2024年08月4日-6 花粉情報

両頬の内側には上顎洞と言う空洞があります。上顎洞と鼻腔の交通路である自然孔は比較的大きいのですが、立位の時に最上部に位置しますので上顎洞内の膿や分泌物が排出しにくい構造をしています。また、上顎の歯(主に大臼歯)の根(歯根)が洞内に突出している方が多く、歯の病気例えば虫歯から副鼻腔炎を起こすことが少なくありません。つまり、慢性化しやすいと言えます。また、呼吸は両側の鼻腔で行いますので、起炎菌は両側から吸入されるので副鼻腔炎は通常は両側に起こりやすいのですが、歯が原因の場合(歯性上顎洞炎)は、主として片側に起こります。片側だけ濃い鼻汁が出る、あるいは上顎や頬が痛む時があれば、耳鼻科医にご相談ください。

蝶形骨洞は鼻腔の最も奥にあって自然孔は顔面側、つまり前方にあって比較的外気の影響を受けにくい位置にあります。つまり、感染や炎症、外力が及びにくい構造をしています。副鼻腔炎になりにくい構造です。反面、一旦炎症が起こると治りにくい構造でもあります。また、後壁には視神経の隆起あるいは下垂体があり、側壁には静脈(内頸、海綿静脈洞)や神経(動眼、滑車、三叉、外転)があって、病変、外力、外傷が生じるとその影響で視覚に影響することがあり、大事に至る可能性が高い副鼻腔です。