日: 2025年5月28日

2025年05月28日(水)-9 花粉情報

観測日

 

 

 

 

 

5/1 0.0 0.0 0.6 1.8 0.3 1.2 0.0 0.6 0.9 0.9 4.8 11.1
2 0.0 0.0 0.0 0.9 0.0 0.3 0.3 0.3 0.0 0.3 0.3 2.4
3 0.0 0.0 0.0 5.2 0.0 2.8 0.0 3.1 0.9 0.0 9.3 27.8
4 0.0 0.6 1.2 17.0 0.3 4.9 0.0 0.6 2.8 1.5 13.9 43.1
5 0.0 0.0 1.5 16.3 1.5 2.2 0.0 1.9 0.0 3.4 15.2 42.0
6 0.0 0.0 0.0 0.9 0.0 3.4 0.3 0.0 0.3 0.0 1.9 7.1
7 0.0 0.0 2.1 3.9 0.0 2.8 0.0 1.9 0.0 4.0 14.7 20.1
8 0.0 0.0 1.8 2.4 1.2 4.3 0.3 3.7 0.0 4.3 11.9 29.9
9 0.0 0.0 0.6 7.7 0.0 0.6 0.0 0.0 0.0 1.2 1.5 14.2
10 0.0 0.0 0.6 3.7 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.6 2.5 7.4
11 0.0 0.3 0.6 16.4 1.5 6.2 4.3 0.0 0.0 2.2 31.2 58.3
12 0.0 0.0 0.0 2.8 0.0 2.2 0.3 0.0 0.3 0.0 3.3 10.8
13 0.3 0.0 0.0 0.3 0.9 0.3 0.0 0.0 0.0 3.1 7.4
14 0.0 0.0 0.0 7.1 1.5 8.3 1.5 0.0 0.0 0.0 6.2 26.5
15 0.0 0.0 0.3 1.5 0.3 0.6 0.3 0.0 0.0 0.6 0.9 7.4
16 0.0 0.0 0.6 4.3 0.6 13.9 0.9 0.0 0.3 0.0 1.2 25.9
17 0.0 0.0 0.0 0.9 0.3 0.0 0.0 0.0 0.0 0.3 0.3 3.1
18 0.0 0.0 0.0 0.9 0.0 1.2 0.0 0.0 0.0 0.0 3.8 6.2
19 0.0 0.3 0.0 3.7 0.9 9.0 0.0 0.0 0.6 0.0 2.8 17.6
20 0.0 0.0 0.6 4.6 0.3 9.6 0.0 0.0 0.0 0.0 6.8 23.5
21 0.0 0.0 0.0 10.5 0.9 37.3 1.2 0.0 0.3 0.0 5.5 55.7
22 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 1.9 0.0 0.0 0.0 0.0 0.3 2.5
23 0.0 0.0 0.0 1.2 0.6 4.3 0.6 0.0 0.0 0.0 0.3 9.9
24 0.0 0.0 0.0 0.9 0.3 0.9 0.0 0.0 0.0 0.0 0.9 3.4
25 0.0 0.0 0.0 0.3 0.0 0.3 0.0 0.0 0.0 0.0 0.6 1.2
26 0.0 0.0 0 0.3 2.8 15.7 0.3 0.3 0.0 0.0 9.9 29.9
27 0.0 0.0 0.3 0.0 0.6 0.0 0.0 0.0 0.0 0.3 1.2
28 0.0 0.0 0 0.0 0.3 0.6 0.0 0.0 0.0 0.0 2.8 3.7
0.3 1.2  10.5 119.0 13.9 136.0 10.6 12.4 6.4 19.3 159.2 443.6

2025年05月28日(水)-8 花粉情報

令和7年5月の当地の気象データ(気象庁過去の気象データ検索より)

