2023年7月27日-3 花粉情報
真夏の気候となって花粉の飛散はオフシーズンとなりました。そこで、暫く花粉症以外の鼻の病気に触れていきたいと思います。
鼻はどのようにして役割(機能)を果たしているのでしょうか。鼻中隔、鼻甲介など鼻腔の内面は呼吸上皮と呼ばれる粘膜で覆われています。表面には無数の繊毛と呼ばれる毛が生えていて、その上に絶えず粘液があり、繊毛が一定のリズムで一定の方向に波打つのに従って粘液が流れています。これを鼻粘膜粘液繊毛輸送機能と呼びます。この機能によって吸気に湿気を与え(加湿)、温め(加温)、浄化(除塵)することで、呼吸器のコンディションを保つ役割を担います。さらには、味覚にも影響します。粘膜の下(固有層)には豊富な鼻腺の分布がみられ、杯細胞や腺細胞と呼ばれる細胞からは粘液が絶え間なく産生され、粘液の層を形成します。この粘液の層(粘液層)に捕らえられた物質は粘液とともに口腔、咽頭に流れていきます。その際に味を感じます。鼻の粘液が喉に流れるスピードは健康な時と、病気の時では異なります。鼻には除塵機能があることは、すでに述べました。では、空気中のどの位の大きさのものをこの機能で取り除くことができるのでしょうか?実は大きさによって異なります。また、吸気とともに吸入された粒子は、鼻や喉のどこに沈着するでしょうか?沈着する場所は粒子の大きさによって違いがあって、大きな粒子、例えばスギ花粉(20〜40μ)、やヒノキ花粉(20μ)は少なからず鼻の粘膜に沈着します。室内塵中のダニの糞は20μ以下、粉砕されるとさらに小さくなります。多くが気管、気管支まで届きます。そのため、アレルギー性の鼻炎の原因は花粉が多く、気管支喘息の原因の多くは室内塵であることになります。