2024年06月15日-4 花粉情報

 資料:防災まちづくり部道路課

○6月15日(土):花粉症は日本だけか?

世界アレルギー機構(World Allergy Organization)のWorld Allergy Week 2016の報告資料3によると、13~14歳の小児における花粉症の有病率は、世界全体で22.1%だった。 地域別にみると、アフリカ29.5%、アジア23.9%、東地中海20.1%、インド亜大陸15.8%、中南米23.7%、北米33.3%、北欧・東欧12.3%、オセアニア39.8%、西ヨーロッパで21.2%だった。過去15年間を平均すると年間平均0.3%増加しているという。地域によって生育する草木が異なるため、花粉症を引き起こす草木も異なり、ヨーロッパの各地ではイネ科、アメリカではブタクサ等、オーストラリアではアカシア(ミモザ)、南アフリカではイトスギが有名だ。スギは日本固有種であるため、スギ花粉症は日本の特徴だ。

村松 容子(ニッセイ基礎研究所:保険研究部 主任研究員・ヘルスケアリサーチセンター)

元奈良医大化学教室の井手 武先生によると、地球上で多くのスギ花粉症が存在するのは、日本と中国のみで、その理由は、「日本スギは中国のヤナギ杉が先祖で、この2ケ国以外、他には極一部の地域にしか生育していないから」と、教えをいただきました。私共は、このことを確かめるため、科学技術振興調整費(科学技術庁研究開発局)による『スギ花粉症克服に向けた総合研究(第Ⅰ期 平成9年度〜11年度)』により、中国上海市ならびに福建省邵武市に、健診団として出向き、疫学研究を実施いたしました。結果は、『中国には、スギ花粉症候補者が多数存在し、その人達は、日本から持参したスギ花粉抗原にも、またヤナギスギの抗原にも共通して、100%近く反応することを確認しました。』

当時、有病率は日本の方が高率でしたが、中国の工業化が進み、日本と同様に工業化、大気汚染が進行すると有病率は爆発的に上昇することは、想像に難くありませんでした。