日: 2024年10月5日

2024年10月5日-9 花粉情報

東京都福祉保健局の花粉情報:東京アレルギー情報nabの過去の観測データによりますと例年10月の半ばを過ぎますと、都心ではイネ科花粉を除いてほぼ飛散が終了。むしろ、スギ花粉が少数ですが観測されています。冬の気候になると室内塵アレルギーの抗原も減少して、室内塵アレルギーの方の症状も安定します。そこで、この時期からは来春の花粉症対策を行うことが可能です。スギ・ヒノキ花粉が飛散する前に予め行っておく対策を私共は初期療法と呼んでいます。この療法を成功させるには、私共と患者の皆さんが協力して行わなければなりませんので、ぜひ患者の皆さんご協力ください。花粉飛散が始まる前に、正しく診断して、合併症や併発症を治し、十分な免疫力を養っておきます。


2024年10月5日-8 花粉情報

秋は春ほどではありませんが、春に次いで寒暖差の大きな季節です。温度差はアレルギーの原因にはなりませんが、アレルギー症状を悪化させます。衣類、冷暖房を適切に用いるなど温度調節が大切です。これから冬に向かって気温が下がりますが、気温の低下とともに大気の乾燥が進みます。東京は国内で一番冬に乾燥が激しい都市です。暖房によっても室内の乾燥が進みます。乾燥はそれだけでも粘膜にダメージを与えます。住居内が過剰に乾燥しないようにご注意ください。


2024年10月5日-7 花粉情報

東京都は、現在でもコンクリート地獄、コンンクリートジャングルでしょうか?

この数年、当地の落下花粉の観測を年間を通じて行なっています。その結果から当地の実態が見えてきました。私の当地の印象は、決してコンクリート地獄などでは、ありませんでした。秋の花粉の季節が迫っていますので、一言、申し添えておきたいと思います。調査結果は、私の記憶とかけ離れた結果でした。

東京都の緑地面積は、北海道、兵庫県に次いで全国3位、令和1年時点の都市公園数は3954ヶ所で全国6位、都市公園の面積では全国7位でした(アーバンライフ株式会社資料より)。


2024年10月5日-6 花粉情報

9月に当地では、イネ科(イネ、ハルガヤ、オオアワガエリなど)、キク科ブタクサ、オオブタクサ、ヨモギ、ニガヨモギ、ブタクサモドキ、フランスギク、タンポポ、アキノキリンソウ、オナモミなど)、アサ科(カナムグラ)などの花粉が飛散しますが、どれも背が低い草花で、花粉の飛散距離が短いため、狭い範囲しか飛散せず、花粉症は多くの場合近燐のみで発症すると言われています。主に9月に症状が最も強い方は、念頭に入れておく必要があります。

昨年、主な秋の花粉の飛散開始は、いずれも9月で、ブタクサは9/11〜17の週、カナムグラは9/4〜10の週、ヨモギは9/18〜24の週でした。

本年の初観測は、ブタクサが8/19〜8/25、ヨモギ、カナムグラが9/2〜9/8、いずれも昨年よりやや早い初観測でした(平年と比較しますと、昨年が遅いとも言えます)。おそらく、一時的に気温が下がった為と思われます。昨年の秋の花粉の飛散開始はブタクサが9/2〜8、ヨモギとカナムグラは9/16〜22でした。ピークは、ブタクサが9/18〜9/24、ヨモギが9/25〜10/1、カナムグラが9/18〜9/24でした。ブタクサが1.2個/cm2が2週続き、9月2〜8日が飛散開始週となりました。今週の測定値を見れば、今後がおおよそ予測可能と思われます。ヨモギ、カナムグラも今後多くなると思われます。


2024年10月5日-5 花粉情報

9月3日から5日の3日間は日差しも短く(16.1時間)、気温が低く(平均25.7℃)、比較的過ごしやすい日々でした。6日以後、晴れて再び暑くなり、平均気温は28.0℃を超え、最高気温は33℃を超える暑さが続いています。9月としては、記録的高温で、18日は歴史上最も遅い夏日だったそうです。

 

 

気温(2023年) 気温(2024年)
平均 平均
日平均 日最高 日最低 日平均 日最高 日最低
6 23.2 27.6 19.6 23.1 27.7 19.3
7 28.7 33.9 24.7 28.7 33.5 25.0
8 29.2 34.3 26.1 29.0 33.6 25.7
9 26.7 31.2 23.6 26.6 30.9 23.5
10 18.9 23.7 14.7      

また、今年の9月は「観測史上最も暑い9月」だったようです(TVのニュース)。しかし、東京は

「6〜9月で比較すると昨年の方が暑く、花粉の成長は昨年の方が良かったのではないか」とも考えられます。また、この夏の気象条件が来春のスギ、ヒノキ花粉の飛散量に、どのような影響があるのか、未経験の暑さで、定かではありません。

  2022年 2023年 2024年
日照時間 全天日射量 日照時間 全天日射量 日照時間 全天日射量
6 167.6 17.4 137.5 16.3 158.1 17.4
7 176.4 17.3 250.4 21.6 199.6 18.5
8 150.4 15.4 222.3 19.0 198.8 17.4
9 143.7 13.9 143.7 13.9 160.8 13.9

