2025年4月19日(土)-6 花粉情報
佐橋 紀男先生
長い間、花粉情報をお送り下さいまして、誠にありがとうございました。当地には、千葉方面からの飛来は、少ないようです。今後、データのまとめで、ご多忙と存じます。健康にお気をつけて、頑張って下さい。
佐橋 紀男先生
長い間、花粉情報をお送り下さいまして、誠にありがとうございました。当地には、千葉方面からの飛来は、少ないようです。今後、データのまとめで、ご多忙と存じます。健康にお気をつけて、頑張って下さい。
兼子 順男先生から保谷市(東伏見)の観測データをいただきました。
令和7年4月スギ・ヒノキ花粉
4月合計 | 43.2 | 143.1 | ||
3月合計 | 4774.6 | 752.0 | ||
2月合計 | 330.7 | 0 | ||
2・3・4月合計 | 5148.5 | 895.1 |
保谷市は、スギ、ヒノキ共、減少する傾向が見られます。当地と傾向がほぼ一致しています。東京湾上空に集まり、海風に乗って再び、都心に向かうようです。このことは、平成9年から11年に行われた「スギ花粉症克服に向けた総合研究」において、指摘されています。保谷市は、群馬、埼玉から飛来するスギ花粉の流路です。保谷市を、通過後多摩を横断、以後多摩川に沿って流されると言われており、当地の今後を見極めるのに、役立ちます。
スギ、ヒノキ花粉の飛散は、終わりを告げようとしています。しかし、気温の上昇とともに、数々の花粉が検出されます。検出される花粉の中には、花粉症のみならず、口腔アレルギー症候群を引き起こす花粉も含まれます。
口腔アレルギー症候群とは、以下のような疾病です。
近年、アレルギー診療において遭遇する果物や野菜による食物アレルギーでは、一人の患者さんが多種類の果実や野菜により症状が誘発されていることが少なくありません。このような果実アレルギーは花粉抗原と野菜や果物に含まれる抗原の交差抗原性に基づいており、まず花粉抗原により感作が成立し、その後、それらの抗原に対して交差反応性を示す蛋白質抗原を含む果物や野菜を経口摂取した際に主に口腔粘膜において過敏反応が誘発されます。
私たちは、何らかの食材による口腔内の反応を“口腔アレルギー症候群(oral allergy syndrome;OAS) ”と呼びますが、OASの概念は1987年 Amlotらにより提唱され、その後、花粉との交差反応性により新鮮な 果物や野菜を摂取した際に生ずるアレルギー反応をpollen-food allergy syndrome(PFAS)と呼ぶようになりました。現在では、カバノキ科花粉(シラカンバ、ハンノキ)はバラ科果物(リンゴ、モモ、サクランボなど)やマメ科、イネ科花粉(オオアワガエリ、カモガヤ)はウリ科果物(メロン、スイカなど)、キク科花粉(ブタクサ、ヨモギ)はセリ科野菜など、花粉と食物との関連性が明らかになっています。マメ科やイネ科の花粉は、これから季節です。ご注意下さい。
また、口腔アレルギー症候群につきましては、今後ご説明をしたいと思います。
4月の飛散状況
年 度 | ス ギ | ヒ ノ キ | そ の 他 |
2011年 | 577.8 | 1709.9 | 5813.4 |
2012年 | 146.6 | 132.3 | 803 |
2013年 | 31.7 | 257.2 | 1574.4 |
2014年 | 39.8 | 410.3 | 1964 |
2015年 | 34.1 | 96.3 | 1248.7 |
2016年 | 73.3 | 437.6 | 2185.3 |
2017年 | 209.5 | 262.3 | 1655 |
2018年 | 88.8 | 1534.4 | 5242.4 |
2019年 | 156.2 | 880.9 | 1961.2 |
2020年 | 14.4 | 144.6 | 1305.3 |