日付 天気 雨量 平均

気温

最高

気温

日照

時間

風向
5月1日 晴〜曇〜雨 18.2 23.8 10.7 南南東
2日 曇〜雨 50.5 16.2 18.7 0.0 北西〜南
3日 18.2 24.6 12.2 北西〜北
4日 晴〜曇 0.0 18.5 25.9 8.1 東北東〜東
5日 17.7 23.9 9.9 南南東
6日 雨〜曇 24.5 14.8 18.1 0.0 南〜南南東
7日 曇〜晴一時雨〜曇 3.5 17.9 23.0 9.9 北西
8日 曇〜晴 18.0 22.7 11.1 南南東〜南東
9日 曇〜雨 3.0 18.1 23.2 1.1
10日 雨〜曇 14.0 18.8 21.9 0.2 南南西〜南南東
11日 雨〜曇〜晴 1.0 20.5 26.7 7.9 南南東〜北西
12日 雨〜曇 6.5 16.8 20.3 0.0 北北東〜南西
13日 曇〜晴 19.8 25.6 11.2 南南東〜南
14日 晴〜曇〜晴 20.6 26.3 8.6 南南東〜南東
15日 晴〜曇 21.1 26.8 8.1 南〜南南東
16日 晴〜曇 0.0 21.4 25.4 3.1 南〜南南東
17日 雨〜曇 28.0 21.3 24.1 0.0 南南東
18日 24.2 27.1 2.1 南南西
19日 曇一時小雨 0.0 19.2 22.8 0.0 東北東
20日 曇〜晴 23.9 31.1 12.0 南南西〜南西
21日 晴〜薄曇〜雨 24.7 29.7 9.1 南〜南南西
22日 晴〜曇〜雨 0.0 23.0 27.9 4.1 南〜南南西
23日 曇一時晴 0.0 18.9 23.6 2.5 北北東〜南東
24日 曇〜雨 6.5 17.7 20.9 0.0 北東〜北
25日 雨〜晴 22.0 17.7 20.8 0.2 北北東〜北東
26日 0.0 19.1 22.7 0.7 南南東〜北北西
27日 17.9 20.3 0.0 東北東
28日 小雨〜曇〜晴          

 


2025年05月28日(水)-7 花粉情報

梅雨から夏の落下花粉総数(第3週:5月19〜5日) 測定地:品川区西五反田

  令和2年 令和3年 令和4年 令和5年 令和6年 令和7年
5月2週 291.4 224.6 201.2 148.7 179.3 222.1
3週 92.5 50.6 118.6 189.3 95.3 87.3
4週 152.7 180.2 132.5 126.4 113.0 113.8
6月1週 74.0 46.2 65.7 51.2 29.7  
2週 57.1 39.2 11.1 18.5 16.6  
3週 16.6 9.2 13.0 0.3 8.0  
4週 3.7 9.3 9.3 8.5 13.3  
5週 5.3 1.5 12.7 8.6 11.7  
7月1週 2.8 3.7 5.2 5.2 5.8  
2週 0.9 2.1 0.9 1.9 4.0  
3週 0.9 4.9 1.5 4.3 1.2  
4週 1.5 4.3 0.6 0.9 2.8  
5週 1.5 0.9 1.5 2.1 3.4  

毎年、5月は様々な花粉が観測されます。花粉は風が運んできますが、5月の風は、南寄りの風の日が多く、南風は当地では、海からの風ですので、落下花粉の観測数は、少ないことになります。6月になりますと、当地の落下花粉数はさらに減少傾向が認められ、毎年6月3週頃から落下花粉数は大幅に減少します。

 


2025年05月28日(水)-6 花粉情報

さて、花粉は、今後どうなるでしょうか?

過去3年間の5月の観測結果(測定地:品川区西五反田)

  令和6年5月 令和5年5月 令和4年5月
スギ 1.5 1.5 2.4
ヒノキ 6.4 7.2 1.2
カバノキ科(ハンノキ、シラカンバオオバヤシャ)                2.4 64.6 12.6
ブナ科(コナラ、クヌギ、クリ、シラカシ他) 188.4 191.3 228.8
イネ科(イネ、カモガヤ、ガマ、ヒメガマ) 10.3 38.4 23.8
マツ型(アカマツ、クロマツ、トウヒ、ヒマラヤスギ) 142.5 269.0 224.8
ニレ科(ケヤキ) 7.7 0.0 53.0
イチョウ科(イチョウ) 0.0 22.5 5.4
クルミ科(テウチグルミ、オニグルミ) 0.0 0.0 0.6
バラ科(ソメイヨシノ) 0.0 3.7 19.4
マメ科(ギンヨウアカシア) 0.0 0.0 0.0
マンサク科(マンサク) 44.3 0.0 0.6
エゴノキ科(エゴノキ) 5.4 0.0 0.0
ミズキ科(ミズキ) 25.0
その他 145.9 238.4 142.0
570.0 836.6 714.6

5月の花粉の観測数です。マツ科、ブナ科の花粉が多く観測されました。両者とも、花粉症の原因になり得るとの報告があります。


2025年05月28日(水)-5 花粉情報

過日、ある雑誌に、「最近、花粉情報が盛んに出されているが、計測されて流される情報(飛散数)と患者の皆さんの訴えが、相関していないので、花粉情報は役に立たない」との指摘が目につきました。

