2025年3月26日(火)-7 花粉情報

さて、ここまでのお話から、一地域の飛散花粉数のみでは、我々医師は局地のことしか判断できません。患者様の行動範囲は思いの外広く、行き先も千差万別です。これらを全てカバーするには地点毎の情報では、不足です。広範な計測結果を、天気図の様な方法で、作ることは出来ないものか、と思いあぐねています。そこで、日本における観測地点について、大まかですが、調べました。一応、これでほぼ網羅したと考えられる地方別の結果です。

近畿地方(落下法19ヶ所:ポーレンロボ64ヶ所、計83ヶ所)

地点 飛散開始日 地点 飛散開始日
65.三重県桑名市 2/26 24同近江八幡 po
65同津市 2/16 24同堅田 po
65同名張市 2/26 24同大津 po
65同松阪市 2/13 24同甲賀 po
65同御浜市 2/13 68和歌山県田辺市 2/16
65同四日市市 po 68同橋本 po
65同鈴鹿市 po 68同和歌山 po
65同伊賀市 po 68同有田 po
65同津市 po 68同御坊 po
65同名張市 po 68同田辺 po
65同伊勢市 po 68同中辺路 po
65同鳥羽市 po 68同白浜 po
65同志摩市 po 68同新宮 po
65同尾鷲市 po 68同串本 po
65同熊野市 po 69大坂府茨城市 2/26
66奈良県奈良市 po 69同泉佐野市 2/26
66同大和高田 po 69同藤井寺市 3/2
66同橿原市 po 69同高槻市 3/3
66同桜井市 po 69同枚方市 2/26
66同五條 po 69同守口市 2/28
66同吉野 po 69同寝屋川市 2/26
66同大台ヶ原 po 69同能瀬 po
66同十津川 po 69同豊中 po
67京都府宮津 po 69同牧方 po
67同舞鶴 po 69同大阪 po
67同福知山 po 69同東大阪 po
67同和知 po 69同堺 po
67同亀山 po 69同岸和田 po
67同京都 po 69同河内長野 po
67同八幡 po 69同阪南 po
67同宇治 po 38兵庫県宝塚市 2/16
67同城陽 po 38同龍野 2/15
24滋賀県大津市 3/1 38同豊岡  2/14
24同余呉 po 38同洲本 2/13
24同高島 po 38同加古川 2/15
24同長浜 po 38同神戸市須磨区 3/1
24同米原 po 38同城崎 po
24同彦根 po 38同豊岡 po

 

地点 飛散開始日 地点 飛散開始日
38同朝來 po 38同神戸 po
38同丹波 po 38同尼崎 po
38同宝塚 po 38同北淡 po
38同姫路 po 38同南淡 po
38同明石 po    
       
       
       

 

65三重県花粉情報                        65,66.67,24.68.69.38

24滋賀医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座

68坂口耳鼻咽喉科医院:田辺市医師会

69大阪府茨木保健所

69大阪府泉佐野保健所

69大阪府藤井寺保健所

69-1大阪医科大学

69-2市立ひらかた病院

69-3守口敬仁会病院

69-4小松病院 1〜4スギ・ヒノキ花粉情報

38兵庫県立健康科学研究所・各健康福祉事務所

38稲守耳鼻咽喉科医院(神戸市須磨区)

 

近畿地方では、ネットで簡単に調べただけで、83ヶ所もの測定地点があることがわかりました。これらの情報を合わせて分析すれば、花粉の流れが分析でき、治療に新たな展開が開けるように思われます。花粉観測は花粉症の診療において、担当医師の医療行為の基礎であり、観測値を見れば患者の皆さんの症状をある程度計ることもできます。また、花粉症治療に用いられる薬剤を重複して用いなくともよくなります。つまり、花粉症治療の根幹です。これが実現しますと大幅な医療費削減につながります。私が大まかに計算したところ、削減額は数十億円にのぼります。さて、これだけ多くの方が関わっているのに、またこれほど医療に役立つのに、これほど医療費の削減ができるのに、つまり飛散花粉の観測は、花粉症治療上の根本あるいは治療の命脈とも考えられます。花粉観測に対して、なぜ医療保険の適応はできないのでしょうか?これまで誰もこの点を主張なかったのでしょうか?今後、多くの医師が関わらないといけないのでしょうか?花粉観測は、医師でなくとも、検査技師、看護師あるいは事務担当の方でも、少し訓練と講義を受ければ、どなたにもできると思います。ただし、担当者が安心して仕事ができるように、身分と収入の保証が必要と考えます。現状を見ますと、これらのことは今後の花粉症医療において、急務と考えられます。花粉情報協会さんには、こうした技術者の養成プログラム作成と講習会を開催することを強く求めたいと思います。

この調査は、まだ終わっていません。判明次第加筆します。