2024年10月7日-1 花粉情報

佐橋 紀男先生(NPO法人花粉情報協会)から、「2024年のスギ花粉前線〜スギ・ヒノキ花粉飛散動態―:日本花粉学会誌70巻1号をお送りいただきました。この論文は、1986年以来毎年発表され、今年で39年目となる極めて有用かつ他に例を見ない貴重な論文です。花粉症は、花粉が原因のアレルギー性疾患ですから、花粉の飛散や動態を知るということは、花粉症治療の根幹、基礎と言っても過言ではない重要なことです。

さて、前述の佐橋 紀男先生の報告によりますと、78の測定点の内、耳鼻咽喉科医が担当しているのは、僅かに28地点、35.8%に過ぎません。東京都でも、城北と城南では飛散数が異なります。また、都心と青梅では、6306.0個/cm2の品川に対して、青梅は15765個/cm2、つまり青梅は、品川の2.5倍にもなります。全国で78地点のデータしかないとすると、あまりにも少ないと言わざるを得ません。耳鼻咽喉科の医師の皆さんが花粉観測に参加をしていただきたいと思います。また、ご参加を切にお願い申し上げます。最後に、私の希望ですが、花粉観測は花粉症治療の基礎です、立派に医療保険の対象として相応しいと考えられます。医療保険の給付を受けられます様、お取り計らいのほど、関係各位に心からお願い申し上げます。

給付がなく、このまま測定者が減少すると、花粉情報が得られないばかりか、私共は根拠のない医療を続けなければならないことになります。