2022年6月25日-1 花粉情報

ダニの話は本日で最後になります。繰り返しますが、室内塵アレルギーの主な原因はダニです。家庭から排出される室内塵中のダニ数を測定すると「一定量の室内塵から検出されるダニの数は、実は家庭によって大きく異なる」そうです(神奈川衛生研究所調査結果から)。また、「同じ家庭内でも場所によって大きな違いがある」そうです。近年は、この違いをアレルゲン量として定量することも可能となっています(阪口、白井:室内環境中におけるダニアレルゲン対策:臨床環境24:22〜28、2015)。ダニの多い家庭は、知らず知らずのうちにダニが発育しやすい環境を作り出しているためと思われます。繰り返しになりますが、ダニは人や動物の抜け毛やフケ、食物残渣、カビなどの胞子、植物の繊維などを栄養源に繁殖しますので、これらを住空間に残さないことが大事です。

室内塵の中のアレルギーを起こす原因となる物質量やその物質がアレルギーを起こす強さは排出場所によって異なること、つまりアレルゲンとしては、家庭、劇場、駅、百貨店など様々な場所によって大きく異なることは既に75年以上も前に動物実験によって確認され、明らかにされています( 遠藤朝英 : 諸種屋内塵埃ノ感作原性二就イテ.成医会誌62 : 595, 1943.)。人混みにお出掛けの際には、あらためてご注意下さい。