2025年4月28日(月)-3 花粉情報

ギ、ヒノキ花粉の飛散は、終わりを告げようとしています。しかし、気温の上昇とともに、他の数々の花粉が検出されます。検出される花粉の中には、花粉症のみならず、口腔アレルギー症候群を引き起こす花粉も含まれます。

口腔アレルギー症候群(PFAS)とは、以下のような疾病です。

口腔アレルギー症候群の代表的な抗原として、ここでは、シラカンバ/カバノキ科花粉の主要抗原であるBet v 1を紹介します。Bet v 1は、分子量が17 kDaで、その一次構造の相同性や生理活性(リボヌクレアーゼ活性)から感染特異的蛋白質(植物が病原体に感染した際に、植物体内で生成されるタンパク質の総称;Pathogenesis-related protein、PR protein)-10ファミリーに属します。このグループにはMal d 1(りんご)、Pra a 1(さくらんぼ)、Pyr c 1(洋ナシ)、Api g 1(セロリ)、Dau c 1(人参)、Gly m 4(大豆、主に豆乳)が属し、Bet v 1 に反応するIgE が果実由来のPR-10 蛋白にも反応するため、シラカンバ/カバノキ科花粉症の患者さんは、これらの果物や野菜を摂取すると口腔内過敏反応などが誘発されます。野菜や果物に含まれる蛋白質は多くの場合、加熱処理や酵素処理などにより消化されるため、PFASの症状は口腔内に限局することになります。

続きは、来週掲載します。