月: 2025年2月

2025年02月01日-6 花粉情報

スギ花粉飛散開始日(積算400到達日)の予測

元旦からの一日の最高気温を積算した積算値で、スギ花粉飛散開始の目安に用いられます。飛散花粉量を推定する指標とは、異なります。スギは11〜12月になると休眠(動物でいう冬眠)に入ります。そして、本格的に寒くなると休眠から覚め、次いで、開花して花粉を放出します。当地では、平均440〜480位が飛散開始の目安です。飛散開始日の予測は、あくまで予測ですから、予測日に必ず飛散開始となるわけではなく、目安です。従いまして、初期療法は、予測される飛散開始日の3〜7日前に開始すれば、患者様が苦しむことなく実施できます。また、飛散開始日から全ての患者様を苦しめるほどの花粉が飛散することは、ほとんどありません。つまり、飛散開始したら、しばらく様子を見てから投薬しても間に合わないことはありません。

日付 1日の最高気温 最高気温の積算値
1月1日 12.2 12.2
2日 13.9 26.1
3日 7.6 33.7
4日 9.6 43.3
5日 10.0 53.3
6日                        8.1 61.4
7日 12.9 74.3
8日 12.3 86.6
9日 12.7 99.3
10日 9.4 108.7
11日 11.3 120.0
12日 9.0 129.0
13日 13.4 142.4
14日 12.8 155.2
15日 15.6 170.8
16日 7.7 178.5
17日 9.7 188.2
18日 9.7 197.9
19日 9.2 207.1
20日 13.9 221.0
21日 13.8 234.8
22日 13.4 248.2
23日 13.9 262.1
24日 14.6 276.7
25日 9.2 285.9
26日 12.5 298.4
27日 10.2 306.6
28日 13.6 320.2
29日 12.8 333.0
30日 12.2 345.2
31日 13.2 358.4
合計 358.4

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日付 1日の最高気温 最高気温の積算値
1月合計   358.4
2月1日 12.2 370.6
2日 8.8 379.6
3日 9.6 389.2
4日 11.2 400.4

4日までの積算値から予測すると、8〜12日の飛散開始が考えられます。勿論、気温が上昇すれば、ですが。

 

 

 

 


2025年02月01日-5 花粉情報

昨年暮れから、スギ花粉の飛散は、過去に見られないほど多くの花粉が観測されました。

では、患者様の症状は、どうだったのでしょうか?実は、11〜12月に症状を訴える方は、ほとんどいませんでした。ところが1月になると症状を訴える方が、徐々に出始め、次第に増えだしたのです。この点については、故奥田 稔(日本医科大学耳鼻咽喉科教授)先生のグループが、2005年に「季節前スギ花粉症の高率発症への疑問」と称する論文をアレルギー誌54巻(636-640)に投稿しています。私共慈恵医大耳鼻科のグループもこの点に、以前から疑問を持ち、1997年には、これを疫学的に示し、その後動物を用いた実験で、乾燥冷気による呼吸粘膜の障害が一因であると指摘しました。気象庁のデータによりますと、当地の湿度は、11月、12月に比較しますと1、2月は1年で最も乾燥が進みます。


2025年02月01日-4 花粉情報

1月の測定数とシーズンの総数の関係(2011年以後)は下表の通りです

年 度 ス  ギ ヒ ノ キ そ の 他 スギ+ヒノキ

総飛散数

2011年 1.5 0 1.2 11549.1
2012年 0.3 0 1.8 2127.6
2013年 1.8 0 6.6 7661.8
2014年 0.6 0 9.5 1993.4
2015年 1.2 0 10.4 2938.1
2016年 1.2 0 2.1 4184.6
2017年 2.7 0 8.9 2570.7
2018年 4.2 0 11 8057.4
2019年 3 0 8.7 6199.4
2020年 3.4 0 16.2 2841.6
2021年 2.4 0 6.0 4567.3
2022年 1.8 0 6.7 5172.0
2023年 2.7 0 4.5 7862.7
2024年 5.1 0 5.4 6300.2
2025年 9.1 0 10.6