2021年 | 52.2 | 144.1 | 196.3 |
2022年 | 286.8 | 833.6 | 1533.8 |
2023年 | 99.9 | 455.8 | 1853.5 |
2024年 | 119.6 | 537.0 | 1389.9 |
2025年 | ? | ? | ? |
4月スギ花粉の飛散が終盤を迎え、ヒノキ花粉も4月半すぎには、飛散の最盛期が過ぎました。今年の4月上旬は、ヒノキ花粉が思いの外多く観測されました。4月中旬以後は、カバノキ科やブナ科、マンサク科、ミズキ科が比較的多く観測されます。4月後半も症状が続く方は主治医とご相談下さい。
日本気象協会の当地(品川区)の天気予報によりますと、「晴一時曇り」との予報でした。昨日は未明から晴れが続き、花粉は終始観測されました。昨日までの観測では大半がスギ、ヒノキ以外の種の花粉でした。とにかく多種多様ですが、今後は、スギ、ヒノキに変わってカバノキ科、ブナ科、マンサク科、ミズキ科などをはじめ多くの花粉が飛来します。ご注意下さい。
18日に観測された花粉
天気 | スギ | ヒノキ | その他 | |
4月18日(金) | 曇り〜晴 | 1.5 | 11.1 | 190.4 |
昨日は、「曇り〜晴れ」、日中は予報通り晴れたり曇ったりの天気が続きましたが概ね晴れでした。
その他の花粉は、ハンノキ3.4個/cm2、オオバヤシャブシ0.3個/cm2、マツ16.4個/cm2、マンサク3.7個/cm2、イヌシデ2.5個/cm2、シラカシ14.5個/cm2、ヤマグア0.6個/cm2、ノグルミ1.5個/cm2、マオウ0.9個/cm2、コメツガ0.6個/cm2、コナラ03.4個/cm2、ヤマモモ4.3個/cm2、ヤマグア10.2個/cm2、ソメイヨシノ2.5個/cm2、イヌブナ4.9個/cm2、シモツケ2.5個/cm2、カツラ1.5個/cm2、フサザクラ21.3個/cm2、シモツケ2.5個/cm2、シロモジ35.5個/cm2、クヌギ1.9個/cm2、クリ15.4個/cm2、シラカンバ12.3個/cm2、ヤマモモ4.3個/cm2、エゴノキ2.2個/cm2、トウヒ4.6個/cm2、ヘラオオバコ0.6個/cm2、ノグルミ1.5個/cm2、ヤブツバキ1.9個/cm2、カラハナソウ4.6個/cm2、ミチヤナギ2.2個/cm2、その他(不明)9.9個/cm2でした。
太字は花粉症の報告があり、花粉症発症の可能性がある花粉です。都心の環境からは、想像出来ない多くの飛散が認められます。今後も、外出の際にはお気をつけ下さい。
発熱や咳などの風邪症状で受診される場合は、ご来院いただく前にお電話(03-3491-2822)でお問い合わせ下さいますようお願い申し上げます。
当院では、東京都内(品川区 五反田)で顕微鏡下で計測した花粉飛散数、および花粉情報など試験的に提供しています。1984年から観測は開始しており、例年2月〜4月のスギ・ヒノキ花粉数を計測しています。
2024年10月9日 インフルエンザワクチンの接種開始しました。ご希望の方は、お電話でのお問い合わせ、あるいは診察時にご相談下さい。
2021年10月29日 予約制を導入しました。ご予約は、窓口または電話03-3491-2822(月〜金曜日の午後2 時から午後7 時)でお願いします。
ご予約を優先とさせていただき、より待ち時間の無い診療を心掛けて感染対策をして参りますので、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。病状に応じて、前後する場合があります。
2024年3月25日 日本経済新聞社に、花粉観測に関して情報提供をさせていただきました。
2024年6月1日 保険医療機関のおける掲示
2020年4月29日 「オンライン診療ついて」まとめました。LINEによる診療を当院再診患者様に対して開始しました。
2018.1.18 東京都花粉症患者実態調査について