2024年07月26日-4 花粉情報

アレルギーを起こすハウスダストの抗原性物質は、ダニ、カビの他に、動物の抜け毛、フケ、唾液、糞尿などがあります。中でも、「犬アレルギーと猫アレルギーは圧倒的に猫アレルギーが多い」そうです!

この理由は飼育頭数の差だけではないようです。猫の毛は犬と比べて非常に細く、少しの風で舞い上がる性質があるため、衣服に非常に付着しやすいらしいです。そのため、来客が猫の毛を衣服にくっつけて家の中に持ち込むことがあり、猫を飼っていない多くの家から猫アレルゲンが検出されるのだそうです

犬猫両方のアレルギーをもつ人もいます。 犬と猫の分泌する物質は違うため、この2つのアレルギーはまったくの別物なのです。 犬アレルギーは、唾液や皮脂・フケに、猫アレルギーは、唾液や皮脂・肛門からの分泌物にアレルゲンが存在しています。

ペットアレルギーは、クリニックや病院で検査すれば分かります。検査には2通りあって、どちらも保険適用になっています。
通常、一般的なのは血液検査で、アレルギーの元となる物質「アレルゲン」に反応として出る「IgE抗体」という物質が我々の身体の中にあるんですけれど、血液を少量採取して調べます。たとえば、猫、犬、鳥などのアレルギーや食物アレルギーなどについても同時に検査できて、費用は1項目あたり1,500円程度です。
少量の血液を採取するだけなので体への負担が少ないのがメリットですが、結果が出るまでに1日から2日かかり、費用が比較的高いのがデメリットかもしれません。

もうひとつは、アレルゲン物質を少量だけ皮膚の上に置いて血が出ない程度の傷をつけて様子を見る検査です。
比較的安価で、結果が15分程度で出るというメリットがある一方で、テスト結果に影響する可能性がある投薬治療を中断する必要があることや、陽性に反応が出た場合には皮膚がかゆくなるなどのデメリットもあります。それから、テスト用のアレルゲン物質の種類が犬猫などのフケなどに限定されているため、自分が検査したいアレルゲンが病院にない可能性もあるので、事前に確認していただくとよいと思います。

いずれにしても、検査はアレルギー専門医のいるクリニックや病院で受けるのが望ましいと思います。近所にアレルギー専門医がいなければ、症状に応じて内科、小児科、耳鼻咽喉科、皮膚科などのクリニックでも検査を受けられますが、基本的には血液検査になることが多いと思います。

(海老沢 元宏 国立病院機構 相模原病院臨床研究センター長 日本アレルギー学会理事長:NHKジャーナルより)