2025年3月24日(月)-7 花粉情報

さて、ここまでのお話から、飛散花粉数のみでは、我々医師は局地のことしか判断できません。患者様の行動範範囲は思いの外広く、行き先も千差万別です。これらを全てカバーするには地点毎の情報では、不足です。広範な計測結果を、天気図の様な方法で、作ることは出来ないものか、と思いあぐねます。そこで、日本における観測地点について、大まかですが、調べました。一応、これでほぼ網羅したと考えられる地方別の結果です。

北陸・中部(落下法22ヶ所、ポーレンロボ:56ヶ所:計78ヶ所)

地点 飛散開始日 地点 飛散開始日
43新潟県南魚沼市   39同勝山市 3/7
43同県立吉田病院 2/27 39同坂井市 2/25
65同村上 po 39同鯖江市 2/28
65同新発田 po 39同敦賀市 2/26
65同新潟市 Po 39同あわら po
65同三条市 po 39同勝山 Po
65同阿賀 po 39同福井 po
65同長岡市 po 39同鯖江 po
65同柏崎市 po 39同越前 po
65同湯沢 po 39同大野 po
65同上越 po 39同武生 po
65同糸魚川 po 39同敦賀 po
40富山県黒部市 Po 39同高浜 po
40同富山市藤木 po 39同小浜 po
40同富山市森 Po 47山梨県上野原 2/14
40同富山市呉羽 po 47山梨県富士吉田 2/16
40同富山市婦中 po 47同富士吉田市 2/16
40同射水市 po 47同富士川町  
40同高岡市 po 51同南アルプス市 2/15
40同氷見市 po 47同中央市 2/25
40同砺波市 po 47山梨県甲府市 2/16
46石川県加賀市 不明 47同韮崎市 2/25
46同小松市 不明 47同北杜市 po
46同金沢市 不明 47同韮崎 po
46同金沢市 不明 47同甲府 po
46同七尾市 不明 47同塩山 po
46同白山市 不明 47同大月 po
46同輪島 po 47同市川大門 po
46同七尾 po 47同身延 po
46同羽咋市 Po 47同富士吉田 po
46同かほく po 25長野県中信地域  
46同金沢市 po 51長野県白馬 po
46同小松市 po 51同長野市 po
46同加賀市 po 51同上田市 po
46同白山白峰 po 51同軽井沢町 po
39福井県福井市 2/28 51同松本市 po
39同永平寺市 3/6 51同安曇 po
       

 

地点 飛散開始日 地点 飛散開始日
51同諏訪 po    
51同野辺山 po    
51同木曽福島 po    
51同伊那 po    
51同飯田 po    
       

43魚沼基幹病院        65,40,46.39.47.51ポーレンロボ

43-2新潟県立吉田病院

46石川県医師会

39福井県衛生環境研究センター

47山梨県環境アレルギー研究会

北陸・中部地方では、ネットで簡単に調べただけで、78ヶ所もの測定地点があることがわかりました。これらの情報を合わせて分析すれば、花粉の流れが分析でき、治療に新たな展開が開けるように思われます。花粉観測は花粉症の診療において、担当医師の医療行為の基礎であり、観測値を見れば患者の皆さんの症状をある程度計ることもできます。また、花粉症治療に用いられる薬剤を重複して用いなくともよくなります。つまり、花粉症治療の根幹です。これが実現しますと大幅な医療費削減につながります。私が大まかに計算したところ、削減額は数十億円にのぼります。さて、これだけ多くの方が関わっているのに、またこれほど医療に役立つのに、これほど医療費の削減ができるのに、つまり飛散花粉の観測は、花粉症治療上の根本あるいは治療の命脈とも考えられます。花粉観測に対して、なぜ医療保険の適応はできないのでしょうか?これまで誰もこの点を主張なかったのでしょうか?今後、多くの医師が関わらないといけないのでしょうか?花粉観測は、医師でなくとも、検査技師、看護師あるいは事務担当の方でも、少し訓練と講義を受ければ、どなたにもできると思います。ただし、担当者が安心して仕事ができるように、身分と収入の保証が必要と考えます。現状を見ますと、これらのことは今後の花粉症医療において、急務と考えられます。花粉情報協会さんには、こうした養成プログラム作成と講習会を開催することを強く求めたいと思います。

この調査は、まだ終わっていません。判明次第加筆します。