日: 2024年12月8日

2024年12月08日-4 花粉情報

観測結果(個/cm2/日:2024年)

観測期間 スギ ヒノキ イネ科 ブタクサ属 ヨモギ属 カナムグラ その他
12/01 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.9
02 0.6 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
03 0.3 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.3
04 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.6
05 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.3
06 2.5 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 2.5
07 2.2 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
08 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.3

昨年の今日の当HPで私は、「本日はスギ花粉0.0個/cm2、ヒノキ花粉は0.0個/cm、その他の花粉は0.6個/cm2観測されました。スギの雄花は気温が上がると開花しやすくなります。そのため暖かい日(最高気温15.0℃以上)は要注意と言われています、また風の強い日も花粉が運ばれてきますので、要注意です。本日、最高気温は19.4℃でしたが、花粉はスギ花粉およびその他の花粉(種別不明)は観測されませんでした。」と報告しています。多分、風がなかった(平均風速2.5m/s)ものと思われます。

 

本日はスギ花粉が0.0個/cm2、ヒノキは0.0個/cm2でした。その他の花粉は0.3個/cm2でした。6日から突然、多くのスギ花粉が観測されましたので、気象条件を調べてみました。6日は当地(品川:日本気象協会、品川区の天気)は、終日晴れ、明け方まで、および夜遅くに気温10℃以下でしたが、昼前から夕方まで10℃以上、13時に17.1℃を記録、南西の風3〜4m/sのやや強い風が吹きました。夕方以後は北西の風に変わりました。おそらく気温と南寄りのやや強い風が花粉を運んだと考えられます。7日は、明け方まで南西の風、朝から北寄りの風になり、昼過ぎに一時南風が吹きました。気温は午後1時の12.5℃が最高でした。本日は北寄りの風が終日吹きました。それ以外の気象条件は過去2日と変わりませんでした。結果として、花粉飛散には風向が大きくか関わっているようです。

スギ花粉は観測されるのですが、鏡検しますと、すぎ花粉は心なしか小径、カルベラ液による染色性も悪く、未熟な花粉と感じるのは私だけでしょうか?


2024年12月08日-3 花粉情報

スギ花粉観測値(12月)

令和6年 令和5年 令和4年 令和3年 令和2年
 

12月

上旬 5.6(7日まで) 1.5 0.3 0.6 0.0
中旬 2.8 0.3 3.3 3.1
下旬 4.9 1.2 0.3

これまで、この表は、間違っていました。お詫びして、12月4日に修正しました。

令和6年 令和5年 令和4年 令和3年 令和2年
 

11月

上旬 0.9 0.3 0.9 1.5 1.8
中旬 2.1 1.2 2.7 2.1 0.6
下旬 17.8 7.0 0.9 3.4 0.6

過去のデータを11と12月で比較しますと、11月の観測数が多い傾向が認められます。


2024年12月08日-2 花粉情報

先月27日から本日まで、よく晴れた日が続いています。この天気を反映して、11月には記録的多く(21.2個/cm2)のスギ花粉が観測されました。アレルギー症状を訴えて来院される方も増えています。このアレルギー症状の発症ならびに悪化原因は患者様によっては、単独ではなく複数の要因が重複している方も、少なくありません。

まずダニ抗原(室内塵)です。次に注意が必要なのが、大気の乾燥です。11月28日には当地は、平均45%、最小17%でした。29日も平均45%、最小25%でした。30日も、乾燥が進み、正午に32%でした。12月1日も正午に48%でした。2日は晴れましたが、湿度50%以下(最小50%)にはならないようです。3日は再び49%,昨日は38%でした。その後も最小湿度40%以下の日々が続いています。もう一つは、11月27〜28日にはスギ花粉の狂い咲き状況が認められ、近年にない多くのスギ花粉が観測されました。狂い咲きとは、昨日も本HPでのべましたが、「花芽が分化した後、葉が異常落葉したりしてABAの供給がなくなり、しかもその後高い気温が続いたりすると、休眠状態を経ないで成長し、開花してしまうものと考えられています。」また、返り花とも呼ばれます。つまり、春咲きのサクラなどが、秋の寒さから一時的な小春日和を春と思って勘違いして花を咲かせるものです。 ここ2日もスギの飛散花粉が認められます。


2024年12月08日-1 花粉情報

12月はよく晴れた日が続いています。本日で連続10日です。11日雨が降っていません。

関東の冬は、気温が下がるだけでなく、大気が極端に乾燥します。また、冷暖房は室内の空気を乾燥させます。大気の湿度が40%以下になると、乾燥注意報が出されることは多くの方がご存知と思います。この注意報は主に火災の危険特に大火の原因になるための注意報とされています。耳鼻咽喉科医は、室内の湿度が40%以下になると、鼻をはじめとして咽喉頭、結膜、気管気管支などの粘膜の機能が低下するだけでなく、粘膜上皮が破壊される可能性が大きいため、とりわけ注意を払います。

12月の飛散花粉数と翌年のスギ花粉の総飛散数

スギ ヒノキ その他 翌年のスギ飛散数
令和6年
令和5年 9.5 0.0 11.2 5271.0
令和 4年 1.8 0.0 2.1 6636.5
令和 3年 4.2 0.0 1.5 3838.8
令和 2年 5.8 0.0 1.5 3913.2
平成31年・令和 1年 3.0 0.0 3.3 2466.7
平成30年 6.9 0.0 5.8 4867.8
平成29年 5.7 0.0 11.5 4162.0
平成28年 1.5 0.0 3.6 2570.7
平成27年 2.4 0.0 4.2 4184.6
平成26年 3.0 0.0 2.4 2938.1
平成25年 1.5 0.0 3.9 1993.4
平成24年 2.4 0.0 2.4 1993.4
平成23年 0.9 0.0 4.8 1971.0
平成22年 3.0 0.0 3.3 9623.6

例年12月は落下花粉がほとんど見られないのですが、昨年はスギ花粉が9.5個/cm2と12月の観測を開始した平成22年以来最も多い記録でした。スギは11月下旬には休眠(動物でいう冬眠)に入るといわれていますが、気象条件によって一部休眠に入らない(入れない?)木々があるようです。