2024年10月18日-7 花粉情報
初期療法において行わなければならない事項、知っておかなければならない事項を14日から提示しています。
冬の過ごし方(冬の乾燥した冷気からの鼻粘膜の保護)
数ある花粉の中で、何故スギとヒノキが花粉症の代表的な原因なのか?こんな疑問を皆さんは考えたことはありませんか?「スギ、ヒノキが日本に多い」のは勿論ですが、日本では他にも様々な数多くの花粉が飛散します。日本でもこれまでに数十種類の花粉症が報告されています。それらの中でも、スギ・ヒノキ花粉症は、花粉症を起こす力はさほど強くないのに、症状が重く、多くの方が罹患しています。その理由を私共は、「冬の乾燥冷気やインフルエンザを始めとする上気道炎の影響もある」と考えました。上気道炎の影響で鼻粘膜が障害されるのは、良く知られた事実ですが、私共は動物実験によって乾燥冷気が鼻粘膜を損傷し、かつ機能低下をもたらすことを確認しました。つまり、この粘膜の障害が回復しないまま、スギの花粉(抗原)に触れますと、花粉(抗原)が気道に侵入するのを防ぐ機能(除塵機能)が低下している粘膜では、抗原となる花粉の蛋白が粘膜下に侵入しやすくなり、花粉症の悪化が起こります。私どもはこのことも確認いたしました。そこで、スギ花粉症患者の皆さんに協力を依頼して、花粉飛散前の冬にマスクの装着、適切な居間・寝室の温湿度調節の実施をしていただき、その効果を確かめました。効果は大変良好で薬の効果を高め、服薬量が減ることも確認できました。ぜひ、冬はマスク、冷暖房を適切に使用して、乾燥冷気から鼻粘膜を守って下さい。