日: 2025年6月23日

令和7年6月23日(月)-7 花粉情報

スギ、ヒノキの飛散が終わり、当地では、現在ブナ科、イネ科、マツ型花粉が散見されますが、その数は少数で、強い症状を訴える患者さんも少ない状況です。一方、室内塵中のダニは、これから増殖して、夏の終わりから秋に、死骸の風化物、抜け毛、フケ、糞などが飛散、吸入され、症状が強くなります。また、秋には、当地でもイネ科、キク科のブタクサ、ヨモギ、アサ科のカナムグラなどが飛散します。これらに、備えるには夏の間に、これらに対してアレルギーを起こす可能性があるかないかを確認しておき、可能性がたかい時は、あらかじめ予防(免疫療法)しておくと、症状が無い、または軽く済む可能性があります。秋に症状のある方は、夏前に、ぜひ専門医を受診して、可能性を確認して下さい。

 


令和7年6月23日(月)-6 花粉情報

令和7年6月の当地の気象データ(気象庁過去の気象データ検索より)

日付 天気 雨量 平均

気温

最高

気温

日照

時間

風向
6月1日 曇〜晴 0.5 18.6 24.8 5.4 南東
2日 曇〜晴 20.1 25.0 3.4
3日 曇〜小雨〜曇 31.0 18.9 21.2 0.0 南南西
4日 曇〜晴一時小雨 0.5 22.3 28.4 5.7 南南東〜南東
5日 小雨〜曇〜晴 5.0 22.8 28.9 11.3
6日 晴一時曇 23.4 28.8 9.2 南〜南南東
7日 曇〜晴 0.0 23.6 29.6 7.1 南東〜南南東
8日 0.0 23.2 28.6 0.8 南南東〜南
9日 曇〜雨〜曇 0.5 21.9 25.9 2.1 南東〜南南東
10日 雨一時曇〜雨 11.0 20.4 21.6 0.0 北西
11日 雨〜曇〜晴 11.5 20.8 23.1 0.0 北北東〜東
12日 曇〜晴〜曇 22.9 27.8 4.6 南東
13日 曇〜晴 0.0 22.5 26.4 1.7 南東
14日 曇〜小雨 9.0 22.3 25.6 1.0 南〜南南東
15日 雨〜曇〜晴 7.0 24.9 29.2 2.5
16日 曇〜晴 0.0 26.5 31.6 5.6 南東
17日 晴一時曇 29.0 34.8 13.2 南東〜南南東
18日 28.8 34.4 12.6 南南東〜北北東
19日 27.8 33.5 11.3 南東〜東南東
20日 26.5 31.4 6.1 南南東
21日 26.5 31.4 12.4 南東
22日   28.5 33.1 13.2
23日          

 

久しぶりに6日続けて晴れ、猛暑が続いています。6月の落下花粉数は、過去6年間で今年が最も多く観測されています。梅雨(雨)の影響が小さいようです。

 


令和7年6月23日(月)-5 花粉情報

梅雨から夏の落下花粉総数(第3週:5月12〜18日) 測定地:品川区西五反田

  令和2年 令和3年 令和4年 令和5年 令和6年 令和7年
5月2週 291.4 224.6 201.2 148.7 179.3 222.1
3週 92.5 50.6 118.6 189.3 95.3 87.3
4週 152.7 180.2 132.5 126.4 113.0 113.8
6月1週 74.0 46.2 65.7 51.2 29.7 47.4
2週 57.1 39.2 11.1 18.5 16.6 59.9
3週 16.6 9.2 13.0 0.3 8.0 12.9
4週 3.7 9.3 9.3 8.5 13.3 17.4
5週 5.3 1.5 12.7 8.6 11.7  
7月1週 2.8 3.7 5.2 5.2 5.8  
2週 0.9 2.1 0.9 1.9 4.0  
3週 0.9 4.9 1.5 4.3 1.2  
4週 1.5 4.3 0.6 0.9 2.8  
5週 1.5 0.9 1.5 2.1 3.4  

