日: 2024年7月11日

2024年07月11日-4 花粉情報

日猛暑が続いています。今後は、室内塵アレルギーの季節です。室内塵でアレルギーの原因となるものは、主にダニ(虫体、糞など)、カビ(特に真菌など)、昆虫、ペット(抜け毛、フケなど)。空気中に浮遊しているこれらを繰り返し吸入し続けることで、アレルギー状態になります。中でもダニは繁殖力が強く、全ての家庭に存在すると考えられます。ダニは、地球上に30〜50万種いると言われ、中には人の親指ほどもある大きなダニもいますが、大半が目に見えないほど小さく、繁殖力が強く、特に温暖で多湿な人間の住む環境は、ダニにとって快適と言われています。室内にいる代表的なダニは、チリダニ(体長:0.2〜0.4mm)、コナダニ(0.3〜0.5mm)、ツメダニ(7〜8mm)ですが、チリダニ、コナダニが鼻アレルギーの主な原因と言われています。ダニはつがいがいれば、2週間ほどで20〜30個の卵を産みます。これらは、2週間ほどで成長してそれぞれが産卵します。つまり、非常に早い速度で繁殖します。

ダニは、日本の環境ですと、どんな家にも生息して、1年を通じて環境中に存在すると言われています。とはいえ、ダニが繁殖する最適温湿度は、24〜26℃、65〜75%ですから、この条件に合わない季節には、減少します。ダニを抗原とするアレルギーの方は、通年性に症状が見られる可能性があります。とはいえ、アレルギー性鼻炎の方の多くは、室内塵つまりダニの排泄物、抜け毛、フケなどが主な原因です。そのため、梅雨の前後と秋雨の前後に悪化するという季節変動が認められます。もし、年間を通じて強く、かつ季節変動変がなく症状が認められたら鼻過敏症あるいは慢性鼻炎などを鑑別する必要があります(若干、症状は異なります)。


2024年07月11日-3 花粉情報

7月、日々の天気(気象庁:東京)

月日 降雨量(mm) 平均気温 日照時間 天気概況
1日 12.5 26.3 0.1 雨一時曇り〜雨
2日 0.0 27.3 2.2 曇り一時雨
3日 0.0 27.7 7.2 曇り時々晴れのち曇り
4日 29.3 9.1 晴れ一時曇り
5日 30.2 13.2 晴れ一時曇り
6日 36.0 28.1 7.5 曇り〜大雨〜曇り時々晴れ
7日 28.9 9.9 曇り〜晴れ
8日 30.9 11.3 晴れ時々薄曇り
9日 0.0 30.1 6.4 曇りー晴れ時毒雨
10日 0.0 29.5 4.3 曇り一時雨

   8日は、一時曇りましたが、ほぼ晴れ、気温が上昇しました。今年最高の30.9℃を記録しました。熱中症の方が多数出たようですが、今後もご注意ください。


2024年07月11日-2 花粉情報

夏に注目すべき点があります。 すなわち、

梅雨から夏になると、鼻の調子がよくなることを経験した方が少なくないと思います。実はこれは鼻内の湿度が関わります。少し古くなりますが、このことを実験的に確かめた研究があります(鼻閉と鼻腔内湿度に関する 実験的研究 ―乾燥空気負荷による鼻腔抵抗の変化を中心に― :山口 猛:耳鼻咽喉科展望38: 1;21〜34,1995 )。この研究では

「鼻閉及び鼻閉感の原因を追求する目的で、諸条件の許に乾燥空気を鼻腔内に与えることにより、鼻腔内湿度変化に伴う鼻腔抵抗値の変化から双方の関与を検索し、また,高齢者における鼻腔機能を青壮年者と比較検討し、加えて高齢者における鼻閉感と鼻腔内乾燥との関連をも併せて検討した。」とあり、以下の結果を得ています。

(1)青壮年群における鼻内の乾燥化は、鼻腔内湿度の低下・鼻腔抵抗値の増大・粘液繊毛機能の低下を惹起し、自覚的には鼻閉感を生じさせる。その原因と推察できるものとして、粘膜表面の摩擦抵抗の増大あるいは乱流の発生を推定した。

(2)高齢者においては、青壮年群と比較し、鼻腔内湿度の低下・鼻腔抵抗値の減少が確認された。また鼻腔内湿度が増加すると抵抗値が減少することを認め、同時に鼻閉感といった症状の改善が認められた。

(3)高齢者における加湿後の鼻腔抵抗値の減少の要因として、粘膜表面の摩擦抵抗の減少および乱流発生の抑制などが推察された。

(4)鼻腔形態不良を伴わない高齢者の鼻、鼻閉感の治療にあたっては、鼻粘膜の乾燥を是正することが有用と認められた。


2024年07月11日-1 花粉情報

風媒花の主なものを挙げますと、以下のょうになります。

裸子植物門

・球果植物門―ソテツ類

          イチョウ類―イチョウ目:イチョウ

グネツム類

マツ類―マツ目

アカマツ、クロマツ

ヒノキ類―ヒノキ目

ナンヨウスギモク、ネズ、コウヤマキ

被子植物門

・真正双子葉類

・コア真正双子葉類―ムクロジ目ーミカン科:ミカン

―ナデシコ目―ナデシコ科:ナデシコ

―マメ目―マメ科―アカシア

―ヒユ科:テンサイ

―タデ科:ヒメスイバ、ギシギシ

・バラ類―アブラナ目―アブラナ科:アブラナ、イエローサルタン

バラ目―バラ科:ナシ、ウメ、イチゴ、バラ

サクラ属:サクランボ

ブドウ目―ブドウ科:ブドウ

・マメ群

・キントラノオ目

・ヤナギ科:ヤナギ、ドロノキ、ポプラ

・バラ目

・イラクサ科:イラクサ、カナムグラカラムシ

・ニレ科:ケヤキ

・バラ科:モモ、バラ、ブドウ

・サクラ亜科:サクラ、リンゴ

・ブナ目

・ブナ科:ブナ、カシ、ナラ、クヌギ、クリ

・ヤマモモ科:ヤマモモ、ヤチヤナギ

・クルミ科:オニグルミ、サワグルミ

・カバノキ科:シラカンバヤシャブシオオバヤシャブシハンノキ、ミズメ、イヌシデ、アカシデ、ハシバミ

・ナス目―ナス科:ピーマン

キク類

・asteridⅠ

・リンドウ目―キョウチクトウ科:キョウチクトウ

・アカネ科

・asteridⅡ

・キク目

・キク科:ヨモギブタクサキクハルジオン除虫菊タンポポ、セイタカアキノキリンソウ

        アフリカキンセンカ、オナモミ

・ツバキ目―ツバキ科:ツバキ

単子葉植物

 ・ユリ目―イヌサフラン科:グロリオサ

・タコノキ目―タコノキ科

・ツユクサ類―ヤシ目―ヤシ科

・イネ目

・ガマ科

・イグサ科

・カヤツリグサ科

・イネ科:カモガヤ、イネ、ヒメガマ、イタリアンライグラス、スズメノカタビラ、ケンタッキー31フェスク、スズメノテッポウ

(フリー百科事典「ウィキぺディア」より:太字は報告があるもの)

当地では、これら風媒花花粉の大半をこれまで観測しています