日: 2025年4月15日

2025年4月15日(火)-9 花粉情報

○令和07年04月14日(月):遅ればせながら、今回は花粉症の治療に触れておきたいと思います。花粉症は、花粉(含有する蛋白)が原因(抗原)のアレルギーによって起こります。治療の基本は、アレルギー治療です。

○抗原回避:抗原となる物質(室内塵、花粉、食物など)との接触を断つ。

○症状を抑える治療

治療に用いられる薬剤は、多々あります。 とはいえアレルギーの症状があるときに症状を抑えるための治療です。アレルギー性鼻炎の鼻水やくしゃみ、アトピー性皮膚炎の皮膚のかゆみなどに対しては、抗ヒスタミン薬などが使用されますが、根治にいたることは、ありません。

○手術:アレルギーの症状にかかわる粘膜の切除または、神経(ビデイアン神経)を切除。手術も症状軽減に役立ちますが、アレルギー体質まで変えることは出来ません。

○免疫療法:減感作と呼ばれ、原因となる抗原によって免疫をつけることで改善をはかる。臨床的根治が望めます。ただし、原因となる抗原を特定することが、必要条件です。

 

 診断が確定したら、個々にその方に最も適した治療法を選択してお薦めします。

 


2025年4月15日(火)-8 花粉情報

○令和07年04月15日(火)の観測花粉

ヒノキ科 スギ 1.9

20.4

ヒノキ
カバノキ科 ハンノキ

シラカンバ

オオバヤシャブシ

イヌシデ

ミヤマハンノキ

4.9

 

0.9

0.9

 

ブナ科 コナラ

クヌギ

クリ

シラカシ

スタジイ他

 

 

 

5.6

 

イネ科 イネ

カモガヤ

ガマ

 

0.3

0.3

マツ科 アカマツ

クロマツ

トウヒ

ヒマラヤスギ

カラマツ

14.2
ケヤキ(ニレ科)  
イチョウ(イチョウ科)  
クルミ(クルミ科) 3.7
スゲ(カヤツリグサ科)  
ギンヨウアカシア(マメ科)  
ソメイヨシノ(バラ科) 0.9
エゴノキ(エゴノキ科) 2.8
ヤマモモ(ヤマモモ科)    0.6
アカザ(ヒユ科)  
カツラ(カツラ科)  
マンサク(マンサク科) 0.9
シデコブシ(モクレン科)  
エノキ(アサ科) 0.9
ミズキ(ミズキ科)  
ヤマグア(クワ科)  
サツキ(ツツジ科)  
ワスレナグサ(ムラサキ科)  
ヒメカンスゲ(カヤツリグサ科)  
シナノキ(アオイ科) 1.5
ホタルブクロ(キキョウ科)  
ヘラオオバコ(オオバコ科)  
ヤブツバキ(ツバキ科)  
ハイイヌガヤ(イチイ科)  
オノエヤナギ(ヤナギ科) 0.3
タラノキ(ウコギ科)  
ブナ(ブナ科)  
カシワ(ブナ科)  
イヌブナ(ブナ科)  
コメツガ(マツ科)  
トチノキ(ムクロジ科) 3.1
トウダイグサ(トウダイグサ科)  
ヒサカキ(モッコク科)  
シモツケ(バラ科) 5.9
ハイネズ(ヒノキ科)  
ホタルイ(カヤツリグサ科)  
アブラナ(アブラナ科)  
レンギョウ(モクセイ科)  
オノエヤナギ(ヤナギ科)  
スズメノテッポウ(同科)  
マツバギク(ハマミズナ科)  
イチイ  
ヤエムグラ(アカネ科)  
キャラボク(イチイ科)  
テウチグルミ  
コウヤマキ(コウヤマキ科)  
ホトケノザ(シソ科)  
ミチヤナギ  
イヌガヤ 0.3
マオウ 0.6
キャラボク 12.7
アカシデ 0.3
トチノキ 1.2
その他

 

 

 

9.0

 

111.8

 


