日: 2025年2月9日

2025年02月09日-11 花粉情報

 このHPは、1997年2月1日に『慈恵医大耳鼻科花粉症のページ(PH担当:故今井 透先生、花粉観測担当:遠藤 朝彦)』として、開設され、2014年1月7日までに561万件のアクセスがありました。その後、遠藤、今井両医師が慈恵医大を定年退職したため、HPを「東京都の耳鼻科医による花粉症のページ」と改称(HP担当:永倉仁史先生、花粉観測担当:遠藤 朝彦)として継続、2017年12月1日から当院の「花粉症のページ」として継続(HP担当:遠藤 朝彦、花粉観測担当:遠藤 朝彦)と受け継がれています。当HPは昨年末までで、41年になります。本年は42シーズン目となります。ご担当の皆様、よろしくお願い申し上げます。

2017年12月1日から2024年末までのアクエス数は、計886562件でした。

このHPのアクエス数は、昨日214件、元旦からの累積数は17357件でした。


2025年02月09日-10 花粉情報

東京都アレルギー情報navi.によりますと、都内12地点いずれも飛散開始した気配はありません。測定地点大田でも、飛散開始とした1月8日以後2月5日まで、1.0個/cm2を超えた日すら認められません。マスコミによる、あたかも全国の飛散開始したような報道は完全に、「勇み足」のように思われます。1月8日は、あくまで大田の飛散開始と考えるべきです。もう一つ大事なことは、飛散開始の判定基準に、加えるべき条件があるように思われます。例えば「飛散開始日から少なくとも3日以上花粉が観測される」など。

2014年から2023年までの10年間について24の都道府県を対象に調査した結果では、1月の飛散開始は、静岡1月30日、山口県1月29日、福岡県1月30日しかも1月が飛散開始であったのは全て2014年でした。こうしてみると1月8日の大田の飛散は「狂い咲き」というべきではないでしょうか?


2025年02月09日-9 花粉情報

飛散開始日、本格飛散開始日(20個/cm2以上になった日):品川区

飛散開始日 積算400℃到達日 本格飛散開始日 同年飛散総数
H13(2001) 2月20日 2月14日 2月21日 4876.7
H14(2002) 2月07日 2月05日 2月07日 5644.9
H15(2003) 2月12日 2月12日 2月13日 3964.9
H16(2004) 2月20日 2月09日 2月26日 460.7
H17(2005) 2月22日 2月10日 2月23日 13948.7
H18(2006) 2月13日 2月14日 2月15日 1132.7
H19(2007) 2月06日 2月06日 2月13日 1775.7
H20(2008) 2月20日 2月14日 2月23日 3599.9
H21(2009) 2月06日 2月08日 2月12日 5785.2
H22(2010) 2月09日 2月08日 2月21日 1557.7
H23(2011) 2月22日 2月12日 2月25日 11549.1
H24(2012) 2月26日 2月17日 3月04日 2127.6
H25(2013) 2月14日 2月09日 2月22日 7661.8
H26(2014) 2月03日 2月07日 3月04日 1993.4
H27(2015) 2月11日 2月10日 2月23日 2938.1
H28(2016) 2月14日 2月08日 2月21日 4184.6
H29(2017) 2月16日 2月06日 2月17日 2570.7
H30(2018) 2月10日 2月12日 2月24日 8057.4
H31(2019) 2月12日 2月07日 2月20日 6199.4
R2(2020) 2月05日 2月05日 2月13日 2841.6
R3(2021) 2月11日 2月06日 2月14日 4567.3
R4(2022) 2月26日 2月12日 2月27日 5172
R5(2023) 2月12日 2月08日 2月18日 7862.7
R6(2024) 2月13日 2月11日 2月15日 6300.2
R7(2025)   2月04日    

2025年02月09日-8 花粉情報

:観測花粉数(測定地点:品川区五反田 観測者:遠藤 朝彦)

観測花粉数(測定地点:品川区五反田 観測者:遠藤 朝彦)

捕集開始日時 天気 花粉数(個/㎠」落下法)
時 分 スギ ヒノキ その他
1 (土) 22:00

 

