2024年10月16日-6 花粉情報

初期療法において行わなければならない事項、知っておかなければならない事項を14日から提示しています。

花粉症の診断

花粉症の診断は容易と思っている方が少なくありません。本当に容易かというと「実はそうでもない」というのがこの疾患の診療に50年携わってきた私の本音です。その意味は、「花粉症か否か」は簡単に判断できますが、「根本的に治癒を目指す治療を行う」ために「個々の患者様の病態を解明する必要があり、この解明のことを診断と呼ぶ」ならば、安易な判断はできません。花粉症は花粉が原因のアレルギー疾患ですが、原因が単独とは限らず、複数(重複抗原)の場合が大半です。原因となる花粉(抗原)を見出し、真にそれが原因抗原であると突き止めるには、いくつかのチェック(検査)が必要です。さらに患者の皆さんがお困りになっている症状の原因は、単独とは限りません。発症をもたらす原因は単独とはかぎらず、複数存在する場合が大変で困難なことも少なくありません。・また、数々の併発、合併症を考える必要があります。それらを突き止めるだけでも、丁寧な問診、鼻内の視診に加えて複数の検査を組み合わせて慎重に判断する必要があります。