日: 2023年8月6日

2023年8月6日-5 花粉情報

佐橋 紀男先生からスギ雄花の着花状況について情報をいただきました。

昨年8月30日に「自宅周辺のスギを観察してきました。前回よりかなりはっきり雄花が沢山ついているのがわかりました。」 とのことでしたが、

「本年8月2日の段階では、[毎年観察しているスギ並木3ヶ所(いずれも富里市)の小枝先端のトゲの様な針葉の間には肉眼では雄花芽をまだ見出せませんでした.次回は8月20日ころ観察する予定です。」とのことでした。


2023年8月6日-4 花粉情報

今週(7/31〜8/6)観測された花粉は、下表の通りです。7月31日には、花粉は観測されませんでしたので、8/1〜6でも観測数は変わりません。

種別 観測期間
7/31〜8/6 昨年(8/1〜8/7)
スギ 0.0 0.3
ヒノキ 0.6 0.0
イネ科(カモガヤ、イネ他) 0.3 0.3
ブタクサ属 0.0 0.0
ヨモギ属 0.0 0.0
カナムグラ 0.0 0.0
マツ 0.0 0.0
その他 1.2 0.9
合計 2.1 1.5

その他は、マツ科(トウヒ)0.3個/cm2、イチョウ0.6個/cm2、判別不能0.3個/cm2でした。


2023年8月6日-3 花粉情報

この時期は例年花粉の飛散はほとんどありませんので、鼻の話に戻ります。

副鼻腔の存在意義には諸説あり、未だ決定的な意義は解明されていません。副鼻腔は自然孔と呼ばれる管状の出入り口が一つの閉鎖死腔(風船様)です。哺乳動物では副鼻腔にも嗅覚細胞が存在する為、「嗅覚の効率を上げる」のに存在するという考えもあります。また、人の脳は脊椎動物の中で最も重く、しかも鼻の上に存在しますので、「頭骸を軽くする」ために存在すると考えた人もいます。また、牛などの副鼻腔は頭頂洞と呼んで、頭全体及び角にまで及ぶ副鼻腔もあり、牛は頭をぶつけ合って戦うので、「脳を守るため」に存在すると考えた人もいます。人の副鼻腔は脊椎動物と比較しますと退化していますが、人は秀れた視覚を持つので、副鼻腔の機能と存在が低下(退化)したと考えられています。副鼻腔の内側壁も呼吸上皮と同じ繊毛上皮で覆われています。腔内の粘液や異物は繊毛の機能によって自然孔から排出されます。感染やアレルギーでこの機能が低下する、あるいは失われると副鼻腔炎、アレルギー性副鼻腔炎を起こします。感染を起こせば、粘膜が肥厚して自然孔が狭くなり粘液や膿汁の排泄ができなくなり副鼻腔炎を起こします。副鼻腔は眼や脳に隣接するので、副鼻腔の炎症が眼や脳に及ぶことがあります。また、副鼻腔から排出された膿(後鼻漏)が喉頭や気管に及ぶこともあり、気管の炎症の原因となる(副鼻腔気管支症候群)ことがあります。


2023年8月6日-2 花粉情報

7月後半から8月前半の総日照時間と翌年のスギ花粉飛散数は相関があると言われています。昨年の7月後半は猛暑で始まりました。今年も猛暑が続いていますので、引き続き7月16日から気象庁過去の気象データから東京都東京の日照時間の観測値を抜粋して、日々加算した数値を本HPで報告致します。

8月5日の日照時間は11.0時間でした。7月16日から8月5日までの日照時間の加算値は215.6時間でした。

 8月1日から8月5日までの日照時間の加算値は 47.4時間でした。

昨年の7月16日から8月5日までの日照時間の総計は142.7時間でした。今年は31日まで日照期間が昨年の1.5倍長い結果でした。今年は日照時間がながく、かつ記録的猛暑が続いています。来年のスギ花粉飛散数にどのように影響するか、興味深いところです。


2023年8月6日-1 花粉情報

8月です。「夏は落下花粉数が少ない」ので、落下法による観察は引き続き1週間毎に行い、当地の観測結果を報告いたします。主に観察するのは草本植物になります。

カナムグラ(アサ科カラハナソウ属:8〜11月、1968堀口)

ブタクサ、オオブタクサ(キク科ブタクサ属:8〜10月、1961荒木)

セイタカアワダチソウ(キク科アキノキリンソウ属:8〜10月、1977小埼)

ヨモギ(キク科キク亜科ヨモギ属:8〜10月、1969我妻)

ヒメスイバ、ギシギシ(タデ科ギシギシ属:6〜8月、1973我妻)

都内の状況は「東京都アレルギー情報navi(東京都福祉保健局):東京都の花粉情報」にて報告されていますので、ご確認下さい。8月以後は、秋に向けて観測される花粉の種類が変わります。また、6月以後秋までは室内塵アレルギーのシーズンです。季節が変わると多くの皆様が衣替えを行うと思います。衣替えは転居、大掃除と並んで室内塵アレルギー悪化の契機となります。今後、秋に向けてますます注意が必要です。