2024年10月6日-1 花粉情報

佐橋 紀男先生(NPO法人花粉情報協会)から、「2024年のスギ花粉前線〜スギ・ヒノキ花粉飛散動態―:日本花粉学会誌70巻1号をお送りいただきました。この論文は、1986年以来毎年発表され、今年で39年目となる極めて有用かつ他に例を見ない貴重な論文です。花粉症は、花粉が原因のアレルギー性疾患ですから、花粉の飛散や動態を知るということは、花粉症治療の根幹、基礎と言っても過言ではない重要なことです。

さて、前述の佐橋 紀男先生の報告によりますと、国内78の測定点の内、耳鼻咽喉科医が担当しているのは、僅かに28地点、35.8%に過ぎません。東京都でも、城北と城南では飛散数が異なります。また、都心と青梅では、6306.0個/cm2の品川に対して、青梅は15765個/cm2、つまり青梅は品川の2.5倍となります。全国で78地点のデータしかないとすると、あまりにも少ないと言わざるを得ません。耳鼻咽喉科の医師の皆さんの参加を切にお願い申し上げます。最後に、私の希望ですが、花粉観測は花粉症治療の基礎です。医療保険の対象として相応しいと考えられます。花粉を観測して公表する技術、行為に対して、医療保険の給付がないということは、花粉症治療を目的に、花粉観測をしている者にとって残念であり、また観測を断念する者が減少する結果を招くと考えられます。

給付がなく、このまま測定者が減少すると、医療現場では、根拠のない医療を続けなければならないことが、懸念されます。