1月のスギ花粉飛散数とその年のスギ、ヒノキそう飛散数の間には、相関はなさそうですが、11月、12月に

続いて観測史上最も多数でした。


2025年02月01日-3 花粉情報

本日から2月、当地ではスギ花粉の飛散が開始する月です。備えを固めなければなりません。今年は、昨年暮れからこれまでになかったスギ花粉の飛散(患者様に症状はみとめられません)が認められています。

11・12月の飛散花粉数と翌年のスギ花粉の総飛散数

スギ12月 スギ11月 翌年のスギ飛散数
令和6年 14.0 21.2
令和5年 9.5 8.5 5271.0
令和 4年 1.8 4.5 6636.5
令和 3年 4.2 7.0 3838.8
令和 2年 5.8 3.0 3913.2
令和 元年 3.0 5.8 2466.7
平成30年 6.9 9.6 4867.8
平成29年 5.7 4162.0
平成28年 1.5 2570.7
平成27年 2.4 4184.6
平成26年 3.0 2938.1
平成25年 1.5 1993.4
平成24年 2.4 1993.4
平成23年 0.9 1971.0
平成22年 3.0 9623.6

―印は花粉の観測をしていません。11+12月の花粉数が大きい程、翌春のスギ花

粉観測数が大きい傾向が見られます。また、11、12月の観測数は過去に比較して

極めて多数です。1月はどうでしょうか?下表をみて下さい。


2025年02月01日-2 花粉情報

1日は、スギ花粉が4日振りに1.0個/cm2を超えました。もう1日1.0個/cm2を越えると、その前日、すなわち2月1日が飛散開始日になりますが、残念ながら2日は雨(しっかり降ると飛散花粉一旦0.0個/cm2になります)でしたので、花粉は観測されませんでした。


2025年02月01日-1 花粉情報

2

月になりました。スギ花粉飛散開始まで間近になります。環境省花粉観測システム(はなこさん)は、3年前のシーズンで終了しましたので、リアルタイムの花粉情報は当院の情報のみになってしまいました。自動計測の機器は、いくつかのメーカーさんが、開発を急いでいます。そこで、今シーズンも頑張って、観測ならびに情報提供を続けたいと思います。


2025年02月05日-5 花粉情報

1月の測定数とシーズンの総数の関係(2010年以後)は下表の通りです。

年 度 ス  ギ ヒ ノ キ そ の 他 スギ+ヒノキ

総飛散数

2010年 1.8 0 7.8 1557.7
2011年 1.5 0 1.2 11549.1
2012年 0.3 0 1.8 2127.6
2013年 1.8 0 6.6 7661.8
2014年 0.6 0 9.5 1993.4
2015年 1.2 0 10.4 2938.1
2016年 1.2 0 2.1 4184.6
2017年 2.7 0 8.9 2570.7
2018年 4.2 0 11 8057.4
2019年 3 0 8.7 6199.4
2020年 3.4 0 16.2 2841.6
2021年 2.4 0 6.0 4567.3
2022年 1.8 0 6.7 5172.0
2023年 2.7 0 4.5 7862.7
2024年 5.1 0 5.4 6300.2
2025 9.1 0 10.6

2月4日までの情報は、数日以内に公表します。


2025年02月05日-4 花粉情報

観測期間 スギ ヒノキ その他 自動
1/28 1.2 0.0 3.4 ――
1/29 0.3 0.0 0.0  
1/30 0.3 0.0 0.9  
1/31 0.0 0.0 0.6  
1月計 9.1 0.0 10.0 ――

1月28日のその他の花粉は、スズメノテッポウ1.9個/cm2.(イネ科の代表的な雑草、花期3〜4月)、マンサク0.9個/cm2(マンサク科の落葉樹、開花期2〜4月)、不明0.6個/cm2でした。

