2024年07月28日-4 花粉情報

真夏の気候となって花粉の飛散はオフシーズンとなりました。そこで、暫く花粉症以外の鼻の病気に触れていきたいと思います。

鼻は鼻腔と副鼻腔から成り立ちます。鼻腔は左右2対、副鼻腔は左右4対あります。鼻腔と副鼻腔は、自然孔と呼ばれる導管でつながっています。鼻副鼻腔は表面を粘膜で被われ、粘膜の表面には、繊毛が生えており、この繊毛の表面は粘液(鼻汁)で覆われています。繊毛は一定のリズム、スピードで、一定の方向に運動して、粘液を流しています(繊毛粘液輸送機能)。鼻外から吸入された異物は、この輸送機能によって、鼻外に排出する役割を負っています。

鼻腔の外壁には鼻甲介と呼ばれる襞があり、表面積を大幅に増やして機能を高めています。これらは嗅覚や呼吸の効率の向上に役立つと考えられています。しかし、嗅部附近の気道(上鼻道)は大変狭く、わずかな形態異常や粘膜の腫れ(肥厚)でも、空気の通りが悪くなり、匂いがしなくなることがあります。原因としては鼻炎、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎、鼻腔形態異常などが原因となる主な病気です。また、外傷、腫瘍、脳血管障害などによって脳や神経が障害された場合にも匂いがしなくなることがあります。この所、流行していますコロナウィルス感染症でも、嗅覚の低下、脱出を訴える方が少なくありません。