令和7年6月18日(水)-9 花粉情報
かねてから私共(慈恵医大耳鼻科)は、大気汚染が花粉症やアレルギー性鼻炎の悪化因子であることを、指摘してきました。都内の大気汚染濃度の上位局(令和3年度)を見るとそれぞれ環境基準は達成しているものの、二酸化窒素の年平均濃度は品川区豊町が一般局で都内9位、自排局では北品川交差点が4位 、浮遊粒子状物質は、品川区豊町が一般局で都内4位、自排局では中原口交差点が2位と、当地の近隣が上位を占めています。
かねてから私共(慈恵医大耳鼻科)は、大気汚染が花粉症やアレルギー性鼻炎の悪化因子であることを、指摘してきました。都内の大気汚染濃度の上位局(令和3年度)を見るとそれぞれ環境基準は達成しているものの、二酸化窒素の年平均濃度は品川区豊町が一般局で都内9位、自排局では北品川交差点が4位 、浮遊粒子状物質は、品川区豊町が一般局で都内4位、自排局では中原口交差点が2位と、当地の近隣が上位を占めています。
令和7年6月の当地の気象データ(気象庁過去の気象データ検索より)
日付 | 天気 | 雨量 | 平均
気温 |
最高
気温 |
日照
時間 |
風向 |
6月1日 | 曇〜晴 | 0.5 | 18.6 | 24.8 | 5.4 | 南東 |
2日 | 曇〜晴 | ― | 20.1 | 25.0 | 3.4 | 南 |
3日 | 曇〜小雨〜曇 | 31.0 | 18.9 | 21.2 | 0.0 | 南南西 |
4日 | 曇〜晴一時小雨 | 0.5 | 22.3 | 28.4 | 5.7 | 南南東〜南東 |
5日 | 小雨〜曇〜晴 | 5.0 | 22.8 | 28.9 | 11.3 | 南 |
6日 | 晴一時曇 | ― | 23.4 | 28.8 | 9.2 | 南〜南南東 |
7日 | 曇〜晴 | 0.0 | 23.6 | 29.6 | 7.1 | 南東〜南南東 |
8日 | 曇 | 0.0 | 23.2 | 28.6 | 0.8 | 南南東〜南 |
9日 | 曇〜雨〜曇 | 0.5 | 21.9 | 25.9 | 2.1 | 南東〜南南東 |
10日 | 雨一時曇〜雨 | 11.0 | 20.4 | 21.6 | 0.0 | 北西 |
11日 | 雨〜曇〜晴 | 11.5 | 20.8 | 23.1 | 0.0 | 北北東〜東 |
12日 | 曇〜晴〜曇 | ― | 22.9 | 27.8 | 4.6 | 南東 |
13日 | 曇〜晴 | 0.0 | 22.5 | 26.4 | 1.7 | 南東 |
14日 | 曇〜小雨 | 9.0 | 22.3 | 25.6 | 1.0 | 南〜南南東 |
15日 | 雨〜曇〜晴 | 7.0 | 24.9 | 29.2 | 2.5 | 南 |
16日 | 曇〜晴 | 0.0 | 26.5 | 31.6 | 5.6 | 南東 |
17日 | 晴一時曇 | – | 29.0 | 34.8 | 13.2 | 南東〜南南東 |
18日 | 晴れ |
梅雨から夏の落下花粉総数(第3週:5月12〜18日) 測定地:品川区西五反田
令和2年 | 令和3年 | 令和4年 | 令和5年 | 令和6年 | 令和7年 | |
5月2週 | 291.4 | 224.6 | 201.2 | 148.7 | 179.3 | 222.1 |
3週 | 92.5 | 50.6 | 118.6 | 189.3 | 95.3 | 87.3 |
4週 | 152.7 | 180.2 | 132.5 | 126.4 | 113.0 | 113.8 |
6月1週 | 74.0 | 46.2 | 65.7 | 51.2 | 29.7 | 47.4 |
2週 | 57.1 | 39.2 | 11.1 | 18.5 | 16.6 | 59.9 |
3週 | 16.6 | 9.2 | 13.0 | 0.3 | 8.0 | 12.9 |
4週 | 3.7 | 9.3 | 9.3 | 8.5 | 13.3 | |
5週 | 5.3 | 1.5 | 12.7 | 8.6 | 11.7 | |