患者の皆様の症状は、呼吸器に吸入される花粉の量により強さが決まります。花粉が患者様に吸入されて、はじめて花粉症が成立します。花粉は大半が屋外に存在します。患者の皆様の行動によって吸入量が異なるのは当然です。花粉情報は、外出を予定しておられる方が、外出中に花粉の吸入を少しでも防止するため、あるいは花粉が屋内へ侵入するのを防止するために提供しています。また、担当医が患者様に薬を処方する際の目安となる様に、可能な限り早く提供しています。言い換えるならば、花粉情報なしでは、処方薬の選択すら出来ないということになります。


2025年05月28日(水)-4 花粉情報

環境省花粉観測システム(愛称:はなこさんについて

環境省はリアルタイムで飛散花粉の量を把握できる花粉自動計測器を 2003 年から 6 年かけて都道府県すべてに設置し、HP でスギ・ヒノキ花粉の時期のみですが、リアルタイムの花粉情報を設置後順次開始した。そして、平成14年度より花粉の飛散データを自動的に収集し表示する「環境省花粉観測システム(愛称:はなこさん)」の運用を開始し、全国(沖縄県を除く)における花粉の飛散状況の情報提供を行ってきました。

環境省が採用した自動計測器 KH-3000 は、レーザー光学手法を用いたパー ティクルカウンターを応用したものであるが、花粉のみを識別できるように藤田敏男(株式会社大和製作所)が開発した。佐橋 紀男らは最初の KH-3000 の開発に関して 1997 年に日本花粉学会で発表した。その後多くの研究者と性能評価を行い、性能を向上させていった(佐橋・藤田 2003)。

花粉自動計測器を全国120地点に配置し、花粉の飛散シーズンである2月から5月にかけてHPにてリアルタイムで観測した花粉の飛散状況について、毎年、情報提供してきました。しかし、
『令和3年は、2月1日(月)から5月31日(月)までウェブページ(https://kafun.env.go.jp/)にて花粉飛散の情報提供をしてきましたが、今般、これを最後に「環境省花粉観測システム(愛称:はなこさん)」事業を廃止し、花粉自動計測器を用いた花粉観測を終了します。』との発表があり、現在はなくなりました。

はなこさんには、想像以上(年数百万件)のアクセスがあり、花粉症の方々が頼りにして、利用していたかが伺われます。以上、述べましたように、全国的な情報は今後絶対に必要ですし、出現することを医療現場からねがっています。


2025年05月28日(水)-3 花粉情報

情報はどのように伝えられているか

   もっとも花粉飛散情報を必要としているのは、その花粉が抗原の花粉症の方であることに、異論はないと思います。

   このことは、アレルギー診療に携わる全ての医療関係者が、理解していると考えます。そのため、少しでも多くの医療関

係者や患者様がおられる医療現場に知らせる必要があります。

そのため本邦では、以下のようなシステムができています。

 

  1. 組織的な情報源

東京都の花粉情報システム:東京都は都衛生局内に設置された「花粉 症対策検討委員会」で疫学調査(患者実態調査)を1983 年から1987年にかけて行った。一方、1984 年から都内保健所 6 カ所で花粉の調査をダーラム型(重力法)で開始し、多摩地区ではスギの雄花の観察を開始した。さらに、1986 年から翌年の花粉飛散数と飛散開 始日の予測を始め、1987年から都民にスギ花粉情報の提供を開始した(東京都衛生局編 1989)。 関東甲信越スギ花粉情報ネットワークとして気象協会が自治体、大学、森林総研、都衛生局、国立病院(相模原病院)などの測定データをまとめて、情報源施設ならびに報道機関(TV、ラジオ、新聞)に、通報されている。

福岡&九州各県花粉情報システム:九州で最初に花粉情報システムを構築したのは福岡市である(長野ら 1987)。 花粉情報が流されたのは 1988 年からである。その後 も国療南福岡病院が中心となり 1990 年には九州全体の 九州花粉速報システムを構築している。 福岡県19ヶ所期優秀各地23ヶ所の測定データを国立療養所南福岡病院に通知、気象協会からの気象情報および花粉症患者受診状況を加味して情報を福岡県医師会の福岡県メディカルセンターを経由してマスコミ、医師会等に伝えられる。

京都府の花粉情報システム:我が国で最初に花粉情報をマスコミを通して発信したのは、1986 年の京都のケースである(水越ら 1987)。このシステムは京都府立医科大学耳鼻咽喉科および関連病院での花粉測定を1982 年から開始。スギ花粉情報センター(済生会京都府病院耳鼻咽喉科)は関連病院から花粉観測数と患者情報を入手し、これをまとめて京都府立医大の耳鼻咽喉科に送り、ここで翌日の花粉数や患者情報を作成し、これらをスギ花粉情報センターにフィードバックして、京都新聞に速報値が送られ、翌日の朝刊紙にスギ花粉情報として掲載された。