2025年4月15日(火)-7 花粉情報

4月15日(火):観測された花粉

  天気 スギ ヒノキ その他
4月15日(火) 小雨〜晴〜曇り 1.9 20.4 89.5

未明から小雨、予報は、「小雨のち晴れ」でした。日中は予報通り晴れました。

その他の花粉は、ハンノキ4.9個/cm2、エノキ0.9個/cm2、マツ14.2個/cm2、エゴノキ2.8個/cm2、カモガヤ0.3個/cm2、マンサク0.9個/cm2、シモツケ5.9個/cm2、ブナ1.5個/cm2、イヌシデ0.9個/cm2、シラカシ5.6個/cm2、ヤマモモ0.6個/cm2、トチノキ1.2個/cm2、オオバヤシャブシ0.9個/cm2、ミオノエヤナギ0.3個/cm2、シナノキ1.5個/cm2、ノグルミ3.7個/cm2、イヌガヤ0.3個/m2、マオウ0.6個/cm2、チガヤ16.4個/cm2、キャラボク12.7個/cm2、アカシデ0.3個/cm2、ソメイヨシノ0.9個/cm2、その他(不明)9.0個/cm2でした。

 

 

観測結果(個/cm2/日: 2024年                                                                          

観測期間 スギ ヒノキ その他 自動
4/14 1.9 20.4 89.5 ――
1月計 9.1 0.0 10.6  
2月計 336.1 0.6 14.9  
3月計 3492.4 944.7 341.1  
4月計 114.3 478.5 745.2 ――
1〜4月計 3941.9 1423.8 1111.8  

 12日までのスギ、ヒノキ合計は5343.4個/cm2となります。昨年の84.8%に相当します。もう少しで、飛散終了となりそうです。10日ほど、頑張ってください。


2025年4月15日(火)-6 花粉情報

佐橋 紀男先生からその後の観測データをいただきました。

何と大変お忙しい方なのに、測定地点が5ヶ所に増えていました。

千葉県5地点2025年スギ花粉日飛散データ

                千   葉    県
3月  習志野市 冨里市D 冨里市R 銚子市 旭市 木更津市
合計 3938.8 8517.3 14461.5 2955.9 1983.4 2053.0

千葉県5地点2025年ヒノキ花粉日飛散データ

                  千   葉    県
3月  習志野市 富里市D 冨里市R 銚子市 旭市 木更津市
合計 222.2 2446.6 5143.3 21.2 1.5 0.6
赤字:初観測日
  飛散開始日

2025年4月15日(火)-5 花粉情報

兼子 順男先生から保谷市(東伏見)の観測データをいただきました。

 

令和7年4月スギ・ヒノキ花粉

4   天気 スギ花粉 ヒノキ花粉
1 0.3 0.6
2 1.3  4.0 
3 0.6  2.6 
4 晴  9.6 25.0
5  土 0.3 6.0
6 晴雲 1.6 11.3
7 2.6 4.3
8 7.6 15.0
9 11.6 25.6
10 2.6 14.6
11 曇雨 0.0 3.6
12 1.3 15.6
4月合計     39.4 128.2
3月合計     4774.6 752.0
2月合計     330.7 0
2・3・4月合計     5144.7 880.2

保谷市は、スギ、ヒノキ共、減少する傾向が見られます。当地は、まだヒノキの飛散が盛んです。風向の違いと山間部から飛来する花粉は、東京湾上空に集まり、海風に乗って再び、都心に向かうようです。このことは、平成9年から11年に行われた「スギ花粉症克服に向けた総合研究」において、指摘されています。保谷市は、群馬、埼玉から飛来するスギ花粉の流路です。保谷のデータは、当地の今後を見極めるのに、役立ちます。


2025年4月15日(火)-4 花粉情報

スギ、ヒノキ花粉の飛散は、終わりを告げようとしています。しかし、気温の上昇とともに、数々の花粉が検出されます。検出される花粉の中には、花粉症のみならず、口腔アレルギー症候群を引き起こす花粉も含まれます。

口腔アレルギー症候群とは、以下のような疾病です。

近年、アレルギー診療において遭遇する果物や野菜による食物アレルギーでは、一人の患者さんが多種類の果実や野菜により症状が誘発されていることが少なくありません。このような果実アレルギーは花粉抗原と野菜や果物に含まれる抗原の交差抗原性に基づいており、まず花粉抗原により感作が成立し、その後、それらの抗原に対して交差反応性を示す蛋白質抗原を含む果物や野菜を経口摂取した際に主に口腔粘膜において過敏反応が誘発されます。

