2023年7月29日-3 花粉情報
真夏の気候となって花粉の飛散はオフシーズンとなりました。そこで、暫く花粉症以外の鼻の病気に触れていきたいと思います。
篩骨洞(篩骨蜂巣)は、眼(眼窩)の内側、鼻腔の上外側にあります。顔面を前とすると前頭洞より後で下、蝶形洞より前、上顎洞より上で内側にあります。名前の通り、他の副鼻腔とは発生が異なります。篩骨と呼ばれる骨の内部にある腔の一つ、篩骨の外側部は薄い骨板で複雑に仕切られていて、迷路となっています。その内部の空洞を篩骨洞と呼びます。前、後、中の3部屋に分かれ、前部と中部は中鼻道へ、後部は上鼻道へ開口し、鼻腔と交通しています。他の副鼻腔と異なり交通路が複数あって、構造が複雑なことが影響して、副鼻腔炎が起こりやすく、起こると治りにくく、慢性化する特徴があります。
両頬の内側には上顎洞と言う空洞があります。上顎洞と鼻腔の交通路である自然孔は比較的大きいのですが、立位の時に最上部に位置しますので上顎洞内の膿や分泌物が排出しにくい構造をしています。また、上顎の歯(主に大臼歯)の根(歯根)が洞内に突出している方が多く、歯の病気例えば虫歯から副鼻腔炎を起こすことが少なくありません。つまり、慢性化しやすいと言えます。また、呼吸は両側の鼻腔で行いますので、起炎菌は両側から吸入されるので副鼻腔炎は通常は両側に起こりやすいのですが、歯が原因の場合(歯性上顎洞炎)は、主として片側に起こります。片側だけ濃い鼻汁が出る、あるいは上顎や頬が痛む時があれば、耳鼻科医にご相談ください。