観測花粉数（測定地点：品川区五反田　観測者：遠藤　朝彦）

スギ花粉数が急激に増加しました。その他の花粉は、全て種別不明でした。

本日、全国２６地点のダダーラム法によるスギ花粉測定値がNPO花粉情報協会のHP及び環境省のHPに掲載されました。全国26地点中飛散開始した地点は、宮崎県宮崎市（2月21日）、熊本県八代市（2月19日）、福岡県福岡市（2月14日）、山口県山口市（2月12日）、三重県津市（2 月17日）、横浜市（2月12日）、静岡市（2月12日）、岐阜県大垣市（2月16日）、山梨県甲府市（2月14日）、神奈川県横浜市（2月12日）、東京都千代田区（2月15日）、埼玉県さいたま市（2月16日）、東京都品川区（2月16日）、東京都保谷市（2月16日）、千葉県富里市（2 月12日）、など、続々と飛散開始の報が届いています。また、東京都下は、青梅（2月13日）、八王子（2月14日）、多摩市（2月14日）、町田（2月14日）、立川（2月14日）、府中（2月14日）、小平（2月14日）のすべての観測地で飛散開始しています。都心部も北区を除いて、千代田、葛飾区、杉並区、大田区は2月15〜16日に飛散開始しました。

このHPは、1997年2月1日に『慈恵医大耳鼻科花粉症のページ（PH担当：故今井　透先生、花粉観測担当：遠藤　朝彦）』として、開設され、2014年1月7日までに561万件のアクセスがありました。その後、遠藤、今井両医師が慈恵医大を定年退職したため、HPを「東京都の耳鼻科医による花粉症のページ」と改称（HP担当：永倉仁史先生、花粉観測担当：遠藤　朝彦）として継続、2017年12月1日から当院の「花粉症のページ」として継続（HP担当：遠藤　朝彦、花粉観測担当：遠藤　朝彦）と受け継がれています。当HPは昨年末までで、41年になります。本年は42シーズン目となります。ご担当の皆様、よろしくお願い申し上げます。

2017年12月1日から2024年末までのアクエス数は、計886562件でした。

このHPのアクセス数は、昨日508件、元旦からの累積数は25579件でした。

東京都内でスギ、ヒノキ花粉を観測しているのは、公共機関では、東京都（東京都健康安全研究センター）の12地点のみ、民間では、当院（遠藤耳鼻咽喉科アレルギークリニック：品川区西五反田）と兼子耳鼻咽喉科医院（西東京市東伏見）の僅か2ヶ所のみ、HPで公表しているのは、東京都の12ヶ所の他には、当院のみです。また、結果を通知している機関は、当院が19ヶ所、兼子耳鼻咽喉科医院が11ヶ所、計30ヶ所にすぎません。今後、観測地点が増えることを期待します。

飛散開始日、本格飛散開始日（２０個/cm2以上になった日）

今年は、積算温度400℃に達したのは、2月4日で、2001年以来最も早く到達しました。ところが、その後

寒波の影響で気温が下がり、しかも寒波は結構ながく止まり、飛散開始は比較的遅い16日になりました。

27日に本格飛散開始日となりました。

兼子　順男先生（保谷市東伏見）からも観測値をいただきました。

ダーラム型（個/cm2）

16日飛散開始したとのことです。飛散開始後、大小はありますが、飛散が続いています。

富里も保谷市も100個/cm2を超える日がありましたが、当地は最大で52.8個/cm2でした。

佐橋 紀男先生から富里市と習志野市の観測値をいただきました。富里市は最新のデータです。25日から「極めて多く」のスギ花粉が観測されています。爆発的飛散ですので、ご注意下さい。

富里市：ダーラム型（個/cm2）

富里市：ロータリー型

習志野市：ダーラム型（個/cm2）

ロータリー型の方が感度が良く、富里市は、ロータリー型では、ダーラム型の2倍近く補修しています。富里市では、21日から25日から極めて多くの飛散を記録しています。都心でも多くのスギ花粉が観測されています（東京都の花粉情報）。当地との比較はダーラム型でお願いします。習志野市は15日が飛散開始日だったようです。

飛散開始日以後のスギ花粉飛散状況

本日から3月です。前項でも述べましたように、1〜2月とは風向きをはじめ天候が変わります。今週の品川区の気象予報によりますと、以下のような予報となっています。

天気はNHK、花粉飛散予測は、日本気象協会。当院の予想では、3月1〜2日は「非常に多い」に変わりました。医師、患者にとっては、「多い」との予想で、実際は「少ない」との結果の方が、良い予報です。TV局によっては3日以後もより高温と予想していて、さらに多くの花粉飛散が心配されます。本日は、予想される日中の気温が大幅に高くなりましたので、スギ花粉も「少ない」から「多い」に変わりました。自動計測機は深夜から反応しています。27日は、「多い：30個〜50個未満」の予想でしたが、実測値は、21.0個/cm2（やや多い）でした。3月1日は52.8個/cm2でしたので、かろうじて「非常に多い」レベルでした。

花粉数（1平方cmあたり）のランク（基準）について

少ない　　　　  　：10個未満

やや多い　　　　  :10個〜30個未満

多い　　　　　　   :30個〜50個未満

非常に多い　　　 :50個〜100個未満

極めて多い　　　 :100個以上

本日から3月、スギ、ヒノキ花粉は、主に2〜4月に飛散します。花芽から放出された花粉が飛散する時には、風に乗って、数十キロ〜百キロ運ばれます。当地（品川）には、スギ林が存在しませんので、どこから（発生源）飛来するか、これが問題です。そこで、都心の1〜4月に吹く風の、風向を調べてみました。1〜2月は大半が北寄りの風、3〜4月は、反対に南寄りの風が主に吹くことが判りました。

月毎の風向（東京都：気象庁　過去の気象データ検索）

2024年1〜4月

1〜2月と3〜4月は風向が変わります。つまり、当地に落下する花粉の発生源が異なることを意味します。1〜2月は赤城周辺で産生される花粉が、埼玉、多摩を横切って多摩川に沿って飛来します（人工衛星を用いて確認）。3〜4月は、南東からの風に乗ってきた花粉が東京湾上空で集まり、反転して、陸地（都心）に向かうと言われています。とはいえ、東京都内の風向は、上表のように、様々です。いわゆる天気だけで、飛散量の推測が難しいのは、風向き、風速なども、花粉飛散に大きく影響するためと考えられます。

2月の測定数とシーズンの総数の関係（2009年以後）

2月の測定数とシーズンの総数の関係（2009年以後）は下表の通りです。

2月は、主にスギ花粉が飛散、ヒノキは少なく（2009年以後3番目）、その他の花粉も少ない傾向にあります。