日: 2023年7月29日

2023年7月29日-3 花粉情報

真夏の気候となって花粉の飛散はオフシーズンとなりました。そこで、暫く花粉症以外の鼻の病気に触れていきたいと思います。

篩骨洞(篩骨蜂巣)は、眼(眼窩)の内側、鼻腔の上外側にあります。顔面を前とすると前頭洞より後で下、蝶形洞より前、上顎洞より上で内側にあります。名前の通り、他の副鼻腔とは発生が異なります。篩骨と呼ばれる骨の内部にある腔の一つ、篩骨の外側部は薄い骨板で複雑に仕切られていて、迷路となっています。その内部の空洞を篩骨洞と呼びます。前、後、中の3部屋に分かれ、前部と中部は中鼻道へ、後部は上鼻道へ開口し、鼻腔と交通しています。他の副鼻腔と異なり交通路が複数あって、構造が複雑なことが影響して、副鼻腔炎が起こりやすく、起こると治りにくく、慢性化する特徴があります。

両頬の内側には上顎洞と言う空洞があります。上顎洞と鼻腔の交通路である自然孔は比較的大きいのですが、立位の時に最上部に位置しますので上顎洞内の膿や分泌物が排出しにくい構造をしています。また、上顎の歯(主に大臼歯)の根(歯根)が洞内に突出している方が多く、歯の病気例えば虫歯から副鼻腔炎を起こすことが少なくありません。つまり、慢性化しやすいと言えます。また、呼吸は両側の鼻腔で行いますので、起炎菌は両側から吸入されるので副鼻腔炎は通常は両側に起こりやすいのですが、歯が原因の場合(歯性上顎洞炎)は、主として片側に起こります。片側だけ濃い鼻汁が出る、あるいは上顎や頬が痛む時があれば、耳鼻科医にご相談ください。


2023年7月29日-2 花粉情報

7月後半から8月前半の総日照時間と翌年のスギ花粉飛散数は相関があると言われています。昨年の7月後半は猛暑で始まりました。今年も本日は猛暑でした。16日から気象庁過去の気象データから東京都東京の日照時間の観測値を抜粋して、日々加算した数値を本HPで報告致します。

(28日は12.4時間でしたので、28日までの日照時間の総計は131.2時間でした。)

昨年の7月16日から28日までの日照時間の総計は74.7時間でした。今年は27日まで日照期間が昨年の1.6倍長い結果でした。今年は日照時間がながく、かつ記録的猛暑が続いています。来年のスギ花粉飛散数にどのように影響するか、興味深いところです。


2023年7月29日-1 花粉情報

7月夏本番の季節になりました。夏は落下花粉数が少ないので、落下法による観察は1週間毎に行い、当地の観測結果は適宜報告いたします。都内の状況は「東京都アレルギー情報navi(東京都福祉保健局):東京都の花粉情報」にてご確認下さい。また、6月以後秋までは室内塵アレルギーのシーズンです。梅雨に入る(6月上旬の予報)と多くの皆様が衣替えを行うと思います。衣替えは転居、大掃除と並んで室内塵アレルギー悪化の契機となりますので、行う場合は室内塵に対する吸入防止対策を十分に施して下さい。