日: 2025年4月20日

2025年4月20日(日)-5 花粉情報

兼子 順男先生から保谷市(東伏見)の観測データをいただきました。

 

令和7年4月スギ・ヒノキ花粉

4月合計     43.2 143.1
3月合計     4774.6 752.0
2月合計     330.7 0
2・3・4月合計     5148.5 895.1

保谷市は、スギ、ヒノキ共、減少する傾向が見られます。当地と傾向がほぼ一致しています。東京湾上空に集まり、海風に乗って再び、都心に向かうようです。このことは、平成9年から11年に行われた「スギ花粉症克服に向けた総合研究」において、指摘されています。保谷市は、群馬、埼玉から飛来するスギ花粉の流路です。保谷市を、通過後多摩を横断、以後多摩川に沿って流されると言われており、当地の今後を見極めるのに、役立ちます。


2025年4月20日(日)-4 花粉情報

スギ、ヒノキ花粉の飛散は、終わりを告げようとしています。しかし、気温の上昇とともに、数々の花粉が検出されます。検出される花粉の中には、花粉症のみならず、口腔アレルギー症候群を引き起こす花粉も含まれます。

口腔アレルギー症候群とは、以下のような疾病です。

近年、アレルギー診療において遭遇する果物や野菜による食物アレルギーでは、一人の患者さんが多種類の果実や野菜により症状が誘発されていることが少なくありません。このような果実アレルギーは花粉抗原と野菜や果物に含まれる抗原の交差抗原性に基づいており、まず花粉抗原により感作が成立し、その後、それらの抗原に対して交差反応性を示す蛋白質抗原を含む果物や野菜を経口摂取した際に主に口腔粘膜において過敏反応が誘発されます。

私たちは、何らかの食材による口腔内の反応を口腔アレルギー症候群(oral allergy syndromeOAS) ”と呼びますが、OASの概念は1987年 Amlotらにより提唱され、その後、花粉との交差反応性により新鮮な  果物や野菜を摂取した際に生ずるアレルギー反応をpollen-food allergy syndrome(PFAS)と呼ぶようになりました。現在では、カバノキ科花粉(シラカンバ、ハンノキ)はバラ科果物(リンゴ、モモ、サクランボなど)やマメ科、イネ科花粉(オオアワガエリ、カモガヤ)はウリ科果物(メロン、スイカなど)、キク科花粉(ブタクサ、ヨモギ)はセリ科野菜など、花粉と食物との関連性が明らかになっています。マメ科やイネ科の花粉は、これから季節です。ご注意下さい。

また、口腔アレルギー症候群につきましては、今後ご説明をしたいと思います。


2025年4月20日(日)-3 花粉情報

4月の飛散状況

年 度 ス  ギ ヒ ノ キ そ の 他
2011年 577.8 1709.9 5813.4
2012年 146.6 132.3 803
2013年 31.7 257.2 1574.4
2014年 39.8 410.3 1964
2015年 34.1 96.3 1248.7
2016年 73.3 437.6 2185.3
2017年 209.5 262.3 1655
2018年 88.8 1534.4 5242.4
2019年 156.2 880.9 1961.2
2020年 14.4 144.6 1305.3
2021年 52.2 144.1 196.3
2022年 286.8 833.6 1533.8
2023年 99.9 455.8 1853.5
2024年 119.6 537.0 1389.9
2025年

4月スギ花粉の飛散が終盤を迎え、ヒノキ花粉も4月半すぎには、飛散の最盛期が過ぎました。今年の4月上旬は、ヒノキ花粉が思いの外多く観測されました。4月中旬以後は、カバノキ科やブナ科、マンサク科、ミズキ科が比較的多く観測されます。4月後半も症状が続く方は主治医とご相談下さい。


2025年4月20日(日)-2 花粉情報

日本気象協会の当地(品川区)の天気予報によりますと、「1日曇り」との予報でした。昨日は未明から晴れが続き、花粉は終始観測されました。昨日までの観測では大半がスギ、ヒノキ以外の種の花粉でした。とにかく多種多様ですが、今後は、スギ、ヒノキに変わってカバノキ科、ブナ科、マンサク科、ミズキ科などの花粉が多く観察されます。ご注意下さい。


2025年4月20日(日)-1 花粉情報

4月20日(日):19日に観測された花粉

  天気 スギ ヒノキ その他
4月19日(土) 晴れ一時曇り 0.3 7.4 91.4

予報は、「晴れ一時曇り」、日中は予報通り晴れたり曇ったりの天気がきました9日以後雨は一時的に小雨が降るだけで、概ねはれています。そのため、スギ、ヒノキ以外の花粉が、数多く飛散しています。

その他の花粉は、ハンノキ0.6個/cm2、マツ5.2個/cm2、マンサク4.0個/cm2、イヌシデ0.6個/cm2、シラカシ1.9個/cm2、ヤマグア0.6個/cm2、ノグルミ4.0個/cm2、コナラ12.0個/cm2、イヌブナ2.2個/cm2、シモツケ0.6個/cm2、カツラ2.8個/cm2、シロモジ10.8個/cm2、クリ5.9個/cm2、エゴノキ13.9個/cm2、トウダイグサ2.8個/cm2、オノエヤナギ2.5個/cm2、ナンテン0.3個/cm2、ミズキ0.3個/cm2、ツガ0.9個/cm2、イヌシデ3.4個/cm2、エノキ5.9個/cm2、シナノキ1.9/cm2、イチイ0.3/cm2、イネ1.5/cm2、その他(不明)3.4/cm2でした。