2025年3月22日(土)-7 花粉情報

さて、ここまでのお話から、飛散花粉数のみでは、我々医師は局地のことしか判断できません。患者様の行動範範囲は思いの外広く、行き先も千差万別です。これらを全てカバーするには地点毎の情報では、不足です。広範な計測結果を、天気図の様な方法で、作ることは出来ないものか、と思いあぐねます。そこで、日本における観測地点について、大まかですが、調べました。一応、これでほぼ網羅したと考えられる地方別の結果です。

東海地方(落下法21ヶ所、ポーレンロボ:41ヶ所)

地点 飛散開始日 地点 飛散開始日
52愛知県一宮   -1 po 64同志摩 po
52同津島 po 64同尾鷲 po
52同名古屋 po 64同熊野 po
52同東海 po 65岐阜県岐阜市-6 3/1
52同常滑 po 65同大垣市 3/1
52同豊田 po 65同海津市  
52同岡崎 po 65同揖斐川市  
52同蒲郡 po 65同各務原市 2/28
52同豊橋 po 65同関市 3/1
52同新城 po 65同美濃加茂市 2/25
14静岡県富士   -2 2/12 65郡上市 3/7
14同清水 2/12 65同多治見市 3/1
14同静岡駿河区 2/3 65同中津川市 3/1
14同葵区 2/12 65同高山市 3/10
14同浜松市 2/10 62同下呂   -7 po
63同御殿場     -3 po 62同郡上 po
63同下田 po 62同中津川 po
63同熱海 po 62同美濃 po
63同沼津 po 62同美濃加茂 po
63同富士 po 62同多治見 po
63同清水 po 62同恵那 po
63同静岡 po 62同岐阜 po
63同川根本町 po 62同大垣 po
63同藤枝 po 62同関ヶ原 po
63同天龍 po    
63同浜松 po    
64三重県津市   -4      
64同桑名市      
64同名張市      
64同松阪市      
64同御浜町      
64同四日市  -5 po    
64同鈴鹿市 po    
64同伊賀 po    
64同津市 po    
64同名張市 po    
64同伊勢市 po    
64同鳥羽市 po    

 

14耳鼻咽喉科静岡県地方部会会員有志:5ヶ所  52、63、64、62ウェザーニュース

64三重県花粉情報

65岐阜県耳鼻咽喉科花粉情報システム

東海地方では、ネットで簡単に調べただけで、62ヶ所もの測定地点があることがわかりました。これらの情報を合わせて分析すれば、花粉の流れが分析でき、治療に新たな展開が開けるように思われます。花粉観測は花粉症の診療において、担当医師の医療行為の基礎であり、観測値を見れば患者の皆さんの症状をある程度計ることもできます。また、花粉症治療に用いられる薬剤を重複して用いなくともよくなります。つまり、花粉症治療の根幹です。これが実現しますと大幅な医療費削減につながります。私が大まかに計算したところ、削減額は数十億円にのぼります。さて、これだけ多くの方が関わっているのに、またこれほど医療に役立つのに、これほど医療費の削減ができるのに、つまり飛散花粉の観測は、花粉症治療上の根本あるいは治療の命脈とも考えられます。花粉観測に対して、なぜ医療保険の適応はできないのでしょうか?これまで誰もこの点を主張なかったのでしょうか?今後、多くの医師が関わらないといけないのでしょうか?花粉観測は、医師でなくとも、検査技師、看護師あるいは事務担当の方でも、少し訓練と講義を受ければ、どなたにもできると思います。ただし、担当者が安心して仕事ができるように、身分と収入の保証が必要と考えます。現状を見ますと、これらのことは今後の花粉症医療において、急務と考えられます。花粉情報協会さんには、こうした養成プログラム作成と講習会を開催することを強く求めたいと思います。

この調査は、まだ終わっていません。判明次第加筆します。