毎年、5月は様々な花粉が観測されます。花粉は風が運んできますが、5月の風は、南寄りの風の日が多く、南風は当地では、海からの風ですので、落下花粉の観測数は、少ないことになります。6月になりますと、当地の落下花粉数はさらに減少傾向が認められ、毎年6月3週頃から落下花粉数は大幅に減少しましたが、今シーズンも、大きく減少しました。

日本気象協会によりますと、今年の関東地方の梅雨入りは、6月中旬との予想です。


令和7年6月23日(月)-4 花粉情報

6月の花粉飛散状況

6月の観測花粉数(過去5年間)

観測期間 スギ ヒノキ イネ科 ブナ科 カバノキ科 ニレ科 マツ型 その他 総計
令和7年                  
令和6年 1.2 0.6 2.1 5.2 0.6 0.3 12.0 35.1 56.7
令和5年 1.2 0.3 7.7 14.8 1.8 8.0 28.7 16.1 87.2
令和4年 0.9 0.3 11.4 16.3 0.6 5.8 41.6 41.1 112.7
令和3年 0.9 0.0 8.2 11.0 4.9 2.4 31.5 40.4 104.5
令和2年 5.2 0.3 2.1 156.7 164.3

○令和5年:5/29〜7/2

○令和4年:5/30〜7/3(ニレ科にハリケヤキ含まず)

○令和3年:5/31〜7/4((ニレ科にハリケヤキ含まず)

○令和2年:5/31〜7/4(スギ、ヒノキ、イネ科以外はその他に含む)

令和2年からの計測では、6月は、マツ型およびブナ科の花粉以外は、ほとんど飛散していません。


令和7年6月23日(月)-3 花粉情報

花粉症は日本だけか?

世界アレルギー機構(World Allergy Organization)のWorld Allergy Week 2016の報告資料3によると、13~14歳の小児における花粉症の有病率は、世界全体で22.1%だった。 地域別にみると、アフリカ29.5%、アジア23.9%、東地中海20.1%、インド亜大陸15.8%、中南米23.7%、北米33.3%、北欧・東欧12.3%、オセアニア39.8%、西ヨーロッパで21.2%だった。過去15年間を平均すると年間平均0.3%増加しているという。地域によって生育する草木が異なるため、花粉症を引き起こす草木も異なり、ヨーロッパの各地ではイネ科、アメリカではブタクサ等、オーストラリアではアカシア(ミモザ)、南アフリカではイトスギが有名だ。スギは日本固有種であるため、スギ花粉症は日本の特徴だ。

村松 容子(ニッセイ基礎研究所:保険研究部 主任研究員・ヘルスケアリサーチセンター)

 私どもの調査では、中国にもヤナギスギという杉があって、ニホンスギとヤナギスギの間には、共通抗原性があることを確認しています(スギ花粉症克服に向けた総合研究;第1期平成9〜11年度、第2期平成12年〜15年:文部科学省)。また、中国人の中に、ニホンスギに反応する人が少なからず存在しました。地域差は、中国でも存在し、室内塵に反応する人は上海、ヤナギスギに反応する人は、邵武(福建省)に多く認められました。

 


令和7年6月23日(月)-2 花粉情報

佐橋 紀男先生から千葉県富里市の観測値を頂きました

  スギ ヒノキ イネ科 マツ
  D型 R型 D型 R型 D型 R型 D型 R型
3月 8550.8 14510.0 2611.7 5391.8        
4月 95.6 205.3 818.6 1309.6        
5月 2.1 1.0 3.0 61.7 61.7 109.0    
6月 1.2 4.0 62.7 114.0 26.4 48.0

5月は20日まで D型:ダーラム R型:ロータリー

飛散開始日:ヒノキ3月13日

飛散終了日:スギ4月29日(ダーラム型)、4月28日(ロータリー型)

ヒノキ5月4日(ダーラム型)、5月9日(ロータリー型)

富里市では、イネ科、マツ型の飛散数が当地より明らかに多いようです。


令和7年6月23日(月)-1 花粉情報

昨日、当地の落下花粉(ダーラム法による計測)は、総花粉数3.7個/cm2でした。

ブナ科、イネ科、マツ型の花粉が観測されました。