7月1週 | 2.8 | 3.7 | 5.2 | 5.2 | 5.8 | |
2週 | 0.9 | 2.1 | 0.9 | 1.9 | 4.0 | |
3週 | 0.9 | 4.9 | 1.5 | 4.3 | 1.2 | |
4週 | 1.5 | 4.3 | 0.6 | 0.9 | 2.8 | |
5週 | 1.5 | 0.9 | 1.5 | 2.1 | 3.4 |
毎年、5月は様々な花粉が観測されます。花粉は風が運んできますが、5月の風は、南寄りの風の日が多く、南風は当地では、海からの風ですので、落下花粉の観測数は、少ないことになります。6月になりますと、当地の落下花粉数はさらに減少傾向が認められ、毎年6月3週頃から落下花粉数は大幅に減少しましたが、今シーズンも、大きく減少しました。
日本気象協会によりますと、今年の関東地方の梅雨入りは、6月中旬との予想です。
6月の観測花粉数(過去5年間)
観測期間 | スギ | ヒノキ | イネ科 | ブナ科 | カバノキ科 | ニレ科 | マツ型 | その他 | 総計 |
令和7年 | |||||||||
令和6年 | 1.2 | 0.6 | 2.1 | 5.2 | 0.6 | 0.3 | 12.0 | 35.1 | 56.7 |
令和5年 | 1.2 | 0.3 | 7.7 | 14.8 | 1.8 | 8.0 | 28.7 | 16.1 | 87.2 |
令和4年 | 0.9 | 0.3 | 11.4 | 16.3 | 0.6 | 5.8 | 41.6 | 41.1 | 112.7 |
令和3年 | 0.9 | 0.0 | 8.2 | 11.0 | 4.9 | 2.4 | 31.5 | 40.4 | 104.5 |
令和2年 | 5.2 | 0.3 | 2.1 | ― | ― | ― | ― | 156.7 | 164.3 |
○令和5年:5/29〜7/2
○令和4年:5/30〜7/3(ニレ科にハリケヤキ含まず)
○令和3年:5/31〜7/4((ニレ科にハリケヤキ含まず)
○令和2年:5/31〜7/4(スギ、ヒノキ、イネ科以外はその他に含む)
令和2年からの計測では、6月は、マツ型およびブナ科の花粉以外は、ほとんど飛散していません。
花粉症は日本だけか?
世界アレルギー機構(World Allergy Organization)のWorld Allergy Week 2016の報告資料3によると、13~14歳の小児における花粉症の有病率は、世界全体で22.1%だった。 地域別にみると、アフリカ29.5%、アジア23.9%、東地中海20.1%、インド亜大陸15.8%、中南米23.7%、北米33.3%、北欧・東欧12.3%、オセアニア39.8%、西ヨーロッパで21.2%だった。過去15年間を平均すると年間平均0.3%増加しているという。地域によって生育する草木が異なるため、花粉症を引き起こす草木も異なり、ヨーロッパの各地ではイネ科、アメリカではブタクサ等、オーストラリアではアカシア(ミモザ)、南アフリカではイトスギが有名だ。スギは日本固有種であるため、スギ花粉症は日本の特徴だ。
村松 容子(ニッセイ基礎研究所:保険研究部 主任研究員・ヘルスケアリサーチセンター)
私どもの調査では、中国にもヤナギスギという杉があって、日本スギとヤナギスギの間には、共通抗原性があることを確認しています(スギ花粉症克服に向けた総合研究;第1期平成9〜11年度、第2期平成12年〜15年)。また、中国人の中に、日本スギに反応する人が少なからず存在しました。
品川区内の街路樹
年 度 |
総
数 |
や
な ぎ |
く
す の き |
す
ず か け |
え
ん じ ゅ |
に
せ あ か し あ |
い
ち ょ う |
さ
く ら |
あ
お ぎ り |
ま
て ば し い |
は
な み ず き |
そ
の 他 |
2019 | 3,892 | 25 | 334 | 69 | 143 | 62 | 182 | 1360 | 52 | 80 | 412 | 1173 |
