令和7年6月24日(火)-8 花粉情報
私たちの体には、異物が入ってくると、その異物を攻撃して体の外に追い出そうとする力が備わっています。体内に侵入したハウスダストを異物と判断するとアレルギー反応が起こり症状が発生します。主な症状は、くしゃみ、鼻みず、鼻づまり、目のかゆみや痛み、皮膚の炎症・かゆみ、肌の乾燥、喘息やせきなどです。ハウスダストはどこの家にも常に存在します。したがって、季節を問わず、アレルギーを引き起こし、さまざまな病気の原因になることがあります。
私たちの体には、異物が入ってくると、その異物を攻撃して体の外に追い出そうとする力が備わっています。体内に侵入したハウスダストを異物と判断するとアレルギー反応が起こり症状が発生します。主な症状は、くしゃみ、鼻みず、鼻づまり、目のかゆみや痛み、皮膚の炎症・かゆみ、肌の乾燥、喘息やせきなどです。ハウスダストはどこの家にも常に存在します。したがって、季節を問わず、アレルギーを引き起こし、さまざまな病気の原因になることがあります。
スギ、ヒノキの飛散が終わり、当地では、現在ブナ科、イネ科、マツ型花粉が散見されますが、その数は少数で、強い症状を訴える患者さんも少ない状況です。一方、室内塵中のダニは、これから増殖して、夏の終わりから秋に、死骸の風化物、抜け毛、フケ、糞などが飛散、吸入され、症状が強くなります。また、秋には、当地でもイネ科、キク科のブタクサ、ヨモギ、アサ科のカナムグラなどが飛散します。これらに、備えるには夏の間に、これらに対してアレルギーを起こす可能性の有無を確認しておき、可能性が強い時は、あらかじめ予防(免疫療法)しておくと、症状が無く、または軽く済む可能性が高くなります。秋に症状のある方は、ぜひ専門医を受診してみて下さい。
令和7年6月の当地の気象データ(気象庁過去の気象データ検索より)
日付 | 天気 | 雨量 | 平均
気温 |
最高
気温 |
日照
時間 |
風向 |
6月1日 | 曇〜晴 | 0.5 | 18.6 | 24.8 | 5.4 | 南東 |
2日 | 曇〜晴 | ― | 20.1 | 25.0 | 3.4 | 南 |
3日 | 曇〜小雨〜曇 | 31.0 | 18.9 | 21.2 | 0.0 | 南南西 |
4日 | 曇〜晴一時小雨 | 0.5 | 22.3 | 28.4 | 5.7 | 南南東〜南東 |
5日 | 小雨〜曇〜晴 | 5.0 | 22.8 | 28.9 | 11.3 | 南 |
6日 | 晴一時曇 | ― | 23.4 | 28.8 | 9.2 | 南〜南南東 |
7日 | 曇〜晴 | 0.0 | 23.6 | 29.6 | 7.1 | 南東〜南南東 |
8日 | 曇 | 0.0 | 23.2 | 28.6 | 0.8 | 南南東〜南 |
9日 | 曇〜雨〜曇 | 0.5 | 21.9 | 25.9 | 2.1 | 南東〜南南東 |
10日 | 雨一時曇〜雨 | 11.0 | 20.4 | 21.6 | 0.0 | 北西 |
11日 | 雨〜曇〜晴 | 11.5 | 20.8 | 23.1 | 0.0 | 北北東〜東 |
12日 | 曇〜晴〜曇 | ― | 22.9 | 27.8 | 4.6 | 南東 |
13日 | 曇〜晴 | 0.0 | 22.5 | 26.4 | 1.7 | 南東 |
14日 | 曇〜小雨 | 9.0 | 22.3 | 25.6 | 1.0 | 南〜南南東 |
15日 | 雨〜曇〜晴 | 7.0 | 24.9 | 29.2 | 2.5 | 南 |
16日 | 曇〜晴 | 0.0 | 26.5 | 31.6 | 5.6 | 南東 |
17日 | 晴一時曇 | – | 29.0 | 34.8 | 13.2 | 南東〜南南東 |
18日 | 晴 | ― | 28.8 | 34.4 | 12.6 | 南南東〜北北東 |
