2024年08月29日 花粉情報
昨日、公開するのを忘れました。以下、29日分です。
○8月29日(木):8月21日夜から体調が悪くなり、22日朝かかりつけの病院で検査を受けたところ、コロナウィルス感染症と判明。22日から26日まで休診いたしました。診療は長男(東京共済病院耳鼻科部長)が代診してくれましたが、従業員、看護師の皆様、多くの患者様にご迷惑をお掛けいたしました。心からお詫び申し上げます。療養期間が過ぎ、本日から診療に復帰いたしました。今後とも何卒、よろしくお願い申し上げます。
○8月29日(木):台風7号も中心は、関東から南海上に大きく外れて、東京への上陸はありませんでした。 これで、東京への台風の中心が上陸したのは、1951年以来、なかったことになります。台風10号は大変足の遅い台風で、本日九州に上陸したようです。しかも、進路の予測が大変難しく、「今週末には関東にも影響がおよびそう」と予報されています。ご注意ください。
○8月29日(木):
スギ花粉の飛散量に影響する因子には
1.前年夏の気象条件の影響
①気温(7月下旬〜8月上旬:特に7月)が高温
②日射量が大きい
③日照時間が長い
①②③の条件が揃うと、飛散量が大きい
2.前年の飛散量の影響(樹勢)
3.当該年の1〜2月の降雪量の影響
4.伐採と植林(無花粉あるいは少花粉スギ)
5.樹齢と衰退度
6.その他(都市気候、圏央道、高層ビル群)
などがあり、今後、上記の検討を加味して、来春まで検討を重ねます。検討結果は逐次ご報告いたします。
○8月29日(木):前年の飛散量の影響(樹勢)についてですが、私が花粉観測を開始したのは、1984年、昭和59年でした。当時の測定記録をかえりみますと、平成6〜7年頃までは、確かに1年毎に花粉数が増減して見えました。しかし、その後は4〜5年周期で推移している傾向にあり、3〜4年増加しては、減少し、再び3〜4年増加するという傾向をしめしています。最近はむしろその傾向の方が強く感じられる結果です。
都市気候は、都心の上昇気流の影響で都心で花粉が上空まで舞い上がること、都市構造では、高層ビル周辺では風が巻いて、地表を歩く人が何度も花粉にさらされます。地表がコンクリートで固められているため、落下花粉が地面に吸収されない。などの特徴があります。
高層ビルは、ビルの影響で平地は風が廻る可能性が高く、ビル周辺を歩く人は、より多くの花粉を浴びる可能性があります。
○8月29日(木):佐橋 紀男先生から、新たな情報をいただきました。
「遅くなりましたが、昨日までの富里のデータ、添付します。秋のキク科花粉がまったく観測できません。あまりの暑さで開花が遅れているものと思われます。」とのコメントが付けられていました。
2024年 | ダーラム型(3.24cm2→1cm2) | ||||||
8月 | スギ | ヒノキ | イネ型 | ブタクサ | ヨモギ | カナムグラ | その他 |
16 | 0.0 | 0.0 | 0.3 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
17 | 0.0 | 0.0 | 0.3 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
18 | 0.3 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.3 |
19 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
20 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
21 | 0.0 | 0.0 | 0.2 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
22 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.9 |
23 | 0.0 | 0.0 | 0.3 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
24 | 0.0 | 0.0 | 0.5 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
25 | 0.0 | 0.0 | 0.3 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
26 | |||||||
27 | |||||||
28 | |||||||
29 | |||||||
30 | |||||||
31 | |||||||
合計 | 0.3 | 0.3 | 12.5 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 2.1 |
○8月29日(木):夏は花粉症の皆さんの症状がほとんどない季節です。私共はその理由を夏の天気が原因と思っていました。しかし、飛散する花粉が大変少ないことが、過去3年夏にも花粉の観測を続けたことで判明しました。
観測総数(個/cm2/週:(2020〜2024年)
時期 | 7/12〜 | 7/19〜 | 7/26〜 | 8/2〜 | 8/9〜 | 8/16〜 | 8/23〜 | |
観測数 | 2020 | 0.9 | 1.5 | 2.1 | 2.4 | 0.6 | 3.1 | 1.5 |
2021 | 2.1 | 4.9 | 4.3 | 0.9 | 0.6 | 1.2 | 2.8 | |
2022 | 0.9 | 1.5 | 0.6 | 1.5 | 1.8 | 1.8 | 1.2 | |
2023 | 5.2 | 0.9 | 1.5 | 0.6 | 1.5 | 18 | 1.2 | |
2024 | 4.0 | 1.2 | 2.8 | 3.4 | 3.1 | 0.3 | 2.5 |
ブタクサ、カナムグラ、ヨモギは9月にならないと飛散が開始と思っていましたが、先週、ブタクサが初観測されました。夏は虫媒花が多く、虫媒花は花粉を小さくかつ大量に産生する必要がないようです。夏に症状が悪化する方は、花粉以外の原因、例えばクーラーの影響や動物、食べ物などに注意を払う必要がありそうです。しかし、8月も半ばを過ぎますと、天気の変化が大きく、夏の影響が出て体力的にきつくなります。また、8月下旬には秋の花粉の飛散が始まり、秋の花粉症シーズンが到来しますので、鼻アレルギー症状が悪化する方は、室内塵、カビ他に、花粉に対する注意も払って欲しいと思います。