2025年01月13日-2 花粉情報
花粉症は文字通り、花粉が原因(抗原)のアレルギーによる疾患です。花粉が人体のアレルギー反応の場に到達(侵入)するところから始まります。反応の場は、主に気道粘膜です。経鼻(吸気とともに吸入)、経口(呼吸、食事など)、経皮(花粉症では起こりにくい)などの経路で侵入し、花粉が侵入すると、アレルギー体質(遺伝的に素因のある人)の人は、原因となる花粉と特異的に反応して抗体を産生、その抗体と再び侵入した花粉(抗原)が、反応(抗原抗体反応)する所からスタートします。その後は、免疫能、呼吸機能、粘膜機能、さらには気道の形態などにおける複雑な反応の結果、アレルギー症状が発現します。以上の反応が人が起こったり、起らなかったりするのは、遺伝体質の他に、大気などの環境が関わりますので、大きな個人差があります。また、反応の結果現れるアレルギー症状は、関わる花粉ごと、また吸入される量(花粉数)に左右されます。花粉症はこのような起こり方をしますので、「抗原となる花粉が大気中にどのくらい存在するか?」は、治療の成否を決定づけるほど重要です。にも関わらず、本邦において花粉観測が十分になされているかというと、十分とは言い難く、単独で診断を決定づける診断法があるかというと、無いと言わざるを得ず、そおのため完治は可能かというと、免疫療法ならば臨床的治癒が望み得るというのが、限界です。医療現場では、花粉の飛散状況をリアルタイムに知ることは、極めて大事なことと、考えます。しかしながら、花粉の観測、鑑別は必ずしも容易ではありません。実際に臨床の場で、花粉症治療に携わる医療関係者に、飛散情報が十分届いているかというと、不十分と言わざるを得ません。
当院の花粉情報は、このような考えから発しています。是非、参考にして下さい。