19日 | 晴 | ― | 27.8 | 33.5 | 11.3 | 南東〜東南東 |
20日 | 晴 | ― | 26.5 | 31.4 | 6.1 | 南南東 |
21日 | 晴 | ― | 26.5 | 31.4 | 12.4 | 南東 |
22日 | 晴 | ― | 28.2 | 33.1 | 13.2 | 南 |
23日 | 薄曇〜曇 | 0.0 | 27.9 | 31.9 | 3.8 | 南〜南南西 |
24日 | 曇 |
6月の落下花粉数は、過去6年間で今年が最も多く観測されています。梅雨(雨)の影響が小さいようです。
梅雨から夏の落下花粉総数(第3週:5月12〜18日) 測定地:品川区西五反田
令和2年 | 令和3年 | 令和4年 | 令和5年 | 令和6年 | 令和7年 | |
5月2週 | 291.4 | 224.6 | 201.2 | 148.7 | 179.3 | 222.1 |
3週 | 92.5 | 50.6 | 118.6 | 189.3 | 95.3 | 87.3 |
4週 | 152.7 | 180.2 | 132.5 | 126.4 | 113.0 | 113.8 |
6月1週 | 74.0 | 46.2 | 65.7 | 51.2 | 29.7 | 47.4 |
2週 | 57.1 | 39.2 | 11.1 | 18.5 | 16.6 | 59.9 |
3週 | 16.6 | 9.2 | 13.0 | 0.3 | 8.0 | 12.9 |
4週 | 3.7 | 9.3 | 9.3 | 8.5 | 13.3 | 17.4 |
5週 | 5.3 | 1.5 | 12.7 | 8.6 | 11.7 | |
7月1週 | 2.8 | 3.7 | 5.2 | 5.2 | 5.8 | |
2週 | 0.9 | 2.1 | 0.9 | 1.9 | 4.0 | |
3週 | 0.9 | 4.9 | 1.5 | 4.3 | 1.2 | |
4週 | 1.5 | 4.3 | 0.6 | 0.9 | 2.8 | |
5週 | 1.5 | 0.9 | 1.5 | 2.1 | 3.4 |
毎年、5月は様々な花粉が観測されました。観測される花粉の多くは、風が運んできます(風媒花)が、5月の風は、南寄りの風の日が多く、南風は当地では、海からの風ですので、落下花粉の観測数は、4月よりも少ないことになります。6月になりますと、当地の落下花粉数はさらに減少傾向が認められ、毎年6月3週頃から落下花粉数は大幅に減少しました。今シーズンも、大きく減少しました。
6月の花粉飛散状況
6月の観測花粉数(過去5年間)
観測期間 | スギ | ヒノキ | イネ科 | ブナ科 | カバノキ科 | ニレ科 | マツ型 | その他 | 総計 |
令和7年 | |||||||||
令和6年 | 1.2 | 0.6 | 2.1 | 5.2 | 0.6 | 0.3 | 12.0 | 35.1 | 56.7 |
令和5年 | 1.2 | 0.3 | 7.7 | 14.8 | 1.8 | 8.0 | 28.7 | 16.1 | 87.2 |
令和4年 | 0.9 | 0.3 | 11.4 | 16.3 | 0.6 | 5.8 | 41.6 | 41.1 | 112.7 |
令和3年 | 0.9 | 0.0 | 8.2 | 11.0 | 4.9 | 2.4 | 31.5 | 40.4 | 104.5 |
令和2年 | 5.2 | 0.3 | 2.1 | ― | ― | ― | ― | 156.7 | 164.3 |
○令和5年:5/29〜7/2
○令和4年:5/30〜7/3(ニレ科にハリケヤキ含まず)
○令和3年:5/31〜7/4((ニレ科にハリケヤキ含まず)
○令和2年:5/31〜7/4(スギ、ヒノキ、イネ科以外はその他に含む)
令和2年からの計測では、6月は、マツ型およびブナ科の花粉以外は、ほとんど飛散していません。
花粉症は日本だけか?
