2025年05月24日(土)-4 花粉情報

ハウスダスト(室内塵)の影響:ハウスダストはアレルギー性疾患、電気製品の故障、電気プラグ接続部からの火災(トラッキング火災)などの原因となります。

 

ハウスダストはアレルギー性疾患を引き起こす抗原(アレルゲン)として知られており、その多くは動物性の物質(ダニなど)ですか、植物性の物質(花粉症の原因となる花粉など)やプラスチック製品から削り取られた微量な物質(またそれらに付着した化学物質)もアレルギー性疾患の誘引になっていると指摘されてもいます。通年性のアレルギー性鼻炎気管支喘息アトピー性皮膚炎などのアレルゲンとして主なものです。

ハウスダストのアレルギー検査・診断

上記のようにハウスダストは複数のアレルゲンが混合したものです。そのため、その検査に陽性だった場合、さらにいくつかのアレルゲンによる検査をし、ハウスダストのうちの何にアレルギー反応を起こすのかを特定し、セルフケアとしてその抗原に対処することが望まれます。

しかし、実際のアレルギー検査の際には複数のアレルゲンを同時に検査することが多いため、その際にハウスダストとダニの項目が同時に陽性になっていれば、それはほぼダニに対するアレルギーがあると考えてよいのですが、ハウスダストに反応するがダニには反応しない場合、このようなケースは、決して多くないのですが、さらに詳細なアレルゲン検索を行う必要が生じます。

なお、アレルギー検査の項目として示されるものにハウスダスト1とハウスダスト2などのように数字がふられている場合がありますが、これはアレルゲン抽出物の製造元の違いによるもので、含まれるアレルゲンの種類と量がやや異なります。

治療は、抗原回避(これは、すべての患者様に必要です)、抗アレルギー薬、ステロイドホルモン剤、血管収縮剤などの薬物療法(残念ながら根治に至る薬剤は、現時点で存在しません)、手術(手術によりアレルギーがなおることはありませんが、鼻汁の過多や鼻づまりを解消することは可能です。手術の効果は、永久に続く訳ではありませんので、主治医と納得いくまで、ご相談下さい。)、免疫療法(皮下減感作、舌下減感作)は、唯一臨床的根治の望める治療です。ただし、診断が正しくなされていることが必要条件です。また、治療には、数年の通院加療が必要です。この治療を選択した場合も、担当医からの説明は必須です。