2025年3月21日(金)-1 花粉情報

保谷市東伏見は、スギ花粉が大量に飛散しているようです。13日から3日続けて極めて多くの花粉が記録されています。3日間合計で、スギ花粉1615.1個/cm2、ヒノキ花粉271.6個/cm2、合計1886.7個/cm2にもなりました。当地のスギ花粉観測数の推移が、今シーズンは、例年とやや傾向が違っていることは、既に3月2日に皆様にお伝えしました。当地では、この3日間に観測されたスギ、ヒノキ花粉は落下法、カルベラ液による染色、鏡検で712.1個/cm2でした。頭初、保谷市と当地の違いを正しいと判断して、気候の影響と考察しました。しかし、あまりにも測定値に隔たりが大きく、他に原因があるのではと考え、万一に備えて保存しておいた予備のプレパラートを用いて、昨日カルベラ液による染色でカウントして見ました。するとスギ花粉の観測数は、20.1個/cm2、グリセリンゼリーによる染色では、5.6個/cm2でしたので、なんとその差は3.6倍でした。これは無視できる数値ではありません。そこで、本日から検証を始めました。再検初日(14日分)、スギ300.0個/cm2、ヒノキ11.4個/cm2でした。出鼻をくじかける飛散数でした。日毎にカウントする場所を交互に変えて観測、結果を比較しました。

カルベラ液とグリセリンゼリーの相違

日付 カルベラ液 グリセリンゼリー 差異
3-20 26.2 8.3 3.2
3-19 21.0 9.6 2.2
3-18 20.1 5.6 3.6
3-17 193.5 40.7 4.8
3-16 16.7 20.4 0.8
3-15 164.8 55.9 2.9
3-14 300.0 72.2 4.2
3-13 217.0 160.8 1.4
3-12 0.6 0.3 2.0
3-11 25.6 22.5 1.1

平均2.6倍 今後プレパラート上の測定位置を変えて比較

なんと平均約2.6倍の測定値に差が認められました。カルベラ液による染色、測定ですと、例年通り兼子 順男先生の保谷市の結果とほぼ一致した変動で、例年通りです。染色を変えても測定値は変わらないと判断した、私のミスです。心からお詫びして訂正いたします。グリセリンゼリーによる染色は、花粉の捕捉率がかなり低いようです。

こうした分析も詳細な測定結果があって、はじめて可能になります。自動計測機にはそれなりの精度が求められます。また、自動計測を信じ込むのも危険です。故障や機器が停止した場合のバックアップは絶対に必要です。今後、さらに検証結果をご報告いたします。