世界アレルギー機構(World Allergy Organization)のWorld Allergy Week 2016の報告資料3によると、13~14歳の小児における花粉症の有病率は、世界全体で22.1%だった。 地域別にみると、アフリカ29.5%、アジア23.9%、東地中海20.1%、インド亜大陸15.8%、中南米23.7%、北米33.3%、北欧・東欧12.3%、オセアニア39.8%、西ヨーロッパで21.2%だった。過去15年間を平均すると年間平均0.3%増加しているという。地域によって生育する草木が異なるため、花粉症を引き起こす草木も異なり、ヨーロッパの各地ではイネ科、アメリカではブタクサ等、オーストラリアではアカシア(ミモザ)、南アフリカではイトスギが有名だ。スギは日本固有種であるため、スギ花粉症は日本の特徴だ。
村松 容子(ニッセイ基礎研究所:保険研究部 主任研究員・ヘルスケアリサーチセンター)
私どもの調査では、中国にもヤナギスギという杉があって、日本スギとヤナギスギの間には、共通抗原性があることを確認しています(スギ花粉症克服に向けた総合研究;第1期平成9〜11年度、第2期平成12年〜15年:文部科学省)。また、中国人の中に、日本スギに反応する人が少なからず存在しました。
佐橋 紀男先生から千葉県富里市の観測値を頂きました。
スギ | ヒノキ | イネ科 | マツ | |||||
D型 | R型 | D型 | R型 | D型 | R型 | D型 | R型 | |
3月 | 8550.8 | 14510.0 | 2611.7 | 5391.8 | ||||
4月 | 95.6 | 205.3 | 818.6 | 1309.6 | ||||
5月 | 2.1 | 1.0 | 3.0 | 61.7 | 61.7 | 109.0 | ||
6月 | 1.2 | 4.0 | 62.7 | 114.0 | 26.4 | 48.0 |
5月は20日まで D型:ダーラム R型:ロータリー
飛散開始日:ヒノキ3月13日
飛散終了日:スギ4月29日(ダーラム型)、4月28日(ロータリー型)
ヒノキ5月4日(ダーラム型)、5月9日(ロータリー型)
富里市では、イネ科、マツ型の飛散数が当地より明らかに多いようです。
昨日、当地の落下花粉(ダーラム法による計測)は、総花粉数1.9個/cm2でした。
イネ科、タデ科、アオイ科の花粉が観測されました。
発熱や咳などの風邪症状で受診される場合は、ご来院いただく前にお電話(03-3491-2822)でお問い合わせ下さいますようお願い申し上げます。
当院では、東京都内(品川区 五反田)で顕微鏡下で計測した花粉飛散数、および花粉情報など試験的に提供しています。1984年から観測は開始しており、例年2月〜4月のスギ・ヒノキ花粉数を計測しています。
2024年10月9日 インフルエンザワクチンの接種開始しました。ご希望の方は、お電話でのお問い合わせ、あるいは診察時にご相談下さい。
2021年10月29日 予約制を導入しました。ご予約は、窓口または電話03-3491-2822(月〜金曜日の午後2 時から午後7 時)でお願いします。
ご予約を優先とさせていただき、より待ち時間の無い診療を心掛けて感染対策をして参りますので、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。病状に応じて、前後する場合があります。
2024年3月25日 日本経済新聞社に、花粉観測に関して情報提供をさせていただきました。
2024年6月1日 保険医療機関のおける掲示
2020年4月29日 「オンライン診療ついて」まとめました。LINEによる診療を当院再診患者様に対して開始しました。
2018.1.18 東京都花粉症患者実態調査について