2025年3月19日(火)-7 花粉情報

さて、ここまでのお話から、飛散花粉数のみでは、我々医師は局地のことしか判断できません。患者様の行動範範囲は思いの外広く、行き先も千差万別です。これらを全てカバーするには地点毎の情報では、不足です。広範な計測結果を、天気図の様な方法で、作ることは出来ないものか、と思いあぐねます。そこで、日本における観測地点について、大まかですが、調べました。一応、これでほぼ網羅したと考えられる地方別の結果です。

東北地方(落下法28ヶ所、ポーレンロボ:64ヶ所:計92ヶ所)

地点 飛散開始日 地点 飛散開始日
15青森県青森市 -1 開始前 41同遠野 po
15同八戸市 2/17 41同釜石 po
15同弘前市 3/11 41同一関 po
15同むつ市 3/10 16秋田県大曲  -5  Po
15同五所川原市   16同大館市 po
15同大間崎     -2 po 16同能代市 Po
15同むつ po 16同男鹿市 po
15同今別 po 16鹿角市 po
15同五所川原 po 16同阿仁市 po
15同青森 po 16同秋田市 po
15同深浦 po 16同田沢湖 po
15同弘前 po 16同由利本庄 po
15同三沢 po 16同大仙市   po
15同十和田 po 16同湯沢 po
15同八戸 po 16同大仙市   -6 3/11
15同三戸 po 51山形県山形市 -7 3/9
41岩手県盛岡市 -3 不詳 51同新庄市  
41同北上市 不詳 51同米沢市  
41同久慈市 不詳 51同三川町  
41同大船渡市 不詳 51同飯田 3/3
41同奥州市 不詳 51山形県坂田   ―8 po
41同雫石町 不詳 51同鶴岡 po
41同花巻 不詳 51同新庄 po
41同奥州 不詳 51同尾花沢 po
41同一関 不詳 51同寒河江 po
41同釜石 不詳 51同山形 po
41同宮古 不詳 51同長井   po
41同久慈 不詳 51同小国 po
41同二戸 不詳 51同米沢 po
41同八幡平 不詳 48宮城県仙台市 -9 2/25
41同二戸   -4 po 48同多賀城市 3/6
41同久慈 po 48宮城県気仙沼-10 po
41同安比 po 48同鳴子 po
41同雫石 po 48同築館 po
41同盛岡 po 48同志津川 po
41同岩泉 po 48同古川 po
41同宮古 po 48同石巻 po
41同北上 po 48同作並   po

 

地点 飛散開始日 地点 飛散開始日
48同仙台 po 49同浪江 po
48同白石 po 49同いわき po
48同岩沼 po 49同小野新町 po
48同角田 po 49同郡山 po
49福島二本松 -11 2/28 49同白河 po
49同喜多方  -12 po 49同会津若松 po
49同福島 po 49同只見 po
49同相馬 po 49同檜岐 po
  1. 青森県花粉情報研究会:5ヶ所 2,4,5,8,10.12ウェザーニュース
  2. 岩手日報
  3. 大曲厚生医療センター
  4. 山形大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学:山形県医師会
  5. 日耳鼻宮城県地方部会(東北大)

角田家(多賀城市鶴ヶ谷)

東北地方では、ネットで簡単に調べただけで、92ヶ所もの測定地点があることがわかりました。これらの情報を合わせて分析すれば、花粉の流れが分析でき、治療に新たな展開が開けるように思われます。花粉観測は花粉症の診療において、担当医師の医療行為の基礎であり、観測値を見れば患者の皆さんの症状をある程度計ることもできます。また、花粉症治療に用いられる薬剤を重複して用いなくともよくなります。つまり、花粉症治療の根幹です。これが実現しますと大幅な医療費削減につながります。私が大まかに計算したところ、削減額は数十億円にのぼります。さて、これだけ多くの方が関わっているのに、またこれほど医療に役立つのに、これほど医療費の削減ができるのに、つまり飛散花粉の観測は、花粉症治療上の根本あるいは治療の命脈とも考えられます。花粉観測に対して、なぜ医療保険の適応はできないのでしょうか?これまで誰もこの点を主張なかったのでしょうか?今後、多くの医師が関わらないといけないのでしょうか?花粉観測は、医師でなくとも、検査技師、看護師あるいは事務担当の方でも、少し訓練と講義を受ければ、どなたにもできると思います。ただし、担当者が安心して仕事ができるように、身分と収入の保証が必要と考えます。現状を見ますと、これらのことは今後の花粉症医療において、急務と考えられます。花粉情報協会さんには、こうした養成プログラム作成と講習会を開催することを強く求めたいと思います。

この調査は、まだ終わっていません。判明次第加筆します。