日照時間、日射量は上の表のとおりです。今後の花芽調査の結果が待たれますし、ご注目下さい。


2024年10月5日-4 花粉情報

天候が昨年までと大きく変化しています。

  気温
天気 平均 最高 最低
24 晴れ時々曇り 20.9 25.3 17.7
25 曇り時々雨 20.4 23.7 17.9
27 雨時々曇り 23.3 24.8 22.4
28 曇り 24.0 27.4 21.8
29 曇り時々雨 22.6 25.0 21.3
30 曇り時々雨のち晴 22.7 25.3 20.5
1 曇り〜雨〜晴れ 23.3 26.6 20.1
2 曇り〜晴れ一時雨 26.5 31.9 22.0
3 曇り時々雨 23.1 25.4 21.6
4 曇り一時雨 25.9 30.4  

「9月は観測史上最も暑い9月」だったようです(TVニュース)。2日は9月22日以来の30.0℃超えでした。


2024年10月5日-3 花粉情報

昨日、前述の佐橋 紀男先生(NPO法人花粉情報協会)から、「2024年のスギ花粉前線〜スギ・ヒノキ花粉飛散動態―:日本花粉学会誌70巻1号をお送りいただきました。この論文は、1986年以来毎年発表され、今年で39年目となる極めて有用かつ他に例を見ない貴重な論文です。花粉症は、花粉が原因のアレルギー性疾患ですから、花粉の飛散や動態を知るということは、花粉症治療の根幹、基礎と言っても過言ではない重要なことです。

さて、前述の佐橋 紀男先生の報告によりますと、78の測定点の内、耳鼻咽喉科医が担当しているのは、僅かに28地点、35.8%に過ぎません。東京都でも、城北と城南では飛散数が異なります。また、都心と青梅では、6306.0個/cm2の品川に対して、青梅は15765個/cm2、つまり品川の2.5倍となります。全国で78地点のデータしかないとすると、あまりにも少ないと言わざるを得ません。耳鼻咽喉科の医師の皆さんの参加を切にお願い申し上げます。最後に、私の希望ですが、花粉観測は花粉症治療の基礎です、せめて医療保険の給付をお願いしたいと思います。


2024年10月5日-2 花粉情報

25年春のスギ・ヒノキ花粉飛散予測セミナー(9月19日 : NPO花粉情報協会)

このセミナーにおいて、村山 貢司気象予報士は、品川の予測として、「スギ+ヒノキ花粉の予測値は5359個としました。昨年の85%、10年平均の106%に相当します。」と予測しました。つまり、「平年並み」と予測しました。この予測が、まず、目安となりますが、今後花芽調査結果などが加味されて、若干変わることもあります。この結果、「12月のスギ雄花の観測結果」を加味した予測」となります。

この情報に加えて、船橋市の測定結果を佐橋 紀男先生からいただきました。

2024年             ダーラム型(3.24cm2→1cm2)
9 スギ ヒノキ イネ型 ブタクサ ヨモギ カナムグラ その他
16 0.0 0.0 0.3 0.8 0.5 0.0 0.3
17 0.0 0.0 0.2 0.6 0.3 2.2 1.2
18 0.3 0.0 0.6 1.2 0.0 0.6 0.6
19 0.0 0.0 0.3 0.5 0.0 0.6 0.3
20 0.0 0.0 2.2 0.0 1.2 0.0 0.6
21 0.0 0.0 3.4 0.6 0.0 1.5 1.2
22 0.3 0.0 1.9 0.3 0.6 4.3 0.6
23 0.0 0.0 1.1 0.0 0.3 0.0 0.3
24 0.0 0.0 1.1 0.0 0.3 0.0 0.3
25 0.0 0.0 0.3 0.0 0.9 0.0 0.2
26 0.0 0.0 2.2 0.0 0.6 1.2 0.9
27 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
28 0.0 0.0 1.2 0.0 0.0 0.0 0.0
29              
30              
  合計 1.5 0.6 36.3 14.4 4.7 18.5 11.0

船橋はカナムグラが、当地はブタクサが多く観測されています。


2024年10月5日-1 花粉情報

近年は季節毎の寒暖差が激しく、この秋は何10年振りの異常が続いているようです。私の記憶では、こうした異常を知らせる言葉として、冷夏や暖冬がありますが、これらは、例年と比較して平均気温が1℃違うことと記憶していましたが、実は違っていました。国土交通省、気象庁の基準は以下の通りでした。地方によっても異なります。

例えば、気象庁における冷夏の基準は

・地域平均気温の平年差(1981〜2010年:過去30年の平年値による)

北日本―0.6℃以下

東日本―0.5℃以下

西日本―0.2℃以下

南西諸島―0.3℃以下

・暖冬の基準は以下の通りです。

北日本0.5℃以上

東日本0.5℃以上

西日本0.5℃以上

南西諸島0.3℃以上

当院で間違った説明をしていました。このHPの読者の皆様には心からお詫び申し上げ、訂正します。今年は、平年と比較して、2〜3℃も違っています。この様な暑さを猛暑ならず酷暑とでも呼べば良いのでしょうか。

日々の気温は、最高気温が35℃以上の日を猛暑日、30℃以上の日を真夏日、25℃以上の日を夏日、0℃未満の日を真冬日といいます。 最低気温が0℃未満の日を冬日といいます。