | 18.7 | 2.9 | 大雨のち時々曇り(雷) |
3日 | 25.5 | 18.3 | 2.4 | 曇り一時晴後雨 |
4日 | ― | 19.5 | 7.8 | 晴れ一時曇り |
5日 | ― | 21.4 | 11.9 | 晴れ一時曇り |
6日 | ― | 22.0 | 3.8 | 曇り一時晴れ |
7日 | ― | 22.1 | 5.1 | 晴れ時々曇り |
8日 | ― | 22.8 | 11.8 | 晴れ〜曇り〜晴れ |
9日 | 0.5 | 22.4 | 0.2 | 曇り一時雨後曇り |
10日 | 17.0 | 20.7 | 0.7 | 曇り〜雨〜晴れ |
11日 | ― | 24.0 | 12.8 | 晴れ時々薄曇り |
12日 | 0.0 | 24.6 | 10.4 | 曇り〜晴れ〜曇り |
13日 | ― | 22.6 | 1.6 | 曇り一時晴れ |
14日 | ― | 25.9 | 12.5 | 晴れ |
資料:防災まちづくり部道路課
○6月15日(土):花粉症は日本だけか? |
世界アレルギー機構(World Allergy Organization)のWorld Allergy Week 2016の報告資料3によると、13~14歳の小児における花粉症の有病率は、世界全体で22.1%だった。 地域別にみると、アフリカ29.5%、アジア23.9%、東地中海20.1%、インド亜大陸15.8%、中南米23.7%、北米33.3%、北欧・東欧12.3%、オセアニア39.8%、西ヨーロッパで21.2%だった。過去15年間を平均すると年間平均0.3%増加しているという。地域によって生育する草木が異なるため、花粉症を引き起こす草木も異なり、ヨーロッパの各地ではイネ科、アメリカではブタクサ等、オーストラリアではアカシア(ミモザ)、南アフリカではイトスギが有名だ。スギは日本固有種であるため、スギ花粉症は日本の特徴だ。
村松 容子(ニッセイ基礎研究所:保険研究部 主任研究員・ヘルスケアリサーチセンター)
元奈良医大化学教室の井手 武先生によると、地球上で多くのスギ花粉症が存在するのは、日本と中国のみで、その理由は、「日本スギは中国のヤナギ杉が先祖で、この2ケ国以外、他には極一部の地域にしか生育していないから」と、教えをいただきました。私共は、このことを確かめるため、科学技術振興調整費(科学技術庁研究開発局)による『スギ花粉症克服に向けた総合研究(第Ⅰ期 平成9年度〜11年度)』により、中国上海市ならびに福建省邵武市に、健診団として出向き、疫学研究を実施いたしました。結果は、『中国には、スギ花粉症候補者が多数存在し、その人達は、日本から持参したスギ花粉抗原にも、またヤナギスギの抗原にも共通して、100%近く反応することを確認しました。』
当時、有病率は日本の方が高率でしたが、中国の工業化が進み、日本と同様に工業化、大気汚染が進行すると有病率は爆発的に上昇することは、想像に難くありませんでした。
品川区内の街路樹
年 度 |
総
数 |
や
な ぎ |
く
す の き |
す
ず か け |
え
ん じ ゅ |
に
せ あ か し あ |
い
ち ょ う |
さ
く ら |
あ
お ぎ り |
ま
て ば し い |
は
な み ず き |
そ
の 他 |
2019 | 3,892 | 25 | 334 | 69 | 143 | 62 | 182 | 1360 | 52 | 80 | 412 | 1173 |
2020 | 3,961 | 25 | 333 | 68 | 143 | 56 | 181 | 1458 | 51 | 80 | 409 | 1156 |
2021 | 3,853 | 25 | 321 | 66 | 118 | 56 | 180 | 1444 | 41 | 80 | 409 | 1113 |
注)本表の数字は、品川区道内の街路樹数である。 |
資料:防災まちづくり部道路課 |
街路樹になる木の条件
条件大気汚染や踏圧(人の往来)に強いこと
乾燥や夏の暑さに強いこと
樹齢が長いこと
病気や害虫に対する抵抗力が高いこと
イチョウ、ケヤキ、トウカエデ、ユリノキ、トチノキ、プラタナス、ポプラ、クスノキ、エンジュ、ニセアカシア、サクラ、アオギリ、ナンキンハゼ、ナナカマド、ハナミズキ、コブシ、ヤマモモ、マテバシイウバメガシ,シラカシ、ネズミモチ、レッドロビン、カイヅカイブキ、
これら以外にも
クロマツ、アカエゾマツ、サツキ、ツツジ、アベリア、シャリンバイ、サザンカ、ツバキ、イヌツゲ、ハマヒサカキ、トベラ、クチナシ、ジンチョウゲ、ハイビャクシン、ユキヤナギ、ドウダンツツジ
(庭木図鑑 植木ペディアより)
品川区が令和6年度に公表した資料によると、区内には、284の公園、緑地があり、その総面積は1,376,996.53m2にのぼる(令和4年4月1日:品川区広報)。市区町村別の公園数ランキング(アパマンショップ調べ2023年6月)では、東京都は12位でした。
順位 | 市区町村 | 公園数 |
1 | 大田区 | 575 |
2 | 八王子市 | 565 |
3 | 江戸川区 | 533 |
4 | 町田市 | 531 |
5 | 世田谷区 | 372 |
6 | 足立区 | 361 |
7 | 板橋区 | 360 |
8 | 杉並区 | 320 |
9 | 葛飾区 | 319 |
10 | 江東区 | 311 |
11 | 府中市 | 307 |
12 | 品川区 | 258 |
13 | 練馬区 | 258 |
14 | 多摩市 | 194 |
15 | 調布市 | 189 |
これらの公園には、主な植物だけで、271属の植物が植樹されているそうです(公園情報センター:品川区編)。当院周辺の緑地および公園は、18施設あります。この18施設に植樹されている樹木は53科、88属に及びます。当院で観測される花粉には、18施設に植樹されていない植物の花粉も少数ですが認められます。それらは、庭木(神社、仏閣、ホテルなど)や街路樹などが発生源と思われます。
発熱や咳などの風邪症状で受診される場合は、ご来院いただく前にお電話(03-3491-2822)でお問い合わせ下さいますようお願い申し上げます。
当院では、東京都内(品川区 五反田)で顕微鏡下で計測した花粉飛散数、および花粉情報など試験的に提供しています。1984年から観測は開始しており、例年2月〜4月のスギ・ヒノキ花粉数を計測しています。
2024年10月9日 インフルエンザワクチンの接種開始しました。ご希望の方は、お電話でのお問い合わせ、あるいは診察時にご相談下さい。
2021年10月29日 予約制を導入しました。ご予約は、窓口または電話03-3491-2822(月〜金曜日の午後2 時から午後7 時)でお願いします。
ご予約を優先とさせていただき、より待ち時間の無い診療を心掛けて感染対策をして参りますので、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。病状に応じて、前後する場合があります。
2024年3月25日 日本経済新聞社に、花粉観測に関して情報提供をさせていただきました。
2024年6月1日 保険医療機関のおける掲示
2020年4月29日 「オンライン診療ついて」まとめました。LINEによる診療を当院再診患者様に対して開始しました。
2018.1.18 東京都花粉症患者実態調査について