2025年3月25日(火)-7 花粉情報
さて、ここまでのお話から、飛散花粉数のみでは、我々医師は局地のことしか判断できません。患者様の行動範範囲は思いの外広く、行き先も千差万別です。これらを全てカバーするには地点毎の情報では、不足です。広範な計測結果を、天気図の様な方法で、作ることは出来ないものか、と思いあぐねています。そこで、日本における観測地点について、大まかですが、調べました。一応、これでほぼ網羅したと考えられる地方別の結果です。
北陸・中部(落下法22ヶ所、ポーレンロボ:56ヶ所:計78ヶ所)
地点 | 飛散開始日 | 地点 | 飛散開始日 |
43新潟県南魚沼市 | 39同勝山市 | 3/7 | |
43同県立吉田病院 | 2/27 | 39同坂井市 | 2/25 |
65同村上 | po | 39同鯖江市 | 2/28 |
65同新発田 | po | 39同敦賀市 | 2/26 |
65同新潟市 | Po | 39同あわら | po |
65同三条市 | po | 39同勝山 | Po |
65同阿賀 | po | 39同福井 | po |
65同長岡市 | po | 39同鯖江 | po |
65同柏崎市 | po | 39同越前 | po |
65同湯沢 | po | 39同大野 | po |
65同上越 | po | 39同武生 | po |
65同糸魚川 | po | 39同敦賀 | po |
40富山県黒部市 | Po | 39同高浜 | po |
40同富山市藤木 | po | 39同小浜 | po |
40同富山市森 | Po | 47山梨県上野原 | 2/14 |
40同富山市呉羽 | po | 47山梨県富士吉田 | 2/16 |
40同富山市婦中 | po | 47同富士吉田市 | 2/16 |
40同射水市 | po | 47同富士川町 | |
40同高岡市 | po | 51同南アルプス市 | 2/15 |
40同氷見市 | po | 47同中央市 | 2/25 |
40同砺波市 | po | 47山梨県甲府市 | 2/16 |
46石川県加賀市 | 不明 | 47同韮崎市 | 2/25 |
46同小松市 | 不明 | 47同北杜市 | po |
46同金沢市 | 不明 | 47同韮崎 | po |
46同金沢市 | 不明 | 47同甲府 | po |
46同七尾市 | 不明 | 47同塩山 | po |
46同白山市 | 不明 | 47同大月 | po |
46同輪島 | po | 47同市川大門 | po |
46同七尾 | po | 47同身延 | po |
46同羽咋市 | Po | 47同富士吉田 | po |
46同かほく | po | 25長野県中信地域 | |
46同金沢市 | po | 51長野県白馬 | po |
46同小松市 | po | 51同長野市 | po |
46同加賀市 | po | 51同上田市 | po |
46同白山白峰 | po | 51同軽井沢町 | po |
39福井県福井市 | 2/28 | 51同松本市 | po |
39同永平寺市 | 3/6 | 51同安曇 | po |
地点 | 飛散開始日 | 地点 | 飛散開始日 |
51同諏訪 | po | ||
51同野辺山 | po | ||
51同木曽福島 | po | ||
51同伊那 | po | ||
51同飯田 | po | ||
43魚沼基幹病院 65,40,46.39.47.51ポーレンロボ
43-2新潟県立吉田病院
46石川県医師会
39福井県衛生環境研究センター
47山梨県環境アレルギー研究会
北陸・中部地方では、ネットで簡単に調べただけで、78ヶ所もの測定地点があることがわかりました。これらの情報を合わせて分析すれば、花粉の流れが分析でき、治療に新たな展開が開けるように思われます。花粉観測は花粉症の診療において、担当医師の医療行為の基礎であり、観測値を見れば患者の皆さんの症状をある程度計ることもできます。また、花粉症治療に用いられる薬剤を重複して用いなくともよくなります。つまり、花粉症治療の根幹です。これが実現しますと大幅な医療費削減につながります。私が大まかに計算したところ、削減額は数十億円にのぼります。さて、これだけ多くの方が関わっているのに、またこれほど医療に役立つのに、これほど医療費の削減ができるのに、つまり飛散花粉の観測は、花粉症治療上の根本あるいは治療の命脈とも考えられます。花粉観測に対して、なぜ医療保険の適応はできないのでしょうか?これまで誰もこの点を主張なかったのでしょうか?今後、多くの医師が関わらないといけないのでしょうか?花粉観測は、医師でなくとも、検査技師、看護師あるいは事務担当の方でも、少し訓練と講義を受ければ、どなたにもできると思います。ただし、担当者が安心して仕事ができるように、身分と収入の保証が必要と考えます。現状を見ますと、これらのことは今後の花粉症医療において、急務と考えられます。花粉情報協会さんには、こうした技術者の養成プログラム作成と講習会を開催することを強く求めたいと思います。
この調査は、まだ終わっていません。判明次第加筆します。