:

晴れ〜曇り〜雨 1.2 0.0 0.3
2 (日) 雨〜曇り 0.0 0.0 0.0
3 (月) 曇り時々曇り 0.3 0.0 0.6
4 (火) 晴〜曇り〜快晴 0.3 0.0 0.0
5 (水) 晴れ〜曇り・小雨 0.0 0.0 0.6
6 (木) 晴れ 0.0 0.0 0.0
7 (金) 晴れ 0.3 0.0 0.0
8 (土) 晴れ 0.0 0.0 0.3
9 (日) 晴れ 0.0 0.0 0.0
捕集開始日時 天気 花粉数(個/㎠」落下法)
(日) 晴れ 0.0 0.0 0.0

2025年02月09日-7 花粉情報

東京都アレルギー情報によりますと、大田において1月8日に飛散開始したようですが、大田を含めて以後,1.0個/cm2を超えた日はありません。

1月6日以降のスギ花粉の累積値(単位:個/cm2

千代田 葛飾 杉並 大田
4.9 3.4 3.4 3.1 6.5

 

青梅 八王子 多摩 町田 立川 府中 小平
4.9 3.4 3.4 3.1 6.5 1.2 0.6

また、当地では本日まで総数11.2個/cm2ですが、飛散開始していません。東京都の測定地点12ヶ所では、二桁観測した地点すらありません。

飛散開始日の規定に、条件を設けるか、飛散開始日の規定そのものを変更する必要があるように思いますが、どうでしょうか?


2025年02月09日-6 花粉情報

スギ花粉飛散開始日(積算400到達日)の予測

元旦からの一日の最高気温を積算した積算値で、スギ花粉飛散開始の目安に用いられます。飛散花粉量を推定する指標とは、異なります。スギは11〜12月になると休眠(動物でいう冬眠)に入ります。そして、本格的に寒くなると休眠から覚め、次いで、開花して花粉を放出します。当地では、平均440〜480位が飛散開始の目安です。飛散開始日の予測は、あくまで予測ですから、予測日に必ず飛散開始となるわけではなく、目安です。従いまして、初期療法は、予測される飛散開始日の3〜7日前に開始すれば、患者様が苦しむことなく実施できます。また、飛散開始日から全ての患者様を苦しめるほどの花粉が飛散することは、ほとんどありません。つまり、飛散開始したら、しばらく様子を見てから投薬しても間に合わないことはありません。

日付 1日の最高気温 最高気温の積算値
1月合計   358.4
2月1日 12.2 370.6
2日 8.8 379.6
3日 9.6 389.2
4日 11.2 400.4
5日 9.0 409.4
6日 9.2 418.6
7日 10.6 429.2
8日 9.7 438.9

8日までの積算値から予測すると、9〜13日の飛散開始が考えられます。勿論、気温が上昇すれば(大体、当地で再高気温15.0℃が目安)、ですが。


2025年02月09日-5 花粉情報

1月の測定数とシーズンの総数の関係(2011年以後)は下表の通りです

年 度 ス  ギ ヒ ノ キ そ の 他 スギ+ヒノキ

総飛散数

2011年 1.5 0 1.2 11549.1
2012年 0.3 0 1.8 2127.6
2013年 1.8 0 6.6 7661.8
2014年 0.6 0 9.5 1993.4
2015年 1.2 0 10.4 2938.1
2016年 1.2 0 2.1 4184.6
2017年 2.7 0 8.9 2570.7
2018年 4.2 0 11 8057.4
2019年 3 0 8.7 6199.4
2020年 3.4 0 16.2 2841.6
2021年 2.4 0 6.0 4567.3
2022年 1.8 0 6.7 5172.0
2023年 2.7 0 4.5 7862.7
2024年 5.1 0 5.4 6300.2
2025年 9.1 0 10.6

1月のスギ花粉飛散数とその年のスギ、ヒノキ総飛散数の間には、相関はなさそうですが、11月、12月に

続いて1月は、観測史上最も多数でした。なぜ、多くのスギ花粉が観測されるのでしょうか?「豊作だから」では、ないでしょうか。もし、豊作なら、これまでより多くの花粉が飛散する可能性があります。