私たちは、何らかの食材による口腔内の反応を口腔アレルギー症候群(oral allergy syndromeOAS) ”と呼びますが、OASの概念は1987年 Amlotらにより提唱され、その後、花粉との交差反応性により新鮮な  果物や野菜を摂取した際に生ずるアレルギー反応をpollen-food allergy syndrome(PFAS)と呼ぶようになりました。現在では、カバノキ科花粉(シラカンバ、ハンノキ)はバラ科果物(リンゴ、モモ、サクランボなど)やマメ科、イネ科花粉(オオアワガエリ、カモガヤ)はウリ科果物(メロン、スイカなど)、キク科花粉(ブタクサ、ヨモギ)はセリ科野菜など、花粉と食物との関連性が明らかになっています。マメ科やイネ科の花粉は、これから季節です。ご注意下さい。

また、口腔アレルギー症候群につきましては、今後ご説明をしたいと思います。


2025年4月15日(火)-3 花粉情報

4月の飛散状況

年 度 ス  ギ ヒ ノ キ そ の 他
2011年 577.8 1709.9 5813.4
2012年 146.6 132.3 803
2013年 31.7 257.2 1574.4
2014年 39.8 410.3 1964
2015年 34.1 96.3 1248.7
2016年 73.3 437.6 2185.3
2017年 209.5 262.3 1655
2018年 88.8 1534.4 5242.4
2019年 156.2 880.9 1961.2
2020年 14.4 144.6 1305.3
2021年 52.2 144.1 196.3
2022年 286.8 833.6 1533.8
2023年 99.9 455.8 1853.5
2024年 119.6 537.0 1389.9
2025年

4月スギ花粉の飛散が終盤を迎え、ヒノキ花粉も4月半すぎには、飛散の最盛期が過ぎます。今年の4月上旬は、ヒノキ花粉が思いの外多く観測されます。要注意です。4月中旬以後は、カバノキ科やブナ科が比較的多く観測されます。4月後半も症状が続く方はご注意下さい。


2025年4月15日(火)-2 花粉情報

日本気象協会の当地(品川区)の天気によりますと、「未明まで小雨、朝から晴れ」との予報でした。予報は見事に的中です。湿度が90%を超えるとスギの花芽は閉じ、10mmを超える雨が降るとスギ花粉の飛散は、一旦止まると言われています(スギ花粉症克服に向けた総合研究、平成9〜11年度、文部科学省より)。本日は未明から花粉の飛散は、観測されていませんでしたが、午後から多くの花粉が飛散したようです。


2025年4月15日(火)-1 花粉情報

14日に観測された花粉

  天気 スギ ヒノキ その他
4月14日(月) 小雨〜晴れ 0.0 10.2 82.7

未明から小雨、予報は、「小雨のち晴れ」でした。予報通り、日中はよく晴れました。気温の上昇とともに、様々な花粉が観測されます。

その他の花粉は、ハンノキ1.9個/cm2、エノキ2.1個/cm2、マツ10.8個/cm2、エゴノキ0.6個/cm2、カモガヤ0.3個/cm2、マンサク2.8個/cm2、ホタルブクロ0.9個/cm2、ワスレナグサ4.0個/cm2、マツバギク0.9個/cm2、テウチグルミ8.6個/cm2、シモツケ5.4個/cm2、ブナ8.0個/cm2、イチイ1.2個/cm2、イヌシデ1.9個/cm2、マンサク2.2個/cm2、シラカシ3.1個/cm2、ヤマモモ2.4個/cm2、ヤマグア2.5個/cm2、トチノキ3.1個/cm2、ミチヤナギ0.9個/cm2、ヤブツバキ1.9個/cm2、ヤマグア1.5個/cm2、オオバヤシャブシ0.9個/cm2、スズメノテッポウ0.9個/cm2、ミヤマハンノキ0.9個/cm2、オノエヤナギ0.9個/cm2、ハイイヌガヤ0.3個/cm2、シナノキ0.3個/cm2、その他(不明)2.2個/cm2でした。