2020 | 3,961 | 25 | 333 | 68 | 143 | 56 | 181 | 1458 | 51 | 80 | 409 | 1156 |
2021 | 3,853 | 25 | 321 | 66 | 118 | 56 | 180 | 1444 | 41 | 80 | 409 | 1113 |
注)本表の数字は、品川区道内の街路樹数です。 資料:防災まちづくり部道路課
街路樹になる木の条件
大気汚染や踏圧(人の往来)に強いこと
乾燥や夏の暑さに強いこと
樹齢が長いこと
病気や害虫に対する抵抗力が高いこと などです。
イチョウ、ケヤキ、トウカエデ、ユリノキ、トチノキ、プラタナス、ポプラ、クスノキ、エンジュ、ニセアカシア、サクラ、アオギリ、ナンキンハゼ、ナナカマド、ハナミズキ、コブシ、ヤマモモ、マテバシイウバメガシ,シラカシ、ネズミモチ、レッドロビン、カイヅカイブキ、
これら以外にも
クロマツ、アカエゾマツ、サツキ、ツツジ、アベリア、シャリンバイ、サザンカ、ツバキ、イヌツゲ、ハマヒサカキ、トベラ、クチナシ、ジンチョウゲ、ハイビャクシン、ユキヤナギ、ドウダンツツジ
(庭木図鑑 植木ペディアより)
品川区が令和6年度に公表した資料によると、区内には、284の公園、緑地があり、その総面積は1,376,996.53m2にのぼり、市区町村別の公園数ランキング(アパマンショップ調べ2023年6月)では、東京都は12位でした。
順位 | 市区町村 | 公園数 |
1 | 大田区 | 575 |
2 | 八王子市 | 565 |
3 | 江戸川区 | 533 |
4 | 町田市 | 531 |
5 | 世田谷区 | 372 |
6 | 足立区 | 361 |
7 | 板橋区 | 360 |
8 | 杉並区 | 320 |
9 | 葛飾区 | 319 |
10 | 江東区 | 311 |
11 | 府中市 | 307 |
12 | 品川区 | 258 |
13 | 練馬区 | 258 |
14 | 多摩市 | 194 |
15 | 調布市 | 189 |
令和4年4月1日(品川区広報)では、284ヶ所
これらの公園には、主な植物だけで、271属の植物が植樹されているそうです(公園情報センター:品川区編)。当院周辺の緑地および公園は、18施設あります。この18施設に植樹されている樹木は53科、88属に及びます。当地で観測される花粉の中には、18施設に植樹されていない花粉も少数ですが認められます。それらは、庭木(神社、仏閣、ホテルなど)や街路樹などが発生源と思われます。
:昨日、当地の落下花粉(ダーラム法による計測)は、総花粉数2.2個/cm2でした。
発熱や咳などの風邪症状で受診される場合は、ご来院いただく前にお電話(03-3491-2822)でお問い合わせ下さいますようお願い申し上げます。
当院では、東京都内(品川区 五反田)で顕微鏡下で計測した花粉飛散数、および花粉情報など試験的に提供しています。1984年から観測は開始しており、例年2月〜4月のスギ・ヒノキ花粉数を計測しています。
2024年10月9日 インフルエンザワクチンの接種開始しました。ご希望の方は、お電話でのお問い合わせ、あるいは診察時にご相談下さい。
2021年10月29日 予約制を導入しました。ご予約は、窓口または電話03-3491-2822(月〜金曜日の午後2 時から午後7 時)でお願いします。
ご予約を優先とさせていただき、より待ち時間の無い診療を心掛けて感染対策をして参りますので、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。病状に応じて、前後する場合があります。
2024年3月25日 日本経済新聞社に、花粉観測に関して情報提供をさせていただきました。
2024年6月1日 保険医療機関のおける掲示
2020年4月29日 「オンライン診療ついて」まとめました。LINEによる診療を当院再診患者様に対して開始しました。
2018.1.18 東京都花粉症患者実態調査について