1月は1年で最も乾燥が進むと言われていますが、今年の1月は平均53%、最小14%で、12月以上に乾燥したようです。極度の乾燥は、鼻粘膜を壊し、鼻アレルギー(花粉症)の悪化を招くことが、知られています。

年末から、新年にかけて、思いの外多くのスギ花粉が観測されました。

例えば、11月27日は5.9個/cm2、28日は9.6個/cm2でした。12月には12月6日に2.5個/cm2、7日に2.2個/cm2、1月は7日に1.5個/cm2、9日に2.8個/cm2観測されました。しかし、患者様はほとんど来院していません。短期なので、見過ごしてしまった可能性があります。もし、この日に症状が出てしているならば、花粉症が重い(重症)可能性があります。是非、専門医の診察を受けて下さい。


2025年02月09日-4 花粉情報

2月は当地のスギ花粉の飛散が開始する月(平成元年以来、飛散開始が2月を外れたことはありません。)です。備えを固めなければなりません。今年は、昨年暮れからこれまでになかったスギ花粉の多くの飛散(患者様に症状はみとめられません)が見られています。

11・12月の飛散花粉数と翌年のスギ花粉の総飛散数

スギ12月 スギ11月 翌年のスギ飛散数
令和6年 14.0 21.2
令和5年 9.5 8.5 5271.0
令和 4年 1.8 4.5 6636.5
令和 3年 4.2 7.0 3838.8
令和 2年 5.8 3.0 3913.2
令和 元年 3.0 5.8 2466.7
平成30年 6.9 9.6 4867.8
平成29年 5.7 4162.0
平成28年 1.5 2570.7
平成27年 2.4 4184.6
平成26年 3.0 2938.1
平成25年 1.5 1993.4
平成24年 2.4 1993.4
平成23年 0.9 1971.0
平成22年 3.0 9623.6

―印は花粉の観測をしていません。

11+12月の花粉数が大きい程、翌春のスギ粉観測数が大きい傾向が見られます。また、11、12月の観測数は過去に比較して極めて多数です。1月はどうでしょうか?次の表をみて下さい。


2025年02月09日-3 花粉情報

花粉症は、病因となる花粉が吸入されなければ、起こりません。つまり、木があっても、その木が花粉を作らなければ、花粉は飛散せず、花粉症の発生する余地はありません。これが、農林水産省が開発を進める無花粉スギです。また、農林水産省を始め東京都などは、スギの木の伐採を進めています。伐採の効果は、当院の観測でも、見て取れます。環境省は、花粉症の悪化の原因(例えば、大気汚染など)となる環境を突き止め、これを改善しようとしています。厚生省は、新たな根本的治療を模索しています。対策には多くの省庁が参加、協力をしています。


2025年02月09日-2 花粉情報

スギ花粉飛散開始が間近になりました。環境省花粉観測システム(はなこさん)は、3年前のシーズンで終了しましたので、リアルタイムの花粉情報は当院の情報のみになってしまいました。そこで、今シーズンも頑張って、観測ならびに情報提供を続けたいと思います。当地の飛散開始は、12〜18日と推測されます。初期療法を開始するなら、そろそろです。ただし、まずは正しく、診断を下してほしいと思います。


2025年02月09日-1 花粉情報

当HPは、しばらく(1月28日から2月27日まで)お休みしました。病(前立腺肥大によるに尿閉、血尿)のため、長男(耳鼻咽喉科医)が勤める東京共済病院泌尿器科に入院。2月4日に退院いたしました。この間、花粉観測と本HPの更新を休みました。当HPをご覧の皆様、とりわけ参考にされている皆様には、「ご迷惑をお掛けしたのでは」と危惧しております。心からお詫び申し上げます。今後は、健康に留意して、少しでも長く、本HPを続けられるよう頑張りますので、よろしくお願い申し上げます。5〜6日の二日間で、急ぎ休んでいた間の花粉の計測を行いました。飛散開始は、なかったようです。