2024年07月25日-4 花粉情報

日本は高温多湿な温帯気候のため、一年中カビが繁殖します。特に梅雨期から夏にかけては多く繁殖し、6月の梅雨時期から9月くらいまで、カビアレルギーを起こしやすくなります。
アレルギー症状の原因となるカビは、屋内外の環境中にみられる空中真菌と人に寄生しているヒト寄生菌に大別されます。カビの胞子が空中に浮遊するため、それを吸い込むことによって体内に侵入し、気管支喘息やアレルギー性鼻炎などの気道アレルギーの原因となります。また、ヒト寄生菌は主にアトピー性皮膚炎の増悪因子になることが報告されています。 空中真菌の中で最も多いのがクラドスポリウム(クロカビ)で、あらゆる場所に発生します。アルテルナリア(ススカビ)は湿気の多い浴室や台所、結露した壁などに発生し、ペニシリウム(アオカビ)、アスペルギルス(コウジカビ)は比較的乾燥に強く、食品や室内塵などでも検出されます。
室内のカビが増えることにより、アレルギー体質の人は皮膚に感染しなくても付着するだけでアトピー性皮膚炎や接触性皮膚炎を起こしやすく、また、カンジダやピティロスポリウム、トリコフィトンなどのヒト寄生菌は、成人のアトピー性皮膚炎を重症化するといわれます。 カビアレルギーの検査では、それぞれの特異IgE抗体を調べます。空中真菌では特に真菌の種類を特定する必要がないことから、主な6種類の真菌を同時に検査するカビマルチで抗体の有無を調べます。

表.住環境における主なカビと発生しやすい場所
  浴室、台所、壁
洗面所、トイレ
居間、和室
靴箱、押入れ
室内空中 畳、木材、 衣類
カーペット、 絨毯
エアコン ハウスダスト
クラドスポリウム  
アルテルナリア      
ペニシリウム  
アスペルギルス  
                                     ○著しく多い  △多い