1月29日はスギ花粉が0.3個/cm2のみでした。28日と29日の気象条件で大きく異なるのは、気温で平均気温が28日は13.6℃、29日は12.8℃でした。

1月30日もスギ花粉が0.3個/cm2でした。その他の花粉は、ハンノキ0.6個/cm2(カバノキ科ハンノキ属、花粉症を起こします)、不明0.3個/cm2でした。

1月31日はスギ、ヒノキ花粉は、ともに観測されず、ハンノキが0.6個/cm2観測されました。

以上、1月28日から31日までの情報です。1月中には飛散開始は、有りませんでした。


2025年02月05日-3 花粉情報

私は東京慈恵会医科大学を昭和47年に卒業後、直ちに耳鼻咽喉科学教室(主任:故高橋 良名誉教授)に入局、耳鼻咽喉科医となり、入局して直ぐに附属第3病院勤務を命ぜられ、耳鼻科全般を故樋崎 亨助教授に、そして兼子 順男講師(現保谷市東伏見にて開業)のご指導により、花粉の観測を始めましたのは、昭和59年でした。そして当院のHPは、下記のように始まりました。毎年1月1日からスギ花粉飛散終了まで毎日観測、当初、結果の通知は電話で通知するという面倒な作業から始まり、続いて郵送で数十通送る毎日を送りました。PCを導入後は、1997年2月1日に慈恵医大耳鼻科の花粉症のページを開設(担当:故今井 透先生)、連日発信、更新して参りました(下記参照)。今日まで41シーズンメールにてデータをお送りいたしました。令和2年から年間を通じて、観測を続け、情報発信しております。年間を通じて観測することによって、新たな知見が数多く見出されており、年間を通じた観測の必要性を痛感しています。しかし、私も今年で78歳になり、体力的に厳しくなってまいりましたので、今シーズンから1月は週1回、2月1日から飛散終了まではスギ、ヒノキ花粉飛散情報として毎日、以後は週1回花粉情報として、観測結果をお届けしています。「患者様は吸入防止対策に、医療関係者の皆様は、飛散状況を根拠にした診断、治療」にご活用下さい。飛散花粉数は花粉症治療の根幹であり、治療の拠り所でなければならないと考えています。


2025年02月05日-2 花粉情報

さて、これまでは、「ほとんどの患者様が乾燥冷気による乾燥性鼻前庭炎、乾燥性鼻炎で、スギ花粉症とは症状が異なり、「鼻水、鼻づまり」であり、花粉症は「くしゃみ、鼻水」が主な症状です。花粉症とは似て非なる疾患であり乾燥性鼻前庭炎、乾燥性鼻炎に抗ヒスタミン剤を投与するとかえって悪化する可能性もあり、もし感染性の鼻炎ならば効果はなく、治りません。症状のみで診断するのは危険です。ぜひ、問診ならびに検査をして検査所見から正しく診断し、正しい診断の基に治療を施してほしいと思います。患者様には、検査の時間をいただきたく、早めの受診をお勧めします。 花粉症は、個人の体質(素因)と被曝する(吸入される)花粉数に、発症も症状の強さも、左右されます。しかも、似て非なる鼻の病気もあり、これらが合併していることも少なくありません。したがって、症状が出ましたら、先ず原因を追求することが極めて大切です。むやみに薬を用いることは、先行きによくありません。」と申し上げて参りましたが、そろそろ花粉の飛散を控え、対策を講じても良い時期に来たと存じます。

今後の気象予報を見ますと、しばらくは大量飛散はないと、予想されます。


2025年02月05日-1 花粉情報

病(前立腺肥大によるに尿閉、血尿)のため、1月28日から休診、29日から長男が務める東京共済病院泌尿器科に入院。昨日(2月4日)退院いたしました。この間、花粉観測と本HPの更新を休みました。当HPをご覧の皆様、とりわけ参考にされている皆様には、「ご迷惑をお掛けしたのでは」と危惧しております。今後は、健康に留意して、少しでも長く、本HPを続けられるよう頑張りますので、よろしくお願い申し上げます。