近畿地方における花粉情報システム:気象協会関西本部内に近畿花粉情報センターをおき、近畿花粉症研究会(各地花粉観測期間)、製薬会社、報道が協力してシステムを構成している。

山形県の花粉情報システム:山形県の花粉情報の草分けは山形市にある県衛生研究所で、1983 年から山形市で花粉飛散調査を開始し、 1987 年には日本気象協会へ調査結果の提供を開始し た。さらに 1991 年には県内 4 地点の調査結果を日本 気象協会へ情報提供し、1998 年には県医師会 HP に花 粉情報を公開(1 週間ごと更新)した。次いで2003 年に県衛生研究所の HP に花粉情報を公開した。 高橋裕一専門研究員らが従来の古典的なダーラム型捕集器を使っ た重力法以外に、欧米では普及しているバーカード型捕集器を使った体積法による調査を開始し、テープ上に経 時的に捕集された花粉を顕微鏡下で数えるのではなく、 酵素免疫学的な方法(イムノブロット法)により花粉を肉眼で視覚化できる方法を開発した(高橋ら、1990)。 このことから、いち早く 2003 年から同研究所 HP に花粉情報に合わせて、わが国で初めてアレルゲン(Cry j 1) の飛散量をグラフで掲載している。

これらのシステムは、1995年当時既にできていました(スギ花粉のすべて:(株)メディカルジャーナル社)。そして高度化が計られ(我が国における花粉情報の高度化:佐橋 紀男:森林化学73 2015.2 P6〜)ました。

現在は、都道府県各自に、こうしたシウテムが構築されて情報が出されています。この全国版があると、旅行者や出張を頻繁にする職業の方に大いに役立つと思っています。


2025年05月28日(水)-2 花粉情報

落下花粉測定の意義と利用法

意義:私共臨床現場の医師は、医療機関に来院下さった患者様を、少しでもはやく、効率良く治癒に導き、その結果診療経費が安価で患者の皆様の経済的負担を少しでも少なくすることを、医療の到達点と考えています。落下花粉の測定は、花粉症の方が、原因となる花粉の吸入防止に欠かせない情報であり、診療の場では、適切な薬剤の選択に欠かせませんし、治療効果を判断する上で、効果検証の証となります。

花粉測定は、どの程度行われているか:私が調査した範囲ですが、スギ、ヒノキ花粉の測定は、本邦では、落下法186地点、自動計測492地点、合計678地点において、落下花粉の測定が行われているようです。

  国内の花粉測定地点

地域 落下法 自動計測 合計
北海道 7 37 44
東北 28 64 92
関東 20 80 100
東海 21 41 62
北陸・中部 22 56 78
近畿 19 64 83
中国 26 47 73
四国 3 37 40
九州 40 66 106
沖縄県      
合計 186 492 678

 

花粉症はスギ、ヒノキ花粉が有名ですが、幸い沖縄にはありません。 しかし沖縄にも花粉症はあるようで2~3月に飛散するリュウキュウマツ、5~8月に飛散するイネ科の花粉、4~6月に飛散するモクマオウ科などがあるようです。スギ、ヒノキ花粉の観測データは、入手できませんでした。

 


2025年05月28日(水)-1 花粉情報

6月の花粉飛散状況

6月の観測花粉数

観測期間 スギ ヒノキ イネ科 ブナ科 カバノキ科 ニレ科 マツ型 その他 総計
令和6年 1.2 0.6 2.1 5.2 0.6 0.3 12.0 35.1 56.7
令和5年 1.2 0.3 7.7 14.8 1.8 8.0 28.7 16.1 87.2
令和4年 0.9 0.3 11.4 16.3 0.6 5.8 41.6 41.1 112.7
令和3年 0.9 0.0 8.2 11.0 4.9 2.4 31.5 40.4 104.5
令和2年 5.2 0.3 2.1 156.7 164.3

○令和5年:5/29〜7/2

○令和4年:5/30〜7/3(ニレ科にハリケヤキ含まず)

○令和3年:5/31〜7/4((ニレ科にハリケヤキ含まず)

○令和2年:5/31〜7/4(スギ、ヒノキ、イネ科以外はその他に含む)

令和2年からの計測では、6月は、マツ型およびブナ科の花粉以外は、ほとんど飛散していませんが、花粉症様症状を訴えて来院される患者様が、少数ですがおられます。