2024年07月31日-4 花粉情報
真夏の気候となって花粉の飛散はオフシーズンとなりました。そこで、暫く花粉症以外の鼻の病気に触れていきたいと思います。
鼻は1対の鼻腔と4対の副鼻腔から成ることは、昨日述べました。鼻はどのようにして役割(機能)を果たしているのでしょうか。鼻腔を左右に分けている壁を鼻中隔と呼びます。鼻中隔によって左右に分けられた空気の通り道が鼻腔です。鼻腔に外側には鼻甲介と呼ばれる襞が3対(上甲介、中甲介、下甲介)あります。鼻副鼻腔は呼吸上皮と呼ばれる粘膜に覆われています。この粘膜は、無数の繊毛と呼ばれる毛が生えていて、その上に絶えず粘液があり、繊毛が一定のリズムで一定の方向に波打つのに従って粘液が流れています。この粘液によって、異物を鼻腔から排出します。これを鼻粘膜粘液繊毛輸送機能と呼びます。この機能によって吸気に湿気を与え(加湿)、温め(加温)、浄化(除塵)することで、呼吸器のコンディションを保つ役割を担います。さらには、味覚にも影響します。粘膜の下(固有層)には豊富な鼻腺の分布がみられ、杯細胞や腺細胞と呼ばれる細胞からは粘液が絶え間なく産生され、粘液の層を形成します。この粘液の層(粘液層)に捕らえられた物質は粘液とともに口腔、咽頭に流れていきます。その際に味を感じます。鼻の粘液が喉に流れるスピードは健康な時と、病気の時では異なります。人以外の哺乳動物には、鼻腔や副鼻腔にも嗅細胞があり、人の何倍〜何百倍も嗅覚機能に優れているので、これらは鼻腔の表面積を広くして、鼻副鼻腔の機能増大を図っていると考えられています。また、吸気が乾燥すると呼吸機能が低下します。挿管麻酔の時には、送気装置には、加湿用の装置が加えられているのは、そのため(加湿)です。