日: 2024年11月30日

2024年11月30日-3 花粉情報

さて、室内塵アレルギーの主な原因であるダニはどうでしょうか? 23日にも本HPで、お示ししましたように、主たる原因であるのはコナヒョウダニ とヤケヒョウダニですが、両者はやや季節消長などが異なるようです。あらためてダニに対する対策を以下にお示しいたします。

原因である室内塵(ダニ)を吸い込まないようにする(吸入防止)と良いのですが、そのためには以下のような対策が必要です。

・発生源対策

ダニの増殖を止める:ダニが繁殖するのは梅雨から夏なので、この時期に掃除をしっかり行う

ダニの駆除:ダニが成虫となる前(梅雨〜夏)防虫剤などで駆除する

・成長防止、駆除

ダニは増殖して,成虫になると掃除機で駆除は困難(夜行性で畳や絨毯の内部に潜む)なので、成長に必要な餌を与えないように心がける(例えば、寝室で食べ物を種ない、人のフケや抜け毛を残さないなど)

・環境を調整してダニの成長を阻止

布製のソファや照明カバー、じゅうたんなど、ハウスダストがたまりやすい素材のものはできるだけ避ける

室内の湿度が上がり過ぎないように、換気をこまめに行う

風の強い日は窓を開けない、外からホコリや花粉を持ち込まないようにする

ダニアレルギーの発症や症状を抑えるには、ダニの死骸や糞などとの接触や吸入を避けることが望まれます。

ハウスダスト1gあたりのダニ抗原が2μg以上では、アレルギー性鼻炎の発症リスクの増加、ダニ抗原が10μg以上では、喘息発症の危険因子になるとの報告もあります。
Celedón JC et al. J Allergy Clin Immunol 2007;120:144-9.

しかしながら、「アレルギー性鼻炎をもつ患者の意識と行動に関するアンケート調査」では、通年性アレルギー性鼻炎患者では、季節性アレルギー性鼻炎患者に比べて、アレルゲン対策に対する意識が低く、「予防グッズ」に対する意識も低いことが指摘されています。


2024年11月30日-2 花粉情報

27〜本日まで、よく晴れた日が続いています。この天気を反映して、記録的多くのスギ花粉が観測荒れています。アレルギー症状を訴えて来院される方も増えています。このアレルギー症状の発症原因は患者様によっては、単独ではなく複数の要因が重複している方も、少なくないと思います。次の項で述べていますように、まずダニ抗原です。次に注意が必要なのが、大気の乾燥です。昨日当地は、平均45%、最小17%でした。本日も、乾燥が進むと報じられています。もう一つは、この2日スギ花粉の狂い咲き渡韓がられる近年にない多くのスギ花粉がかんそくされます。狂い咲きとは、昨日も本HPでのべましたが、「花芽が分化した後、葉が異常落葉したりしてABAの供給がなくなり、しかもその後高い気温が続いたりすると、休眠状態を経ないで成長し、開花してしまうものと考えられています。」また、返り花とも呼ばれます。つまり、春咲きのサクラなどが、秋の寒さから一時的な小春日和を春と思って勘違いして花を咲かせるものです。


2024年11月30日-1 花粉情報

佐橋 紀男先生から千葉県船橋市の24日までの観測データをいただきました

2024年      ダーラム型(3.24cm2→1cm2)千葉県船橋市
11 スギ ヒノキ イネ型 ブタクサ ヨモギ カナムグラ その他
1 0.3 0.0 0.0 0.0 0.0 0.3 0.0
2 0.3 0.0 0.3 0.0 0.0 0.0 0.3
3 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
4 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
5 0.3 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
6 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
7 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.3
8 1.5 0.0 0.0 0.3 0.0 0.0 0.0
9 0.3 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
10 0.3 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.6
11 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
12 0.3 0.0 0.3 0.0 0.0 0.0 0.0
13 0.9 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.3
14 0.3 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
15 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
16 0.8 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
17 0.6 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 1.2
18 0.5 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 1.0
19 0.6 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.9
20 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
21 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
22 0.9 0.0 0.3 0.0 0.0 0.0 0.9
23 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.6
24 0.3 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
25              

観測される花粉は、ほとんどスギ花粉のようです。